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優しさと愛があふれる美容室が生まれた日 / 2005年10月

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優しさと愛があふれる美容室が生まれた日
~利より信、人間力を高めるリーダーシップを学ぶ~

久保 華図八 氏 (有)バグジー 代表取締役社長

みなさん、お疲れさまです。今、紹介していただきましたバグジーの久保といいます。こんな高い席で話をする立場ではないのですが、ご指名ですので…。二時間、間に休憩をどうしても入れてくださいということなので、最初に一時間ほど話をさせてもらって、休憩を入れて、後半またやるということでよろしくお願いします。

うちのビデオを見た方、おられますか? みんな見られたですか? ありがとうございます。今日はあのビデオであまり出ていないような話をしたいなと思っているんです…。

あのビデオが出たのがちょうど3年ぐらい前なんですけども、私のお店はあれよりも4年ぐらいに倒産しそうになって、非常に悪かったお店なんです。その当時、今はもう虚妄の成果主義とか言われていますけども、僕はすごい成果主義者で、7年ほど前もフルコミッションで、とにかく「勝てば官軍負ければ賊軍」で商売をやっていました。その時に大量に社員の人たちが辞めるという事態に遭遇しました。美容業の場合、従業員の人というのは商品ですから、商品が入ってこないわけですね。7年前に倒産しそうになった時は、30人ぐらいいた社員の人が急に14人ぐらいまで、半分ぐらいまでになりました。倒産するんだなと思ったのが7年前です。その時に残ってくれた14人の従業員の人に、倒産するのは嫌なので「とにかく一緒に頑張りたいのでよろしくお願いします」と頼んだのがちょうど7年前です。

その時の従業員の人が14人で、今その人たちが会社の幹部になってくれています。7年間頑張って、今、従業員の人が100人をちょっと超えて7倍ぐらいになっています。売上高も6倍ぐらいになっています。潰れそうになったところからこの7年で7倍に、前年対比を毎月120%ぐらいでずっと更新しているという感じなんですけどね。

何かみんな機嫌が悪そうだけど大丈夫ですか? 大丈夫ですね。何かいや~な雰囲気が漂っていますが…。

僕は今年311回セミナーを頼まれています。来年ももう240回ぐらい入ってしまっていて、何屋か分からなくなってきているんですけどもね…。

そういうことで、僕の所はあまり自慢できることはないんですけども、人がたくさん辞めたという小さな失敗があったものですから、人が辞めない会社を作りたい、ESといわれるところから取りかかっています。みなさんで言うCSに取り組んでもなぜ結果が出ないんだろうかというのとは僕は逆で、ESに取り組んできたらCSが非常に良くなったということで、ビデオになったり、今度またPHPさんからビデオが出たり、本に載ったり、今、もうすごい噂だけが先行して…。来年は、「噂に追いつけ、バグジー」というテーマで頑張ろうと思っているんですけども…。

何せそういうことなので、ビデオに出てこないようなことを2時間、ちょっと短いのですが、できる限りお話ししたいと思っています。大きく分けたら四つですから、前半は二つ話したいのですけども、従業員満足のために何をやったかというのが一つです。それからもう一つは、ちなみに今日は美容院の方が何人か来られているみたいなのですが、僕の所は4年間一人も辞めていません。普通、美容業で言うと奇跡的な、絶対に嘘だというような話ですけども、実際に人が辞めていません。だからなぜ人が辞めないかという話を最初にやって、次は教育のやり方を変えたので、教育の仕方をどうやったかというのが一つ。前半はこの二つに絞ってお話ししたいと思いますから、みなさんの所にいっているレジュメのテーマ1の「従業員第一について」と、「人間づくり」についてという所を前半にやりたいと思います。このレジュメに書いたことはほとんどしゃべらないので、そっちは見ないで僕を見ていてください。ちょっとうっとおしいけど、よろしくお願いします。

「従業員第一」について

1.大家族主義の経営を目指す
まず僕が目指しているのは、7年前から従業員の人が辞めるのが辛かったので、自主活性型、「自主」だからみんなが主人公ですね、みんなが主人公になれる自主活性型、言い方を変えたら大家族主義というのを7年前に考えました。家族のようにいきたい、従業員の人は弟、妹のようにやりたい、お客様は親愛なる友達のようにやりたいということで奮起しました。

(1)将来が見えていること
その自主活性型をやるとき、7年間一生懸命やってきたら見えてきたことがいくつかあります。ここにおられる企業の方も二種類あると思うんですけども、すごく元気の良い所と、元気が良くない所…。これは業績が良くても元気がない所もあるし、業績が悪いのに元気が良い所もあります。これは自主活性型の特徴なんですけども、将来が見えていないとやはり元気が出ない、活力が出ないですね。

例えば、会社が来年度はこういうふうにいったら売り上げが上がると思っている人はいいですけど、どうやったら売り上げが上がるんだろうか、売り上げが落ちてき出したなと思っている人というのはなかなか元気が出ないのと一緒で、やはり大家族主義というのは将来が見えているというのが非常に大事じゃないかなと思っています。

今日の参加者名簿を見せてもらったら、今日はいろいろな企業の方が来られてくれているんですけども、結局言い方を変えると、利益の質が問われているのではないかと思うんです。なんで利益を上げていくかというのが非常に問われているような気がするんです。

例えば僕たち美容師は、辞書を引いたら「お客様の容姿を整えることによって心身ともに豊かにすること」となっているんですけども、全国の美容室がどうなっているかというと、ほとんど割引、割引で拡大路線ですね。お客様のことなんか全然考えていないというのが実情です。

それとか、どんなんがありますか…。本屋さんとか、今日来られていますか? 本屋さんなんていうのは、業績が伸びている所は成人向けの、エッチな本なんていうのは売っていないですね。業績の良い所は、地域の青少年のために悪いような物を売ってまで商売したくないという、利益の質が非常に良くなってきている。これはみなさんの近くにある本屋さんで多い所を見たら分かります。

それとか飲食だったら、肉を売っている所が大体良くないですね。やはりお客さんのこと、健康を考えていない所が良くないですね。季節の、旬の物を食べさせているような所は良いというようなことから考えても、自主活性型の一つ目はちゃんと将来像が見えているかどうかだと思います。
僕は7年前は将来のことなんか全然考えていませんでした。もうとにかく売り上げを上げて、とにかく儲けることしか考えてなかったんですけども、このごろは少しだけ遠くに離れて見えるので、そういうことが非常に大事になってきています。2007年ショック、団塊の世代の方が2年で1200万人退職すると言われています。ですから美容院の場合は、あと2年経ったら白髪染めのお客様が来なくなるのではないかと言われています。どうしてかと言うと、だんなさんが家にいるからです。今までのように毎月中年の女性が来れなくなる。これは美容室は3割ぐらい潰れるだろうと言われています。そういうことに対応できるような店づくりなどをやっていないといけないので、そういう将来のことが見ていないと難しいと思うのです。
僕の所は14人で始めて、そして今100人ちょっとになっているんですけども、そのみんなで話し合って、将来これをやったらいいんじゃないかというのを今日最初に三つお話ししたいと思います。

①集客よりも定着
一つは、集客はやめよう。『集客より定着』だ。例えば美容院だったら、雑誌に載せたり、チラシを配ったり、どんどん顔の見えない人を集客してやっている所というのはほとんど常連のお客様が逃げているということです。

みなさんで言うと、行った居酒屋が、常連の人は定価で、初めて来た人はチケットを持って半額で食事をしているみたいなことです。そんな所にみなさんが行くかというと、行きづらくないですか? 「俺、高いよ。俺が一番古いんだから」とか、気持ち悪くないですか? 何か嫌な感じですね。

来れば来るほど良い方がいいわけですから、マイレージ現象といいますか…。だからバグジーは集客はやめよう、もう定着に力を入れていこうということで、車で言えば売るまでよりも売ってから、家だったら建てるまでより建ててからとか、こういうことが非常に大事だろうと…。どうかすると印鑑を押したら負けた、みたいな雰囲気ですね。笑うところですよ。だめな所は、車を買って印鑑を押したらもう知らん顔ですもんね。もう売ったら知らん顔です。銀行の方も、僕もよく行くんですけども、貸すまではすごいけども、印鑑を押したらもう知らん顔です。そういうことから考えても、来れば来るほど良くなる店づくりというのを今提唱しています。これは家族主義でやってみんなが分かっておかなければいけないことなので、そういうことを頑張っています。

②原点が大事
それともう一つは、『原点が大事』なんじゃないか、原点に戻っていこう、本来あるべき姿に戻っていこうということです。

美容室であれば、美容室というのはカリスマブームとかでちょっと悪い影響でバブルがあって、外見が格好良い美容師さんが売り上げを上げていたのです。でも今はそうじゃなくて、その人が髪の毛をやったら1ヶ月ぐらい何もしなくてもいい、家でドライヤーも当てなくてもいいという、再現性というのですが、再現性がある技術をできる所でないと単価が取れないということで、基本をもう一回見直していこうということに力を入れています。

これはどういうことかと言うと、業績が悪くなるときにいちばん最後に来るのは何かと言うと、「売り上げ」が落ちるでしょう。売り上げが落ちる前に大体「客数」が落ちる。客数が落ちるというのはマックスの売り上げが上がらなくなって、ミニマムなのがもっと悪くなる。例えば忙しい時は100人来ていたのに、このごろ90人しか来ないなとか、1日5人が最低人数だったのに4人しか来なかったとか、最高と最低が落ちてくる状態になったら、ガンで言ったらもうⅢ期ぐらいに入っている。客数が減る前に必ず「紹介の数」が減ります。これはまだⅡ期ぐらいだからまだ助かるんですけども、紹介お客様が減っているということは、営業にインパクトがない、競争力がないということですね。紹介でお客様が来なくなっているというのはかなり良くないですね。そしていちばん最初に起きる現象としては「定着率」が落ちます。再来率が落ちてしまう。

僕は7年前は目の前の成果主義しか考えていなかったから、全然勉強していなかったのです。今考えるとどんな業界にも言えることなんですけども、やはり基本の充実が非常に大事になってくるということだろうと思います。

③お客様のリスクを軽減する
それともう一つはリスク・リバーサルといわれる『お客様のリスクを軽減していこう』ということです。例えば美容室であればこうです。髪の毛にパーマかけたら思うようにならない。そうすると普通の美容室というのは電話をしても営業中以外は電話に出ない。ですから保証が全然できていない。だからよそに行くとなるんですけども、うちの店は24時間電話を取りますので、何時でもお客様のクレームをとる。そして来ていただいて帰る時には、パーマが失敗したらパーマをやり直してカラーのチケットをあげるとか、カラーを失敗したらパーマのチケットをあげる。要するにお客様は「よかった、失敗して…」という感じです。これ、ちょっと笑うところだったんですけどもね。ちょっとレスポンスが悪いですね…。

要するにこういうことなのです。外国でベターザン・リスクフリーというのですが、リスクを超えた保証ということです。これはどうですか? 100円ショップなんかに行って、壊れた物を修理してくれなんて言わないじゃないですか。結局期待していない。でも有名なブランドのバッグなんか買って、すぐ壊れたりしたらすぐ言いに行くじゃないですか。あれですね。結局ブランド力ですね。これはやはりリスク・リバーサルに尽きるだろうと…。要するにリスクの軽減とか、保証を徹底するとかいうことが大事なんじゃないかというようなことを今うちの店ではやっています。

ちょっと話が長くなったんですけども、家族主義の一つ目、将来が見える、というのは今みたいな感じ。これはやはり見えていないと非常に良くないと思われます。これが一つです。

(2)ゴールデン・ルールがある
あと、僕が思っている家族主義というのは、みなさんの家族ってどうでした? 僕は田舎で育ってますので、お父さん、お母さんは何も言わない。でも正月の1日とお盆の13日の迎え火と、12月31日の大晦日だけは家にいないと怒られていました。みなさん、どうです? 無視ですね…。これは『ゴールデン・ルール』というのですけどね、こういうことが会社、企業になくなっています。何でもOKなのです。結局馬にニンジンで、労働条件の改善によるモチベーションという良くないやり方をやっていますので、弱体化しています。結局ゴールデン・ルールがない。「ちょっとこれがあるんやけど…。」「ちょっとすみません。僕、休みなんで…。」「ちょっと嫌なんで、強制じゃなかったら帰りますよ。」そういう会社が今ほとんどだめです。そういうゴールデンルールがない所がだめだと思います。
それから僕の所は、ビデオであると思うけど、入社式とか来なかったらクビです。社内旅行も来なかったらクビです。それはゴールデンルール、普通は何も言わないからそれだけは守ってほしいということが言える組織じゃないとだめなんじゃないかと思います。

・最後は味方
それとか、後から出てくるのですが、うちは「最後は味方」というキャッチフレーズが一つあります。それはどういうことかと言うと、悪いことをする。そうしたらお父さん、お母さんから僕はボコボコに怒られていた。でも最後は、その日の夜は何となく優しくしてくれた。「今度からこんなことするなよ。もし何かあったら言って来いよ。」最後は味方。例えばもし悪いことをしたとしても、最後は味方になってくれる。

今企業がそうなっているかというと逆です。最後は厳しいよ、みたいな…。最後は辞めてもらうよ、みたいな…。遅刻3回したら罰金ですよ、みたいな…。結局会社が心地良くないです。僕はそう思うんですけどね。

だからやはりそういうバックボーンになる、懐の大きい上司に巡り会えないということは非常に良くないんじゃないかと思うので、家族主義で、最後は味方みたいなものも必要になってくる。

今日は2時間しか時間がないので、本当はこの家族主義だけで2時間ぐらい話をするんですけどね、10分ぐらいで話をしなくちゃいけない。そういう時間バランスが滅茶苦茶なんですけどね。

(3)幹部がしっかりしている
もう一つは「ひとつ屋根の下」というドラマ、見たことあります? 家族というのは長男、長女がいちばん大事です。そう思わないですか? ややこしい弟たち、ややこしいお父さん、お母さん、でも長男がしっかりしている、みたいな、要するに企業で言うところの幹部です。そこの店長、営業所の所長、これで全て決まります。もうほとんど。幹部の人が良ければその会社は絶対に良くなる。長男、長女を強化していくということですね。幹部育成の勉強会を今はやっていますけど、その当時は全然やっていなかったんです。

①人の嫌がることを率先してする
こんな感じです。幹部の人たちというのは、長男、長女というのは特別に勉強してもらわないといけないんですけど、すごい幹部の人たちというのは、三つぐらい特徴があります。一つは『人の嫌がることを率先してする』。みなさんの所の所長さんか店長さんはどうですか? そういう人は人がついてきますよ。

例えば非常に恐いクレームが来たら、「いい、俺が行く。お前たちは危ないから行かなくていい。僕が行ってあげるよ。」「社長に電話しますか?」「だめだ、だめだ。社長にそんないやな思いはさせられない。そんな細かいことは言えない。僕が行くよ。」というように、嫌なことを率先してできるということです。こういう店長をつくっていかないとちょっと厳しくなるんじゃないかなと今思ってやっていて、まあよくできてるんですけどね。

僕の知った方が名古屋で60軒ぐらい飲食店をやられていて、僕の先生に北川八郎という人がいるんです。それでその人に相談している。「僕は儲かって儲かってしょうがないけど、何か不安です。」「なぜ不安なんですか?」と僕が聞いたら、「何か分からないけど、儲かりすぎているんだけど、もう不安なんですよ。」すると北川さんがこう言った。「あなた、信頼している幹部は何人いますか?」「うちは12人いるんですよ、会社の役員。」「ああ、それは不安やろね。48軒は信頼してない人に任せているんでしょう。」

笑うところですけどね。分かります? その方はこう言いました。「簡単よ。60軒を12軒に減らすか、60人信頼した幹部をつくるか、どっちかですね。これしかないんじゃないですか。」もうそのとおりです。バサッと…。あ、失礼しました、というわけです。

結局やはり幹部の育成が非常に大事。嫌なことを率先してできる幹部を育成するということが、僕の所もちょっとこのごろできてきているので少し安心してますけどね。それが一つ。

②工夫を怠らない
それからもう一つ、『工夫を怠らないこと』です。幹部の人って、だめな幹部って同じことを何回もするんよね。要するにアプローチが一緒なんよ。チラシの撒き方。どうかすると美容室の場合は紹介がいちばん大事なんです。紹介カードというのを何年も同じカードを使っているんです。表紙とか絵とか、分かります? キャッチフレーズみたいなの…。毎年同じだから増えるわけないんです。アプローチも変えなければいけないから、紹介カードというのは毎年変えないといけないんです。なのにアプローチを変えない。だから成績が出ない。下の人の給料が上がらない。組織はだめになるということです。

だから工夫を怠らないということが非常に大事だと思います。いろいろな形で頑張る。これもだめなら、こうはどうか。こうがだめなら、こうはどうかというように、ネバーギブアップで頑張る長男が欲しいですね。

③上司を機嫌良くできる
それから最後、『上司を機嫌良くできる人』、これがいちばん大事だと思います。僕は分からないけれど、今日ここに二代目の方とかがおられたら、よくよく後でじっくり考えてみてほしいのですが、良くない二代目さんは大体先代と喧嘩している、戦っている。笑えない人がいますね。

これです、こういうことなのです。自分の上司と戦う人というのは自分が格好つけたいのです。そうでしょう。「よーし、俺が言って給料上げてやるよ」とか、「労働条件、俺が改革してやる」なんて言っている人は自分が格好良くなりたいだけで、組織を良くしたい人じゃないんです。組織というのは上司を上機嫌にする方が絶対うまくいきます。

例えば今日も幹部が一人ついて来ていますが、僕の所はこんなんです。去年本当にあった話ですよ。「社長、たまには仕事休んでみんなで釣りに行きましょうよ!」と幹部の人が僕に言うのです。何かいいこと言うなと、僕はもう既にちょっと機嫌が良いんです。そうしたら「バーベキューやりませんか? バーベキュー、夜。」とか言うんです。僕、バーベキューが大好きなんです。塩フェチでね、いろいろな塩を集めているんです。今日は幹部がいいこと言うなと思って、一生懸命炭を買ったり、食材を買っているのは僕なのです。そういうことでしょう? そうしていたらうちの幹部の子が一人、「社長、来年の秋コンテストをしますけど、次の日、休みをやったらみんな喜ぶと思うんですよね」と言うのです。そうしたらもう一人が「ばかちん、お前、6軒の営業所が1日休んだら200万ぐらい金が要るんだぞ。それをお前、どうするんだ」と怒っているのです。そしたら喧嘩になってね、「やめろ、喧嘩するな。今日は楽しい席なんだから…。君はどう思う?」「僕も休んだ方がいいと思います。」「君はどう思う?」「僕は休まない方がいいと思います。」僕は何か分からなくなって、機嫌も良いし、「まあ、いいたい。休みをやっといたらいいやないか。」「社長が言うならいいですねどね。」僕がトイレに行って帰ってきたら、「落ちた、落ちた」と電話しているのです。「やっと落ちた、1日かかったけどな」、みたいな…。

そういう幹部が良いわけです。そうでしょう。なぜ良いか。僕が会社に行ったらみんな「先生、ありがとうございます」とみんな言うもん。そうでしょう、休みをやっているから良い経営者になっているでしょう。だから幹部が良い経営者にするかどうかなのです。社員が悪口を言っているということは、幹部が良くないということです。そういうことでしょう。面白くなかったですね…。普通の所では結構受ける話なんですけどね…。

これは結構大事なんです。本当に上司の人を上機嫌にしてあげてください。本当は良い上司なんですよ。悪い上司になっているのは、部下の人が上機嫌にしてあげれてないから悪いところが出てきているのです。

今からどういう構造になっているか、お話ししますけどね。ここだけ話していてもちょっと時間がかかりそうでしょう。まだ本題にはいっていないんですもんね。30分経っているんですけど…。僕、今日鬼澤さんに、「2時間は短いんじゃないですか?」と言ったんですけどね。「それぐらいにして早く飲みに行こうと…」。これは冗談ですよ、怒らないでくださいね。

2.残った従業員から言われた5つのこと

そういうことで、家族主義というのを提唱し出して、7年で6倍ですからどうですか。みなさんの所の今の業績かける6といったらすごくないですか? 従業員数かける6ってすごくないですか? すごいですよ、もう夢のようです。今考えたらですよ。もうその当時といったら…。ちなみに7年前の方がすごく高価な車には乗っていました。値段は高いけれど車高の低い車に乗っていました。

でも今のほうが幸せです。なぜかと言うと、人間関係のトラブルが一個もない。昔はいっぱい。派閥ができたり、文句があったり、いつもドロドロした、何と言いますか、イライラと妬みと、そんなんの集まりだったんですけども、今は本当にすごく良いです。

なぜそうなったかと言うと、最初の話に戻りますけども、僕は小さな失敗ができたからです。だからみなさんも失敗された方がいいです。もうされたですか? されてる最中ですか? 

やっぱり勝ち続けたらだめみたい。今だめな企業は、名前が通ってる所、歴史がある所、技術力がある所、この三つ揃った所はもう今ことごとく大変なはずです。過去の成功体験が良すぎて変われないのです。変わろうとするけど変われない。だからどうしようもないのね。旅人のいかだの話で、川があって、いかだを作って、その後死ぬまで山をいかだを担いで歩いていたというのがあります。笑う所ですよ。もうついてこれなくなってきたですね。

そういうことで、僕の場合は7年前にうまく失敗ができて、神様がうまく作ってくれたのでしょう。サムシング・グレイトがあるんだろうなと思うんですけども、従業員の人が辞めないお店をつくりたいなと思ったんです。

これは面白いんです。従業員の人がバーッと辞めた時、ちょっとたいそうですけど自殺しようかな、ぐらい思ったんです。会社が倒産するんですからね。そうして最後やし、ちょっとお坊さんの話でも聴きに行こうかなと思ってお坊さんの話を聴きに行ったのです。そのお坊さんが竹内日祥という人、大阪の有名な人です。

その方が西郷隆盛の話をするのです。僕、西郷隆盛、好きなんですよ。坂本竜馬よりも好きなんです。ま、それはどうでもいいんですけども…。南州遺訓という話が好きで、「子孫のために美田は買わず」、子供、孫のために美しい田んぼ、不動産は買わない、リーダーは私利私欲に走らないという話をされていたのです。

するといきなり、「ここに辞めた従業員の文句を言いながら夜な夜な酒を飲んでいる経営者はいませんか?」と言われたのです。僕、前の日飲んでたんです。「あいつ、俺、仲人してやったんだ」とか言いながら飲んでたんです。え、俺かな?このおっちゃんすごいわと思って…。

そしてその人は僕にこう言ったのです。「頭が悪すぎる。今残っている社員が、俺たちも辞める時、ああ言われるんだなとモチベーションが下がっていきますよ。だから嘘でもいいから、俺が悪かったと謝れるリーダーにならないとだめだ。21世紀は謝れるリーダーが必要なんだ。強いリーダーなんが要らないんだ!」と言われました。「なぜか。素直な人は強くないと素直になれないですよ」と先生が僕に言いました。強烈!と思って…。

その日の夜、従業員の人を集めてちょっと嘘をついてみたんです。むかついてたんやけど、「俺が悪かったよな」とか言ってみたんです。そうしたらね、「そんなことないですよ。辞めた人のことなんかいいじゃないですか。今から僕らがおるから大丈夫です」と言ってくれたのが今の14人なのです。それを中心に、今100人ぐらいいるんです。だから最初の奇跡は嘘をついたことから始まっているんです。

だからみなさんも今日帰って嘘をついてください。笑うところです。スミマセン…、引かれてしまったですね。

ということで、その時に僕の所に残った14人の従業員の人に、どうしたら頑張れる?と聞いたら、五つぐらい話が出てきたのです。

(1)安心したい
一つはこうだったんです。「先生、昨日何の日か知ってますか?」「え? 俺知らん。」「私の誕生日なんやけど、先生以外はみんなメールと電話してくれましたよ。」バサッ。そんな会社で頑張れるわけがありませんよ。そういうことです。みなさん、どうです? 誕生日でその人の人望が分かるよね。誕生日に夜の街に消えていかないといけないようじゃどうしようもないよね。僕はそうだったんですけども…。

結局こうなんです。もっと将来の話をしてほしい。「僕はここに入って8年目なんだけど、いつになったら店が出せるんですか?」とか、女性の社員は、「私は30過ぎだけど、子供ができますかね?」、「結婚できるんでしょうか?」という意見が多かったです。

これはマズローの五段階欲求で言う二段階目、安全欲求ですから、やはり物欲を超えているのです。今目の前で美味いものが食いたいとか、良い車に乗りたいとかいうのとは違う、将来良くなれるとか、将来まで継続できるという安全欲求に訴えかけるからやはり非常に強いです。

こういうことなのです。僕は7年前はそれと全く逆のことをやってたんです。今はどうしているかというと、心理学で言う「セーフ・ベース」、お母さんが赤ちゃんを抱いたら赤ちゃんは三つのものを触るらしいです。髪の毛とか、洋服とか、何か触る。それは安心という心理状態から生まれる冒険心というのが出るんです。だから安心している社員というのは冒険心が出る、頑張るのです。自主性が生まれるのです。

その逆はどうか。テーブルの上にポンと赤ちゃんを置くと、1種類しか触らない。それは不安だからです。落ちそうだから…。これがコミッションという、成果主義というやつです。

僕は7年前、細~いテーブルに従業員を乗せていました。落ちるよ頑張らんと、みたいな…。しょうがないね実力主義やけんね、みたいな…。だめやったらペナルティがあるけどどうしようか、みたいな…。これはやはり良くないのです。

東大の教授が書いている『虚妄の成果主義』を読まれたら分かるけども、それじゃだめなのです。これからは個性を伸ばさないといけんから、褒めてから伸ばすような形じゃないとだめなのでしょう。僕はそう思いました。

だから一つ目は、『安心したい』。僕は正直言って7年前こうです。従業員に「先生、あと何年経ったら僕は店が出せるんですか? 僕の器量だったらどれぐらいの店が出来るんですか?」と聞かれたときに「おう、今度教えてやるよ」って言った。でもね、背中から汗が出た。何にも考えていなかったから…。従業員のことなんて何も考えていない。口ばっかり。もう自分のことだけしか考えてなかった。「教えてください」と言われ、「今度教えてやるね」と言ったけど、全然考えていない。その当時は「私、子供産めますか?」なんて全然関係ない。だからすごく焦ったです。

これはすごくいいです。キャリアパスプランという、経験をふんでいったらどこに行けるか。山登りで言うと、二合目まで行ったらこんな景色が見えるよ、五合目までだったらこんな景色、九合目まで行くとこんな景色が見えるよという、見える景色をプレゼンしてあげるということでしょう。そうすることによって山登りのやりがいが出てくるということじゃないでしょうか。これが一つ目。

(2)もっと参加させてほしい
それからもう一つは、『もっと参加させてほしい』と。「店の内装から、チラシから、求人から、全部幹部がやっているじゃないですか。幹部会議で決まったら、これせい、あれせいで全然面白くない。自分たちも経営参加させてほしい。」

これは経営品質賞で言うと情報カードというのですか。僕の所は、天使の声だからということでエンゼルカードと呼んでますけども、従業員が僕の自宅にFAXできるようになっています。新入社員も、事務の方も、いつでもFAXしていいようになっているのです。

こんなのがあります。「先生、○○店の××ですが、冷蔵庫が小さいので買い換えてください。先輩たちの弁当は入るのですが、私たちの弁当は入りません。ちょっと腐ってきてますけど、どうしますか?」とFAXが来る。僕はそれを見て、え?と思って見に行ったら、やっぱり冷蔵庫が小さい。スタッフルームの冷蔵庫の大きさまで分からないでしょう。そう思わないですか?

それで冷蔵庫を買う。僕が買って行く。そうすると従業員の間でこうなっている。「誰が言ったの冷蔵庫のこと?」「私が言いました。」ヒーローですよ。「よく言ってくれた。」その人はその気になっています。経営参画した形、えらく調子に乗っている…。

これ、非常に大事だと思うんですよ。僕もそうだったし、やっぱり「頼むよ」と言われたりしたら頑張れるのと一緒で、参加するということはやはり期待してあげるということに近い。

僕は血液型がA型なので、中期計画書とかすごいのを作るんです。銀行とかに持って行ったら、銀行だけは喜んでくれるようなやつ…。でも従業員は全然喜んでない。それで従業員が「先生、全然面白くないですよ。もらって一回も開いたことがない」と言うんです。「中期計画書を見て嬉しいのは先生だけでしょう。こんなの、嬉しいのは社長だけじゃないですか?」「どうして?」と聞いたら、「私たちのことが書いてないもん」と言うわけです。

だから僕はその時思った。これは中期計画書に従業員の夢を1個1個入れたらいいなと思った。だから僕の所は、「全てうまくいったらどうする会議」というのを1年に1回やって、みんなが3年間でうまくいったらやりたいことを出す。例えば沖縄旅行に行きたいとか、研修センターが欲しいとか、アメリカに店が欲しいとかということを全部中期計画に入れている。その一つ一つは自分の意見ですから、非常に大事です。実際3年ぐらい前に、阿蘇に保養所が欲しいという意見がありました。3年間で売り上げが倍ぐらいになったので、今建設中です。山を買って造っています。

こんな時代ですから、やっぱりリーダー一人の夢はかないません。従業員みんなが思った夢は叶うのです。これは結構大事ですよ。みんなが保養所を作ろうと言えばできるけども、社長のエゴとか、自分の夢だけで作ろうと思ったら無理です。やっぱり夢を共有していくというのが非常に大事じゃないですかね。

僕はそれから作文も出しています。「明日のために今日がある」という、ビジョンを具体的に落とし込んで作文にしたものを毎年出しています。今日はなぜこうするのかというのは、明日こうしたいからだよという…。今度ロサンゼルスに店を出そうとして、今年土地を買いに行って、サンタモニカという所に出すんですけどね。それも3年前にみんなで約束したからできました。現実です。

というようなことで、参加したいという人が多いのです。だからそういう参加型にしていくのがいいんじゃないか。二つ目ね。

(3)もっと信頼したい、信頼してほしい
三つ目は似てるけども、『もっと信頼したい、信頼してほしい』。こういうことです。僕の所の従業員は口が悪いので、「社長ばかりなんであんなに領収証を切りまくるんですか? 私たちにもちょっと切らして。」失礼しました…。

これはどういうことかと言うと、従業員が「相談があります。」「そう、じゃあ今日夜、焼き鳥でも行こうか。ワリカンで…。」これではだめだ。社長だけ領収証切りまくり、格好良すぎる。少し領収証切らしてよ、こういうことです。

だからもっと権限の付与をしてほしいということです。付与。権限の委譲なんて無理ですからね、付与、少しずつ与えていく。例えば美容師さんだったら、パーマの薬液だけは君たちで決めなさいとか…。

ちなみにその時、採用は僕がやっていたんです。僕が入れた人はみんな辞めた。うちの店長たちが面接した人は辞めない。それはそうなんです。使いやすい人、一緒に働きたい人を採用しているから辞めないんです。僕が採用するときは働きやすいとか関係ないもんね。容赦ない。自分の好みで入れているわけですからね、どうしようもないと思います。

みなさんの企業も、よく考えてみてください。問題の源流は採用にあります。究極。そう思わないですか? こんなにしたのになんで良くならないのか、なんでできないのか、なんで入ってきたんやか…。源流はそこにある。なぜ入れたのか。だから採用が非常にウェートを占めてくる。

7年前なんてそんなの全然関係ない。容赦ない。近くの美容室の店長さんをヘッドハンティングです。もうどんどん…。その時は全然だめ。よその店の働き手さんを取って商売をやろうなんて、そういう姑息なやり方は通用しないです。だから今うちにいる100人は全員僕がシャンプーから教えてます。全員新卒採用でやってます。

それは信頼関係を持つということです。

(4)環境をもう少し良くしてほしい
四つ目は、『環境をもう少し良くしてほしい』。環境、働く環境。給料は要らないけれど、できたら、例えば食事する所のテーブルをもう少しきれいにしてほしいとか、少し良くしてほしい。

この間長野県の伊那食品工業さんという所に行ってびっくりしたんやけど、ゴルフ場よりもきれいな、レストランよりもきれいな食堂ですよ。やっぱり良い所はね…。48年増収増益、日本一。「かんてんぱぱ」、伊那食品工業さんという会社…。

そして自動販売機を見てびっくりしました。全部50円なんですよ、自動販売機が…。ここは日本か?と思いました。そうしたら会社が半分負担しているそうですね。それも健康に良いものしかない。コカ・コーラとかはない。あ、コカ・コーラさんいた、すみません…。すみません、ちょっとビデオがやばいですね。体に良いものしかない。ちょっと訂正してください。もとい、すみませんでした。

環境を良くする。美容室の場合、特に生産性を追い求める業界ですから、必然的に裏の方、スタッフルームというは奥の方で、狭くて、換気が悪くて、汚い所なんです。そこにタオルは干すわ、従業員はタバコは吸うわ、もうタコ部屋みたいなんです。だからそこの換気扇をちょっと換えてあげるとか、食事をするテーブルだけは少しきれいなのにするとか、そういうことです。こういうことは従業員のモチベーションに深く影響しているようです。そうでもなさそうですごい。

・朝礼と終礼が大事
意外と僕の所で成功している例、7年前までやっていなくて、今やっている環境整備でいちばん力を入れているのは『朝礼と終礼』です。朝礼と終礼というのは目に見えない環境づくりではいちばん大事。朝礼と終礼をやっていない会社は良くないですよ。

何が良くないかって、例えば風邪をひいている従業員が会社に来た。朝礼をやっていたらこうですよ。「今日は私、病院に行って来て、風邪気味で、ちょっと熱があるのでみなさんよろしくお願いします。」そして営業をやったら、風邪ということを分かってくれている仲間と仕事をするでしょう。これ、非常に良いんです。でも朝礼がなかったらどうです? 風邪なのに、風邪を知らない仲間と仕事をする。相当きつい。やっぱり朝礼というのは非常に大事ですよ。

それとか、朝一番に来る、例えば田中さんというお客さんがこの間饅頭を差し入れしてくれてます。「白餡の饅頭をプレゼントしてもらっているので、是非みなさんお礼を言ってくださいね」と朝礼で言っておく。そうすると朝一番に来たお客さんに、みんなが「白餡のお饅頭、ありがとうございます」と言う。持って来た人は気分がいい。また持って来ようかなって…。これは大事なことです。

これは後でお話するけども、お客様のロイヤリティがこれからいちばん大事です。お客様のロイヤリティと従業員のロイヤリティが比例するのは分かるでしょう。良い美容室は差し入れが多い。差し入れが多いということは、カットに来るのに饅頭を持って来るということですから、ロイヤリティが高いわけです。なぜか。普通の美容室は5千円のカットを4千円で売っているのです。いつも割引。というのは自信がないからなのです。4千円の価値しかないからなのです。割引というのは自分たちの不手際の先払いです。割引しているということは自分の所は内容がないということです。僕の所は5千円のカットをするんやけども、お客さんは千円の饅頭を持って来ます。だから5千円のカットを6千円でやっているということです。これはロイヤリティが高いです。これは非常に大事です。ロイヤリティは今から大事。

従業員のロイヤリティというのは『愛社精神』ということです。愛社精神がこれから非常に大事になってくる。なぜかと言うと、愛社精神がある従業員のお客様はロイヤリティが高いからです。そうですよね。店が好きな人が働いているでしょう。そうしたら店を好きで働いている人の所に来るのはお店が好きな人に決まっているじゃないですか。店の悪口をだらだら言っている人の所に人の良い人なんて来ません。そういうふうになっているんで、後でちょっとお話ししたいと思うんですけどね。

だから朝礼、終礼なんかをちゃんとやるというのは良いと思います。

それから終礼は従業員に嫌なことを持って帰らせたらいけない。例えば終礼で怒られて、「お前、何やってんだ!ばかやろう!」なんて言われて終礼が終わったら、家に帰って飲むビールなんて美味しくないですよね。そう思わないです? 終礼はやっぱり良いこと、ファインプレーしか言っちゃいけない。怒るんやったらOJTでその場じゃないと…。

だからよく言うじゃないですか、「感謝で眠って、希望に起きて、努力に生きる」って言うでしょう。頑張れる人っていうのはそういうことでしょう。寝る時に良い感じで寝れないといけないから、やはり持って帰らないようにする。

ちなみに従業員が辞めるのは終礼をちゃんとやってない所です。終礼でちょっと顔色が悪いって分かるでしょう。嫌なことがあった人とか、思いません? あ、こいつ何かあったな、とかあるじゃないですか。その人に「何かあったの?」って聞いてみてください。そうしたら、「実は先輩から裏でばかやろうって言われたんですよ。」その一言が胸に刺さっているわけです。小さなトゲが…。その小さなトゲはその日しか抜けません。後から抜けんですよ。先月の月初めに先輩に怒られた、あのトゲがここに刺さってるんですよ。そんなことはないです。もうどこにあるか分からないです。ですから終礼をちゃんとやってあげるということが、非常に従業員の活力に変わってくるということです。

ちょっと話は余談ですが、良い会社というのはやっぱり朝が早いです。良い社員というのは朝早いです。良い社員というのは朝早いですよ。10時から営業だったら、だめな美容師さんは9時半に来る。良い美容師さんは9時ごろ来て、近くのスタバか何かでコーヒーを飲みながら、朝シュミレーションして、今日来るあの人にはあのメッセージカード、あの人にはこんな良い言葉をあげようかな、この本を見せようかな…。朝シュミレーションしてる人、それはやっぱり一流です。やっぱり朝早く…。僕の所は「早朝カフェ手当て」というのを出そうと言ってるんです。朝のコーヒーだけ会社が出そうみたいな訳の分からんことを言って…。面白くなかったですね。

まあ良いことも悪いこともあるんです。10個ぐらいやって良いのは二つ、三つなのです。7個は大体企画倒れするんですけども…。四つ目の環境ですね。

(5)もっと勉強がしたい
もう一つは、『もっと勉強したい』ですと。「先生、職場というのはもっと成長できる場じゃないですか。金儲けばかりで何か嫌だ。もっと勉強したい。」

美容師さんで言えば、ヘアー、髪の毛ができるという美容師さんはいます。でも今というのは当たり前だけれどメーク、顔もできないといけません。そしてネイル、爪もできないといけません。そして今流行っている髪の毛をつける、エクステンションというんですけどね。それとか着付け、ウェディング、できないとだめです。

なぜかと言うと、高校生から来てもらっているのに成人式。「あ、うち成人式やってないんですよ。」思い入れがないから、そこでまずお客様が逃げる。そして結婚する時、「あ、結婚式。うちやってないんですよ、ウェディング。」そこでまた逃げる。要するにライフタイムバリューができないということです。生涯顧客価値を創造できないということです。だから勉強していない美容室はだめなのです。だからもっと勉強しないといけない。

僕の所のお店は6年前まで成人式の着付けとかやってなかったけど、今は全員成人式ができるから、3時間、4時間で300人ぐらいします。1月、2月の売り上げに相当貢献しています。一人から3万とか4万貰いますからね。かけ300です。どうしましょう。大変なもんです。

教育もドラッカーさんの生産性向上の本に書いてますもんね。「社内で教育できる企業が生産性が上がる」とはっきり書いてるもんね。そのとおりじゃないでしょうか。社内に教育があるということはすごく大事なことですね。

僕の所はビデオでも見てのとおり、勉強して手話ができる人も何人かいます。お客さんは占いが好きだから、四柱推命の免許を持っている人もいます。本当にすごいですよ。手品ができる人もいます。何でもありかよ、という感じです。

でもよその美容師さんは何も勉強しない。本も一冊も読まない。だめな人は月に一本の映画も見に行かないですよ。映画も見ないでしょう、本も読まないでしょう。それで中年のおばさんが来たら、「今日晩御飯のおかず、何にするんですか?」とカットするんですよ。2ヵ月後に来て、「晩御飯のおかず、何にするんですか?」3回目、お客さんが「晩御飯ですか?」と聞くんです。終わってます…。

業績が上がらない人の特徴。去年と同じ会話で、去年と同じ技術をやっているということです。業績が上がってない所は去年と同じことをやっている所です。営業というのは下りのエスカレーターを上っているようなものです。止まったら絶対に下がります。だからもうとにかく違うことをやっていく。カットだったら、縦に切ってたけど横に切るとか…。もう訳分からん、何でもやる。それぐらいのアプローチが大事なんです。営業でもそうじゃないですか。同じアプローチじゃだめですよ。

この間、こんな話を聞いてびっくりしました。宝石屋さんにセミナーに行ったんです。一生懸命やっても全然売り上げが上がらない。それで何に力を入れているか。バレンタインデーとホワイトデーとクリスマスにフェアーをやっていた。倒産しそうになってお客さんにアンケートを出してみた。「いつ宝石が欲しいですか?」と聞いたら、バレンタインデーとホワイトデーとクリスマス、ほとんどいなかったそうです。いつだと思いますか? 女の人は分かる。誕生日。誕生日に宝石が欲しいという顧客に、クリスマスのキャペーンを何十年もやっていたというのです。ばかです。

それで誕生日のデータをいっぱいとって、誕生日の一ヶ月前になったら、5万円だったらこの宝石、十万円だったらこの宝石、こういうのがプロデュースできますよとDM作戦に切り換えたら売り上げが20倍になったそうです。20倍。本当よ。これはアプローチを変えていく人しか作れないんです。

アプローチを変えていくということはお客様のアンケートをきちっととるということです。これ、大事じゃないですか。

スーパーでも繁盛している所は駐車場がとめ易くて、通路が広いやん。あれ、アンケートをとっているからですよ。そう思わないです? アンケートをとって、お客様の声のことを天の声と言うけども、お客様の声を聞けるようにならないといけない。

7年ぐらい前、僕なんてお客さんの声なんか全然聞いてなかったですよ。僕が大嫌いだったのは損をすること。もう儲かるといったらとにかくすぐ行く。もう生産性に近いところばかりやってたんですけど、本当は逆なのです。生産性から遠いところをやる方が良いんです。

例えばどうです? カラーで何万枚もDMを作って、コンピュータでタグシールでパッパッパッと貼っていって、何十万枚と広告をうつでしょう。これ、効率良いと思ってるでしょう。大間違い、最悪ですよ。データをとったら5万枚で一人ぐらいしか来ないらしいですよ。本当ですよ。美容業界はですよ、よその業界は知りませんけど…。手書きで書いたら100枚で15人来るっちゅうんやから、どっちが効率が良いかということです。分かります? 手間をかけていくということです。

こんなのもありますよ。美容師さんで業績が上がってない所はこうなんです。生産性、生産性と言うんです。500万円を5人であげている店と500万円を10人であげている店を比べたら、5人で500万円あげている店のことをみんなすごいって言うんですよ。全然すごくないでしょう。お客さんはどっちに行きたいですか? 5人で500万あげている店なんて適当ですよ。パパッと終わりです。こちょこちょっとやれば終わりです。10人だったら、話をしてくれたり、シャンプーしてくれたりするじゃない。生産性イコールどれだけ手を抜くかということですから、そこばかりやっているわけだからどうしようもないわけです。

僕は7年前そうだった。今は違う。どこまで落とせるか。どこまで落としてつぶれないか、みたいな…。ちょっと笑う所でしたけれど、ちょっともう無理ですね。

それはこういうことなのです。美容師さんで生産性を求めている所、美容師さんでなくてもです。新入社員が入る。人件費、固定経費がかかる。売り上げ目標を上げる。いいです? これは分かるでしょう。経費がかかるんだから目標を上げる。そうしたら従業員そのものが経費そのものやん。だからその人を稼がせないといけない。そうしたらどうなるか。早くロールプレイして電話に出れるようにならなきゃ、受付させなきゃ、早く営業をやらせなきゃ。今の美容室、まだ学生から1年も経っていない人が店でいちばん大事な受付に立っているんですよ。どうですか? 何十年も来ているお客さんの電話に出るんですよ。それが分からないですよ。目先の利益に振り回されている。そうじゃないですか。十年来来ているお客さんがパッと店に来て、受付の人が「お客様、お名前よろしいですか?」と言うんですよ。「あんたの名前、何ていうの? あんたが生まれる前から私は来よんよ。」お疲れさんという感じなんです。

ちなみに、僕が今話しているのは、7年前僕がそうっだから分かるんです。僕がそうやった。もうお客のことなんか関係ない。でもテーマはいつもCSなんよ。テーマはCS、会議はお金。もうずっと一本でそれなんです。

でもね、今はちょっと僕の見方が変わったから分かるんです。どうです? 電話に出て、常連さんというのは声だけで「あ、久保さん、こんにちは」と言われてちょうどいいぐらいです。「お客様、もう一度お名前をよろしいですか?」「お前、名前なんちゅうんかい? 今から行くけ、待っとけよ」みたいな…。だんだん盛り上がってきたですね。

3.お金ではなくやりがい
そういうことなんです。だから今言ったようなことが五つあって、ちなみに僕はこう思ってました。給料をもっと欲しいと言う人がいると思った。でもいないです。みなさんも聞いてみてください。いそうですけどいないです。

なぜかと言うと、本当はみんな給料より大事なものを知ってるんです。例えば入社式で受かった時とか、美容師だったら初めてシャンプーのテストに受かった時とか、お客様を初めてした時とか、初めて所長に任命された時とか、自分が会社を設立した時。これは心理学上フローというのですが、お金と時間の概念が吹っ飛ぶ時。みなさんがゴルフに行く時。笑うところですよ。起こされんでも朝早く起きるもんね。魚釣りでもね。なんか盛り下がってきたですね。今のはちょっと言い過ぎました。今のもカットしてください。

結局こういうことなんです。みなさん、タクシーに乗って感じの悪い人に遭遇したことあります? もう室内がタバコ臭くて、目は合わせないし、返事はしないし、よーく見たら目は血走ってるし、みたいな、ね。早く降りたい、みたいな…。何かうつりそうな感じがする。片やものすごく感じの良い人もいるでしょう。この人、なんかノリノリやな、みたいな人。ふり返ってきたりしますからね。それがまた危ないんやないかみたいな、いるでしょう。

前者の人はなぜ感じが悪いと思います? 金で仕事をしているからです。後者の人はなんで仕事をしていると思います? どうせ働くなら、というのをやりがいと言いますけども、職場でやりがいを見出しているんです。これがものすごく大事だと思いません? だってみなさんがタクシー会社をやっていて、前者の運転手を集めたら倒産しそうでしょう。血走ったのばかり集めたら…。感じの良い人がいっぱいいれば、定着率が良いわけだから紹介とかリピーターで来ます。

結局何が言いたいかというと、従業員のモチベーション、それはイコールやりがいと言いますけども、やりがいを見出せた人の多いところは従業員のモチベーションが高い会社なのです。従業員のモチベーションが高いということはどうなっているかというと、競争力がビンビンに上がってくるということでしょう。毎日みんながアメーバみたいに頑張るわけですから、これは絶対いきます。お金で働いているということはぶら下がっているのですから非常に重たいです。そういう人はきついです。まあぶらさがっているのはもうきついですけどね。このごろね…。ここ、笑う所ですけども、笑えなくなってきたですね。

この間、アメリカの大きな会社、航空会社が二つが潰れました。知ってます? あれは9月11日のテロの時にいちばんリストラをした会社です。あの二つ、名前は出せませんけど、みなさんがよく知っている…。いちばんリストラした会社。一人もリストラしなかった会社はサウスウエスト航空という会社です。世界でいちばん儲かっている会社です。ちょっと前に引退してしまったけど、ハーブ・ケレハーさんという人が創業からずっと社長をやっていました。フォーチュンという雑誌で6年連続「この人の下で働きたい№1」の社長です。ハーブ・ケレハーさん。

その人がテロの次の日に社員にこうスピーチしています。うちは社員のための会社だから一人もクビにしない。絶対クビにしない。その代わりボーナスはもしかしたらちょっと出せんかもしれんけども、絶対にクビにしないから安心してほしいというスピーチをしてるんです。そうしたら滅茶苦茶モチベーションが上がってるんです。

もし機会があったらサウスウエスト航空に乗られてください。びっくりしますよ。降りる時びっくりします。よーく観察してみてください。普通の所は、飛行機って降りる時、タラップの所にお掃除の人がいて、「ありがとうございました」と言っているでしょう。分かる? 飛行機乗ったこと、あります? 通路、トンネルみたいな方で掃除の人が言うでしょう。サウスウエスト航空はあそこにいません。

なんでだと思う? スチュワーデスさんがお掃除するからです。すごいでしょう。40分かからんてよ。15分で飛び返すっていうんです。車やないんやから…。ピューッて着いて、それだけ経営陣から愛されているから自分たちも貢献したいということで、スチュワーデスさんたちが掃除をします。素晴らしい会社です。掃除が早いです。掃除婦の人と提携していないので経費もかからない。粗利益は滅茶苦茶高い。

もう世界一利益が出てると言われています。世界の航空会社の株全部集めても、今サウスウエスト航空の株の方が高いです。素晴らしい会社になっています。これはあの日、テロで従業員のモチベーション、従業員の心に火をつけたということでしょう。テロ以降儲かったというんです。素晴らしい会社です。

やっぱりESの代表はサウスウエスト航空でしょうね。日本で言ったらドミノピザさんですね。従業員のために屋根つきの単車を作って、配達する人が濡れないようにと作ったあそこが今、すごい利益が上がっているでしょう。あとどんなんがある? ディズニーランドでしょう、リッツ・カールトンでしょう、従業員のための社宅を初めてつくったMKタクシーさんでしょう。今さっきの「かんてんぱぱ」さんでしょう。従業員のことを「パートナー」と呼ぶモスバーガーでしょう。スターバックスでしょう。良いところはみんなそうです。ESが強い。やはり従業員に出ます。従業員が違うじゃないですか。そう思いません? 

もう既に時間、おしてますからね。終わらないといけないのに、まだ一個しか話してませんからね。これ、ちょっとまずいかなと思うんですけど、でも強引にいきます。あと5分ぐらいいいですよね。

「人間づくり」について
次、教育の話なんですが、みなさんどうですか、教育というのは生産性により近いところに力が入るよね。特に即効性がある方が、すぐに収益が上がる方がいいじゃないですか。でも本当は収益から遠いところの教育の方が効率が上がります。

いちばん良いのは、『従業員の人間力を上げる』ことです。人柄が良くなることです。良い所に行ったらそうでしょう。そこで働く人たちの人柄が良いじゃないですか。そう思いません? 危ないですね、みんな。危ないですか?

こういうことなのです。僕は美容師なので、カットを勉強して、カラーを勉強して、僕の所は本を読むとか、パーマを勉強して、カットを勉強したらみんなでビデオを見るとか、3分の1ぐらいを生産性から遠い、ヒューマンリソースマネージメント、人に関する、人間力というか、そういうのがいいと思うんです。

僕、東芝というのは好きな会社で、土光敏夫さんという方をすごく尊敬しています。是非土光さんの会長室に上がってみたいなと思って、この間東芝の本社で講演させてもらった時に上がったのです。そこから石川島造船所というのが見えて、すごい、こんな所に…、まあ、どうでもいいや、そんなこと…。そこに行ったら、講演するときにここに書いてあったのです。「人間学講座」と書いてあった。さすが素晴らしい会社やなと思った。人間学講座というのを十年前からやっているそうです。たまたま僕はその10回あるうちの1回呼ばれただけなんですけどね。やはり人に照準を合わせている所は強いようです。こんな話をしていてもしょうがないんですけども…。

だから人間力をつけていけば、おのずと結果は良いと思うんです。なぜかというと、みなさんご存知でしょう、中村天風という人がいます。僕は大好きです。あの方の最後のかばん持ちという方が佐々木将人という方で、合気道の日本一の先生がおられます。僕、好意にしてもらっていつも教育をしてもらうんですけどね、そのおじいちゃん、将人さんが僕に言いました。「先生、勉強は何の目的でやったらいいんですか?」「天風先生から教えてもらったよ。」勉強はなぜやるんですか。中村天風先生が「人に好かれるためにやりなさい」と言ったらしい。学問とは人に好かれるためにやるんだ。すごいですね。奥が深い。

僕は人に好かれるということは、例えば自分の子供に一つだけ特技を与えてくれるというんだったら、やはり人に好かれるということがいちばんいいんじゃないかと思うんですけどね。

ここでみんなに長々と話すわけにいかないんですが、僕の所の教育プログラムを一つだけ…。僕の所にはこんなのがあります。感謝プロジェクトとか、謙虚プロジェクトとかいっぱいあるんです。プログラムみたいなのがあって、感謝のやつはこうです。

僕の所はインターンシップを取り入れているので、入社式の前に給料が出ます。インターンシップでバイトをしないといけない。分かります? インターンシップ、分かる? 要するに研修があるから入社式の前に給料が出るんです。その初任給の時に、お父様、お母様に20数年間育ててもらったお礼のプレゼント援助金というのを出しています。要するに親に感謝できんのに商売なんかできんぞということです。それを7年前からやっています。これは東日本ハウスの中村社長が日本で初めてされたと本で読んだことがあります。僕はそれを読んだ時に始めたんですけども、やっています。そうすると親の涙を初めて見たという人がほとんどです。

やはり人間というのは良いところと悪いところがあるでしょう。みなさんは良いところばかりですか? 僕はすごいヒットラーみたいなところを持ってます。極悪なのを持ってます。だから二つあるね、良いところと悪いところと…。それで良いところが出たら悪いところは引っ込まざるを得ないみたいです。だから良いところを引き出すということがすごく大事じゃないかと思うんです。それをやっています。

そして今度入社式の時は逆に、お父さん、お母さんに、20数年間育てた思いを是非作文にしてくれませんかということで作文をいただいて、それを入社式の時に「北の国から」の音楽を流して読み上げて泣かせます。これはちなみにみなさんも知っている大久保寛司先生も見に来てくれました。みんながすごいな、壮絶な入社式だなと…。みんなタオルを持ってきますからね。女の子は汚くなるから、この辺化粧してきませんよ。そういうふうな入社式もやっています。

そうしたら従業員の良いところがぐわっと引き出てくるんです。是非やってみてください。今からだったら来年間に合うでしょう。本当に、非常に良いことです。

ちなみにその時に従業員の人にレポートを出させます。思い出を残してあげることが大事ですから…。経営の一つの目的は思い出を残してあげることです。あそこに入ってあんなこともあったな、こんなこともあったなという思い出作りも大事です。たまたま直筆のやつを持ってきています。今年の入社した子に、お父さんお母さんにプレゼントしなさいと言ったら、こんなことがありましたと…。これをちょっと読んでみましょう。

「レポート 初任給ありがとうございます。僕は初任給でお父さんとお母さんとじいちゃんとばあちゃんに、感謝の気持ちを込めてプレゼントを買いました。父と母には低反発枕をプレゼントしました。お父さんとお母さんはとっても喜んでくれて、早速その日から枕で寝てくれました。少し照れくさかったですが、とても嬉しかったです。そしてじいちゃん、ばあちゃんには枕元に置く照明を買いました。その日は朝まで照明がついたまま寝ていました。二人にはいつも貰ってばかりで、プレゼントするのはとても恥ずかしかったですが、二人とも手を合わせて泣いて喜んでくれました。その涙が僕は忘れられません。

先生がセミナーの時に言っていた、『与えたものは残るけれど、集めたものは残らない』というのはこういうことかなと思いました。お父さん、お母さん、じいちゃん、ばあちゃんに貰ったありがとうは一生忘れないので、これからも頑張ります。」

二十歳の子が送ってきたんですけども、この人は頑張ります。社員が優しくなるでしょう。これを貰った人が優しくなると思うんです。これをまた僕の所では上司にやるんです。今回あんたの所の新入生がこれを持ってきたよということであげると、その幹部も新入社員を大事にします。だからこういうのが大事だろうと思うんです。ちょっとシリアスな感じになったですね。

今のような教育をしてるんです。そうすると人が辞めなくなった。だから意外と大事なことじゃないか。ちなみに自分の子供だと思ったらじーんときます。また大事にしてくれるんじゃないかと思います。

ちょうど10分遅刻をしてしまったので、どうなるんですかね。1回やめるのも変な感じなんですけど、休憩を10分ですね。ご清聴ありがとうございました。また後半よろしくお願いします。

じゃあ、よろしくお願いします。 もうちょっと長く話をしていいということなんで、ちょっと長めに話をさせてもらいます。よろしくお願いします。

最初に言いましたように、今から後半はCSの話をしたいと思います。お客様にどうやって、満足してもらっているかという話をします。そして僕はみなさん、先輩方に自慢できることはないんですけど、自分を指導してくださっている方は素晴らしい方がいっぱいいるので、僕の尊敬している人たちが言っているリーダーシップというのはどういうものなのか、みたいな話を後半したいと思います。

「お客様本位」について

1.予測不可能なサービスを提供する
まずお客様本位、CS。みなさんが思っているCSというのはきっと本質的なサービスだと思うんです。お客様が当たり前だと思うようなサービスだと思うんです。僕が思うCSというのは予測不可能なというか、サプライズというか、びっくりしたというか…。
例えば僕の所のお店は田舎なので自転車で来る方が多いんですけども、お客様が自転車で来たら、自転車の尻の所が汚れないようにビニールをして、帰りやすいように向きをひっくり返して、油をさして、ダイヤの空気を入れるところまでやります。そこでお客さんは既にきてます。もう帰る時に「はっ、全然違うわ」みたいな…。これは予測不可能な、サプライズといいます。

2.従業員のロイヤリティが高くないとCSは高まらない
何とも言いがたいのですが、CSというのは最初言いましたけども、従業員の人のロイヤリティが低いとできないです。なぜかと言うと、「タイヤの空気、入れてくれるか?」僕が言ったんです。モチベーションが低かったら「あんた、入れたらいいやねん。私は美容師なんよ。なんでタイヤの空気入れないけんの?」

さっき言いましたけども、僕の所は転送電話になっていて24時間電話に出ます。夜12時ぐらいに、「今日夕方パーマをかけたんだけど、手入れしにくいんだけど…」と電話してきたら、ちゃんとその日に電話に出てアドバイスをします。でも普通の美容室というのは電話に出ません。

他業種でもそうです。車屋さんでも、トヨタの車を売る所で、横田社長って来られたんですよね。トヨタで№1と言われている横田社長さんというのは、僕はすごく仲が良くて、うちにカットに来ます。なんと四国から…。すごいんです。ホンダの相沢さんという人もカットに来てくれます。それはどうでもいいですね、自分の顧客を自慢してもしょうがないですね。要するにその両者の方たちも同じです。車を買います。そして故障して電話したときに、留守番電話になったらどうですか。新車を買ってエンジンがかからない。そして電話をしたら、「ピンポンパンポーン、用事のある人は営業中にしてください」。「故障は営業中かよ!」、みたいな話になってきます。これはやはり良くないので、僕の所は24時間転送で電話に出るようになっています。

その話を会社に帰って言うでしょう。「うちも24時間電話に出るぞ。」「社長、出てください。」結局最後は従業員のロイヤリティがいちばん大事ということに行き着くのです。良いサービスというのは従業員の人のモチベーションの上にしか成り立たないということなのです。これがすごく大事なことだと思うんです。分かります? 良いシステムとか良いノウハウなんて、いくらトップの人が勉強してきてもやるのは現場の本人たちです。現場力です。現場のモチベーションが低いということはザッツ・オールです。そういうことでしょう。

ちょっと怒られるかもしれないけれど、労働組合が強過ぎるような、要するに弱体化した組織ではだめなのです。もうそれを打って返すぐらい、自分の自主性で乗り越えるぐらいの組織を作らないと勝てないです。

例えば外資系ですごい会社なんかは、インフィニティを売っているシカゴの会社なんかは、当店でインフィニティを買ってくれたら、その車を売るまで洗車はただです。だから他所で買わないんです。毎日行っても全部手洗いで洗車がタダなんですから…。それは従業員の人のモチベーションが高いからなんです。そうでしょう。モチベーションが高いからこそ、買ってくださった人には何回でも一生懸命車を洗うわけでしょう。洗う人は従業員さんです。マシーンで洗うわけではありません。それはどうでもいいか、面白くなかったですね。

要するにお客様満足というかCSというのは、みなさんが思っているよりもうちょっと工夫が要るというか、もう一歩先を行くというか…。

こんな方があります。僕の知っている方がサンフランシスコのプレイトンホテルという所に泊まりに行った。2回目でした。1回目に名前と住所と誕生日を書いていた。そこのホテルは接客が有名で、誕生日ですから期待して行った。そうしたら日本語で「○○さん、特別な日に来てくれてありがとう」と言ってくれた。「日本語できるの?」「今日のために勉強しました。」もうそこで既に、あっ、きてるなという感じです。

そして「特別な日に来てくれたから、特別な部屋を用意しています。」部屋に行ってパッと開けたら、花とシャンペンがあった。素晴らしいサービスだなと…。その方の誕生日は6月12日なんですけど、「特別な部屋ですよ」と鍵を貰ったら612号室だったそうです。鳥肌が立つようなサービスです。これはすごいです。もうその方は誕生日に毎年奥さんとサンフランシスコまで飛行機に乗って行くそうです。そこに泊まりたい。これは実話です。

それとか、ワールドビジネスで世界中飛び回っている人にいちばん人気があるのはオリエンタルホテルです。オリエンタルホテルというのは№1なのです。そこに僕の知っている人が本当に№1なんかと泊まりに行った。モーニングコールを7時にして、朝7時になったら電話がリーンと鳴った。パッと取ったら、「良い風が吹いていますよ。窓を開けてください。」すごいモーニングコールですよ。強烈!普通は、「ピンポンパンピーピー、何時です」とかロボットみたいな声で言いませんか? どうかすると王貞治さんが言ったりするんやけどね。ま、どうでもいいやね。「良い風が吹いていますよ、窓を開けたらどうですか、○○さん」と日本語で言ってくれるそうです。それを聞いて、さすがやっぱり…。

やはりそうなのでしょう。ワールドビジネスで世界中飛び回っている人は癒されるのでしょう。やはり機械ではなくてそういう一言が嬉しいんでしょう。

みんなを笑わせたいからもう1個いきましょうか。シカゴのモナコホテルという所がこのごろよく雑誌に載っています。ハーバード大学とかのホスピタリティの記事によく出ているホテルがある。

シカゴというのはビジネスで来る人が多いらしいので、夜遅くに帰ってきて寝るだけ。お客さんがみんな疲れている。何か良い方法はないだろうかと従業員が話し合ったら、なんと誰かが部屋で待っていたらいいんじゃないか。これは気持ち悪いやろうという感じなんですけど…。それはちょっとないんじゃないかと言ったら、いや、何か待っていたらいいと思う。例えば犬が待っていたら犬が嫌いな人もいるし、猫もだめだ。みんなが嫌じゃなくて待っていられるのは何だろう。金魚だということになって…。

これ、本当ですよ。金魚を貸し出ししようというサービスを始めたのです。1日50匹指名があるそうです。泊まったら、「うちは無料で金魚の貸し出しサービスがありますけども、どれにしますか? 餌も入れなくていい、何もしなくていいので、名前だけつけてください」と言うそうです。次から予約するときに、「ハニーちゃん、どうしてますか?」。素晴らしい。

これは笑わせようと思って言ってるんですけど、実話ですよ、嘘じゃありませんよ。そういうふうに頑張っている企業があるということです。苦しい中、ユーモアでお客様をハッピーにさせている所があるということです。

ニューヨークで№1のレストランのアンドゥ・トゥワーという所は、競合店が目の前にある中華料理屋だった。常連さんが「あそこの春巻きは美味いね」と言いながらフランス料理を食べていた。そして次に予約して行ったら春巻きが出てきたらしいです。これはきてますよ。競合店の春巻きを買ってきて出したというんです。それはやはり№1は違う。普通考えたら向こうの利益です。こっちでフランス風の春巻きを作ったら面白くないけれど、素晴らしいです。やっぱり№1はそういう所に着目できるのでしょう。

USCCかUCSSか忘れましたが、アメリカで今すごく収益を上げている保険会社は、湾岸戦争に行かれている人に車の保険に入ってもらっているけれど、ペルシャ湾の上で車に乗らないんじゃないか、この期間だけお返ししたらいいんじゃないかと返したら、売り上げが三倍になったそうです。それはそうです。ペルシャ湾の上で「俺返ってきたよ」、「俺返ってきたよ。お前、取られっぱなしかよ」と話題になっていますから…。これは本当です。
僕が思うCSというのはそんな感じです。もう予測不可能な、お客さんが喜ぶということを現場主体でさせたら生まれてくると思うんです。

(1)リーダーが明るい、職場が明るい
僕が知っている所ですごいなという、よく出てくるリッツ・カールトンホテルとかディズニーランドとかああいう所、あんな所に共通して言えるのは職場が明るい。明るくないと今のサービスはできません。どうです? 明るくないと「どうする? 6月12日よ。 うっとおしい、612号室開いとうよ。」とか、そんなことないでしょう。楽しい感じがしません? 金魚飼おうか、なんて相当楽しくないとできないですよ。「金魚やっとくか~」、そんなことないです。やっぱり職場が明るいことです。

職場が明るい絶対条件というのはそこのリーダーが明るいということです。そうでしょう。上司が恐い顔をして「いいかお前ら、笑え。」それは無理です。

結局今さっき話したサウスウエスト航空のハーブ・ケレハーさんなんかは、いちばん厳しい営業会議にみんなの心を和ませてやろうというのでプレスリーの格好をしてプレスリーの歌を歌いながら出てきたそうです。本当よ、本に書いてあるもん。僕ね、ハーバードとかの本が好きなんで輸入して読むんですが、書いてありましたよ。

それとかクリスマスのパーティーの時にレプラコーンとかいう妖精の服を着てサービスしていたそうです。社長がおらん、社長がおらんと言っていたら、ハチみたいな妖精になっていたそうです。だからすごいのです。

だからサウスウエスト航空はユーモアが第一だ、ユーモアが全てだ、お客さんを笑わせなさいという社訓、ミッション・ステイトメントなんです。あそこのインタビューはすごいです。「当機は禁煙になっておりますが、翼の上のラウンジは利用できます」とか、本当ですよ。みんな知らないから僕が笑わせているように聞こえます? これ、本当よ。ね、本当ですよね。

それとか、やはり利益は出さないといけないので飲み物は有料なのです。ビールとかは全部1ドルなんです。そうすると「ビールください」と10ドル札を出したら、アナウンスで「すみません、1ドルのビールを買うのに10ドルしか持って来ていないお客さんがいるんですけど、両替できませんか?」と言うんです。みんなどひゃーっと笑います。すごくないですか?

修学旅行の飛行機が乱気流で揺れた。そうしたらパイロットのいちばん偉い人が出て「今の揺れ方はどうでしたか?もっと揺らしましょうか?」と言ったそうです。それで笑って着いたという、本当ですよ。

僕ね、そんなことばっかり勉強してバーっと言っているから漫才みたいに聞こえるでしょう。実話よ、実話。収益を上げている所はそれぐらいユーモアがあるんです。明るいということなんです。暗い所に奇跡のサービスなんて生まれません。伝説のサービスなんて無理。もうみんなが明るい。もうとにかくいっつも笑っている。

チャクラという体のpH(ペーハー)を整えるところ、みなさんチャクラって知っているでしょう。マスターアイとのど仏とみぞおちとへその下のタンレンという所、ここはガンになったら死ぬところです。チャクラという所、ここにいちばん影響するのは顔の筋肉なんです。美容師さんいるでしょう。顔に84個の筋肉がある。怒っているときは72個筋肉を使うんです。笑っているときは3つしか使わない。笑っている人は体がぐーんとアルカリになるんです。だから食べ物も美味しいし、フットワークも良いはずです。ワーッと笑っているで、どぽっ、どぽっと歩く人はいないでしょう。さっさ、さっさ行きます。体が軽いからです。だから笑っていないとだめなんですよ。

怒っている人は疲れるでしょう。社員がうまくいかないで、怒った顔をして1日会社におったら、もうへろ~ってならないですか。奥さんとけんかして、1日口きかなかったりしたら、もうへとへとでしょう。そして大体「もう疲れた~。焼肉行こか」とか「お寿司行こか」とか「天ぷら食べよか」とかなるでしょう。体が酸性やから酸性しか入らんのです。「疲れたよ~。玄米いこか」とかないです。ないでしょう。アルカリじゃないとだめなんです。だから明るいというのは絶対大事、一つね。

(2)現場に任せる
そしてもう一つ、現場に任せっぱなしにしないと無理です。これはいちばん難しいと思います。どうです、いちばん難しくないですか? 現場に任せっぱなしにできるかどうかです。ちなみにリッツ・カールトンというホテルなんかも、2000ドルまではあなたの決済でお客様にお返しして良い、自由に使って良いと決まっている。「私のバック、汚れたわよ」とか「あなたのためにこうなったのよ」とか言うと、2000ドルだから25万円ぐらいはその場でお客様にお返しして良いとなっている。任せっぱなしということです。そうでしょう。

任せっぱなしというのは長老型リーダーというふうに言われます。任せっぱなしにしたときだけ奇跡が起きたとよく言われているのはソニーの天外さんという人です。天国の天に外と書く天外さん、アイボを作った人です。それとCDを作った人。あの方に「なぜこんな世界的発明を2回もできたんですか?」と聞いたら「井深さんから2回だけ任せっぱなしにしてもらった。デシジョンをいただいた。」デシジョンというのは決定権です。「CDとアイボはお前に任せたぞ、全部お前に任せる」と言われた時だけ奇跡が生まれたと書いてあります。要するにデシジョンが奇跡を生むと本に書いてあります。

あの方の本は面白いですよ。ちょっとこのごろ危ないのがあるんですけどね、すごく面白いですよ。このごろはインディアンの研究とかされているので、ちょっと危ないのがあるんですけど…。これもカットしちゃってもらえます? ま、それはどうでもいいや。

要するに任せっぱなしにできるかどうかです。例えばみなさんお客様商売をされている方は、誕生日に行ったら誕生日を歌って祝ってくれている居酒屋とかに遭遇したことがありますか? 居酒屋で飲んでいたら、「ハッピーバースデー」とか言いながらワーッと祝っている。あれ、気分良いでしょう? むかつきます? むかつく人は心がすさんでいる人です。普通あれを見たら、ああ、いいなという感じですよ。「うるさいな、むかつくな。プライベートなことじゃないか」なんて言っている人は大体友達がいない、寂しい人です。

こういうことなんです。僕の所の美容室は誕生日前後の人が来たら、店中暗くなって、誕生日の音楽が流れて、ケーキを出します。すると来ているお客さんはみんな言うよ。「うわ~、私も誕生日に来ようかしら?」これが大事なのです。そうでしょう。「人に言わないでくだいね」と言っても言うもん。言わないでくださいよと言っても言ってしまう。これ、非常に大事なことだと思うんです。

だから何が言いたいかというと、ケーキを出しています。僕は一言です。「なんぼのケーキだ?」、それを言ったら終わりです。CSはもうそれまでです。一言聞かれたら、あ、だめなんだと引きます。3000円のカットに300円のケーキは高すぎるんだと、パッと引く。要するにやる気がなくなるのです。

「報・連・相」が良いというけれど、あれは嘘です。CSに限っては「報・連・相」はない方がいい。任せっぱなしの方がいい。いちいち言うたらだめ。

そう思わないですか? 「なんでお前あの誕生日の音楽なんだ?」とかね、ちょっとでも言うでしょう。ちょっと言うと相手にボーンといくんです。分かる? だから細かく聞かない。長老型リーダー、向こうが言ってきたときだけアドバイスするような感じが良いです。

それとか、任せっぱなしというのはある意味期待しているということでしょう。そう思わないですか? 野球で1対0で負けてて、9回裏ツーアウトで最後のバッターに、任せっぱなしというのはこうです。「最後がお前でよかったわ。一発目からフルスイグしてこいよ。ガンガンいってこい!お前がだめだったら俺もすっきりするからいってこい!」と言われたら打ちそうじゃないですか。これ、逆はどうです?「分かっとるか? お前に全てかかってるんだよ。死んでもいいから打ってこい」なんて言われたら頑張れなくないですか。そう思いませんか? 僕だったら言うよ、「代打にしてください。」それか「あんた打ったらええやん。」そんなん無理です。

やっぱり期待するというのはすごく大事だと思います。みなさんが営業所の所長に圧力をかけるというのは今のと一緒よ、逆効果よ。「お前、分かっとるか。店も良いよのう、場所の良いよのう、社員も良いよのう。外見もいいやろ。あとは何か、言うてみ?」。そんなこと言ってしまってだめ。逆がいいんです。「お前がいってだめっちゅうことは全部だめやな。何をやっていこうか。」そうしたら「もう一回チャンスください」と絶対言う。そんなもんじゃないですか。やはり任せっぱなしにしてあげられるぐらいの器がないといけんね。「いってこい、いってこい。だめやったら俺がおるけん、大丈夫。いってこい、いってこい」というような形にしないとだめ。

だからそれができない人は会議とかにもう出ない。僕はできないタイプなんです。これだけおしゃべりですから、つい言ってしまう。パーッと言ってきたら「バカ」とか、「それはだめ」とか言ってしまう。だから出ない。僕、このごろ会議出ませんから…。社員の人に怒られるけど出ない。なぜ出ないか。任せっぱなしにした方が成長するからです。本当よ、試しにやってみてください。

僕がこう言ったらみんなこう言う。「いや、久保さんのところの従業員は良いからよ。うちはだめなんよ。」だめなはずなんです。させたことがないからです。そうでしょう。任せたことがないけん、成長せんのやけん。させないけないということです。そうでしょう。何か暗くなってきたですか?

(3)ほめてあげる
いいです? CSがすごいということは、一つは明るいこと、一つは任せっぱなしにできること、現場に権限を与えてあげること。そして最後、ほめてあげることです。これでいちばん良いのは、代表的なのはサンクスカードとかああいうやつじゃないですか。「お客様からこんな良いお手紙をいただいたよ。」「うわぁ、こんなのうちも貰いたいな」とか…。

こんな感じです。みなさん、悪い組織というのは悪いケーススタディばかり集めます。良い組織というのは良いケーススタディばかり集めます。

例えばこうです。ディズニーランド、どこか忘れたけれど、どこかのディズニーランドで台風が来た。台風が来てもう遊べない。そうしたら部屋にみんなこもってしまうからどうしようか。みんなでミッキーマウスの服とかを着て、部屋に行こう。一個の部屋に一回は行こうということでみんなで回った。そうしたらもうみんなが、「台風が来てよかった。部屋にミッキーが来てくれた。」話題になった。それが次の日、世界中にFAXがいくのです。台風の時にこんな良いサービスをした。そうしたら世界中のディズニーランドで働いている人は、「うちも早く台風が来んかな~。」

要するにこういうことでしょう。良いケーススタディでモチベーションが上がっていくということなんです。これは大事なことです。やはりほめてあげるということです。評価基準は非常に大事でしょう。

①評価基準を人に向ける

僕、例えば宝石屋さんとかのセミナーに呼ばれて行くでしょう。「MVPってどんなのがあるんですか?」と聞いたら客単価№1とかあると言うんです。客単価って分かる? 10人で10万円やったら1人から1万円もらったということで、客単価1万円でしょう。この方は1人から2万円もらったんですよというMVPがあると言うんです。みんな、そんな宝石屋に行かれます? この人がいちばんぼったくりましたという会社の顧客になれます? できないですよね。この人たちは頭悪いなと思って…。

褒める基準というのは旗印やけんね、それでは従業員はみんな客単価を追い求めます。1個買いに来たら2個売れ、できたら古いのから売れ、みたな訳分からんことになってしまうもんね。古いのから売ってえらいね、みたいな訳分からん話になってしまいます。

何が言いたいかというと、評価基準というのは会社の顔ですから、やはり3分の1ぐらいは数字じゃないのがいい。きっと…。僕の所は7年前は全部数字でした。ただ、数字は悪いとは言いません。「久保さんみたいにやったら潰れるんじゃないか」とよく言われる。今、本当に潰れそうなんですけどね。「噂に追いつけバグジー」というぐらいですからもうどうしようもないんですけども、お客さんのウォンツが高くなってきてるんでね、期待してくるから本当に大変なんです。非常に大変なんですけどね。あ、そうか、こんな話をしてたらどんどんずれてくるんか…。

でもこれがないとできませんもんね。これも全部従業員のモチベーションが高くないと全てできません。例えばこんな感じ。売り上げの中で、売り上げ、売り上げと言ってはよくないけども、客数がない、客数がないというのは言ってもいいと思うんです。お客様の動員数。いちばんお客様の満足度を反映するのは「客数」です。そう思わないです? 営業所があって、お客さんが何人来たかというのは大事です。美容室だったら何人来たかというのが大事。なんぼあげたかは関係ない。売上金にお客様の満足は反映しません。

例えばストレートパーマという2万円のパーマが10人来て20万円だった。20万円と聞いたらものすごそうだけど全然良くない。8時間で10人しか来てないから潰れそうな店です。でも「今日何人だった?」「80人来ました。」「良い日だったね。」これが良いわけです。お客様の満足を計れる数字が客数です。お客様の数。だから売り上げ、売り上げと言っている所は大体だめです。

それともう1個、「紹介者数」、「紹介比率」。紹介比率は何を反映しているか。お客様の満足度合いです。そうでしょう。みなさんがラーメンを食べに行って、ものすごく美味しかったら次の日言いません? 例えば普通の話をしているのに、強引にラーメンの話にもっていきたくなるでしょう。「それはいいけどさ、最近ラーメン食べた?」みたいな…。いくでしょう。人間は満足したら言ってしまいたくなるのです。そうでしょう。ということは紹介の数が多い美容室というのは感動が多いということなのです。そこそこ美味しいラーメンとか、人に伝えにくくないですか? 「そこそこなんやけどさ、そこでよかったら行ってみる?」とか気持ち悪くないですか? これは無理です。

やはりお客様の紹介者数というのはその店の営業力に反映します。だから自分の所の会社に営業力があるかなというのは大体紹介者数で決まる。ほんとよ。新規客数なんて関係ないよ。新規客ってチラシ撒けば撒くほど来るから意味ないもん。紹介者数。

それと最後、「定着率」です。車で言うと、この方が何台新車を買ってくれてるとか…。ちなみに良い会社というのは3台目から安くなったり、4台目からはこういうサービスがあったり、となります。ライフタイムバリューと言われますけどね。

それとか今、こうなんです。電気屋さんのことを「家電」と言うでしょう。今、家電という所なんてないです。「個電」と言います。個人、個人。そうでしょう。冷蔵庫なんて一家に一台だったのが、今どうですか? 自分の部屋にも冷蔵庫つけたりするでしょう。携帯電話もみんな持っているでしょう。そう思わないですか? クーラーもみんな各部屋にあるじゃないですか。だから勉強している所は個電と言っています。

よく考えて。一家族に5人いたら携帯電話が5個あるということでしょう。要するに家族ぐるみでお客さんをとれるかどうかなのです。これは定着率の他何ものでもない。そうでしょう。定着が良いということは評判が良いということだから、家族ぐるみでとれるということでしょう。分かりますかね? これから少子化ですから、家族毎にとれる組織じゃないと無理ですよ。そうでしょう。

お父さんが車を買って、そこが良かったから自分の子供もそこで買う。その人の妹も買う。その人の友達も買うというふうになってくるから、結局お客様の新規の開拓をやろうと思ったら、いちばん良いのは常連さんが満足することなんです。これ、いいですか? なんかややこしくなってきたですか? 意外とシンプルな話なんですけどね…。

僕が思っているCSのことで是非みなさんにお伝えしたいのはこの3つなんですけどね。僕の所は、例えば笑顔が良かったら有給1日とか、辞める従業員を説得したというと、「縁の下の力持ち賞」は有給2日とか、そんなんあります。

②天使の仕事
そして僕の所でいちばんほめるのは、1週間休んでバリ島に行かせてエステをさせるという表彰があるんです。MVP。1年に1人だけ選ばれます。それは「天使の仕事」といって、お客様が号泣するほど泣いた、こんなサービスされたことないというのが1年に何十個が出るんです。その中で1人だけ選ばれる。それが「天使の仕事」っていうんですけどね。

それはよくビデオとかにも出てきます。産休でもう退職したんですけども、5年ぐらい前、Tちゃんという女の子です。ダウン症という大変重い病気を持たれている31歳だけども5歳ぐらいの力しかないお客さんが来た。その人が来たんだけれども、そのぐらいの力しかないので毎日のように来る。遊んであげてたんだけど、忙しいからちょっと一人にしてしまった。そうしたら来なくなった。来なくなったからTちゃんにひらがなとカタカナだけで手紙を出した。「○○ちゃんおいで、どうしたの?」と送った。

そうしたらお母さん曰く、その子は16歳の時から15年間毎日、自分に手紙が欲しくて郵便ポストに見に行っていたそうです。でも5歳の力しかないから、自分の名前自体が読めないんです。でもひらがなとカタカナだけはちょっと読めて、ちなみに愛ちゃんというのですが、「愛」という字が難しいでしょう。その子が自分に届いた手紙を見て、「愛に来た~」と泣いて、そのお母さんがそれを見て泣いて、そしてそのお父様がそれを見て僕に言いました。僕に会ったらそのお父さんは僕にこう言った。「こんなことをしてもらえるんだったら、みんなの前にもっと早く出して上げればよかった。自分の子供が不憫で人前に出さないようにしていた。こんなに喜んでいるのを久しぶりに見ました。」

紹介されたのが北九州のトヨタの所長さんだったのです。もう退職されましたが、その方がわんわん泣いてうちに来た。結局紹介した方も泣いて来られて、「素晴らしいですね。天使のような仕事をしてますね」ということで新聞社に言った。それが広まってビデオになって、本になって、今僕がここに立ってるんです。これは「天使の仕事」というので有名で、それが本になったりして…。

だから僕の所でいちばん褒めるのは「天使の仕事」なんです。だから僕の所の社員はそれを求めているわけです。そうしたらうちの売り物は天使の仕事なんです。普通の美容室はお金儲けなんです。売り物が違うんですから勝つに決まってます。そうじゃないですか。その愛子ちゃんという人はどこに行っても来るといいます。もううちしか絶対に行かない。お母さんも言います。「絶対にバグジーしか行かない」と言ってくれます。

3.企業の目的は何かを考え、あるべき姿に戻っていく
要するに評価基準というものをもう一回見直さなければいけない時期に来ていると思うんです。最初に話したけど、利益の質が問われているというのはそういうことです。そうでしょう。本来あるべき姿に戻って行くべきじゃないか。

例えば飲食をされている人は、地産地消といわれて、そこでできたものをそこの食べ方で食べるということをやって商売せないかんのに、金儲けに走って糖尿病になった牛の…、笑う所ですよ。霜降り、あれ、病気になりそうやもんね、あれいけんわ。ま、そういうことです。

それとかどうですか。病院なんかは本当はケアしてあげないといけないのに、あっち行け、こっち行け。先生が偉くなったようになって、病院に行ったたんびに病気になるという人、いっぱいいます。そうでしょう。ホスピタリティ産業じゃないといけないんです。そうじゃないですか。大学が潰れるのはなぜだと思います? お金を払う生徒の方が弱いからです。あれ、おかしいんです。僕はそう思います。

だから本来あるべき姿に戻るということが顧客満足につながっていく。そうじゃないですか。目的というのはどうですか。みなさんの会社の目的、僕の会社の目的、みんな一緒ですよ。お客様のため、従業員のため、地域のため、この3つです。そうじゃないですか。他になるとすれば何がありますか? きっとあり得ないです。地域に貢献するということと、従業員のためにあるということと、お客様のためにある。この3つでしょう。目的がそれやのに目標は何か。売り上げを上げるということになったりするでしょう。でもこの目標に振り回されているということなんです。

例えばスポーツはなぜやるか。スポーツを通して精神が強くなりたい、スポーツをやって健康になりたいということでスポーツをする。でも結局マラソンで一位になれんかったって自殺した人もいるじゃないですか。そんなもんです。そうでしょう。目標に振り回されたらだめです。

僕、たいそうなことは言えないんですけど、このごろちょっと調子に乗っているだけなんですけどね。2、3年経ったら潰れて、いないかも分からないですけども…。やっぱり企業は利益の追求じゃない、理念の追求なんです。これは大事なことじゃないでしょうか。理念がないということは、もう「お疲れさん!」ということなんやけど、理念の追求をできる会社づくりというのが大事になってくるんじゃないか。

今もご健在と聞いて、うゎ、嬉しいなと思ったんやけど、イエローハットの会長さんの先生といわれる、日本興業銀行が初めて創った経営コンサルタント会社の日本経営システムの浅野先生という方がおられる。今でもご健在らしいのですけど、僕はすごく尊敬していて、その方の本をもう筆耕したりしている。筆耕って分かります? その方の本を写す。それぐらい叩き込みたいからです。僕はその人の本を写したことがある。浅野喜起先生という先生です。この先生はご健在やけど、もう講演しないと言っているらしいです。誰が頼んでもだめらしいんですけどね…。ま、それはどうでもいい。

その方がこう言われている。企業の目的は三つある。一つは業績を上げること。一つは人を育てること。一つは生き生きした職場をつくること。この三つあるというわけです。その先生がこう言っている。

そしていちばん大事なのは生き生きとした職場をつくることだ。なぜならば人が育つ環境だからだ。人が育つことは二番目に大事。なぜか。次の業績を上げられる要因だからだ。業績を上げる。これはいちばん低い目標。なぜか。次の業績のマイナス要因だからだ。こう書いてあります。分かります? ここはテープを何回も巻き戻して聴いてみてください。

こういうことなんです。「売り上げ上げろ、上げろ」と言うでしょう。「車を売れ、売れ」と売ったら、翌月売れんもんやん。分かる? 売りまくったんやけん。分かる? お金を貸せと貸しまくったら、次貸す人がいないでしょう。だから業績というのは追い求めても、次の業績のマイナス要因やけん、だから結果的にできるやろうというわけです。大事なことは営業マンを育てて、営業マンが5人で営業しているところ6人になった。かける6だから、人を育てた方が次の業績のプラスの要因だろうということです。だから人を育てるということが大事。人を育てるにはどうしたらいいか。生き生きとした職場をつくらなければいけない。やりがいがある職場にしなければいけないということです。

今の生き生きした職場というのは「風土」と書きます。土です。お百姓さんでいうと良い土を作るということです。良い土を作れば、人材という種を撒いたら良いものに育っていく。良いものに育ったら良い評価を持ってくるということです。

僕、北九州に住んでいるんですけど、北九州というのは結構すごいんですよ。TOTOさんが出た所です。ゼンリンさん、新日鉄、もう良い所ばかりなんです。うちのバグジーも入ってます…。まあ、どうでもいいや。バグジーなんてどうでもいいですけど…。

そのTOTOさんの経営理念にこう書いてある。「お客様の喜びという実像にできた影が利益である。その影に振り回されることなかれ。」88年前に書かれたそうです。素晴らしい会社ですね。

だからやはり潰れない。競合もあれだけすごい会社、INAXさんとかいろいろな所があるにもかかわらず、やっぱり常にトップを走っている。やっぱり理念の浸透なんです。

今さっき鬼澤さんにも話したんやけどね、森永という会社があるでしょう。あそこの話を聞いて感動した。森永太一郎さんという人が創業した。関東大震災の時に工場が全部だめになって、粉ミルクだけが助かったそうです。そうしたら「関東大震災でみんな困っているから、みんなに粉ミルクをあげなさい」と言った。全部あげてしまったら会社が潰れるから、幹部が少しだけ隠してあと全部あげた。そうしたら太一郎さん、それを見つけて烈火のごとく怒られた。その時こう言ったそうです。「子供の命と会社とどっちが大事なんだ!子供の命に決まってるだろう!」と怒られた。「会社はいつでも興せる。俺が生きている間は大丈夫だ!」と言ったらしいです。そして今森永があるそうです。だからやっぱり良いでしょう。悪くないもんね。

やっぱりリーダーの人間性じゃないですか。気骨というか、その人の気合というか、リーダーシップが全てを決めるんじゃないかなと思うんですけども…。

僕はCSに取り組んできて、いろんな人の話を聴いて、いろんな所に勉強に行ったら、今の三つです。明るいことと、任せっぱなしにできることと、評価基準を人に向けてあげることです。これがなかったらだめ。

僕の所の評価基準は天使の仕事だから、それがすごく良いんです。なぜかと言うと従業員がそれをやろうとするんです。去年なった子なんかは、社員がそのおもてなしに号泣して泣いたんです。

それはどうしたかと言うと、Oといううちの店長が結婚した。お金が無くて披露宴をしていなかった。そうしたらうちの従業員たちが、その店長に黙って真夜中にウェディングしてやろう。みんなでお金を出し合ってウェディングドレスを縫って…。奥さんを呼んできて、お店でウェディングドレスを着てるんです。みんなはタキシードを着てるんです。本人だけミーティングということで短パンです。そして鹿児島という遠い所に親がいるんですけども、そこまで行ってお父さんからお母さんから親戚から全部ビデオレターを撮ってきた。入ってきてドーンと始まったら、お父さんが「お前、良い友達持ってよかったのう。結婚おめでとう!」と言ったらしい。もう号泣してました。その子たちが「天使の仕事」を取った。素晴らしい会社です。自分で言うなという感じですが、非常に良い会社です。  

要するにお客様満足というのは従業員のロイヤリティの上にしか成り立たないということです。

全部見てください。今僕が話したのは、従業員がやる気がないとできなくないですか? 「お客さんが誕生日に来たらケーキ出そうよ。」「へぇ。」終わりですもんね。「いいですね!やっていいんですか?」レスポンスが良くないといけないですね。

ですからCSのところで三つお話ししたかったのは、明るくて、任せっぱなしにできて、期待してあげて、ほめてあげる、ということを大事にしていただけたら、明日から即できるんじゃないかと思います。

4.高業績を上げる人の特徴
それともう一個、今日みなさんにあったらこれをお話ししてあげたいなと思ったんですけど、僕の所の従業員は100人ぐらいいて、職人さん、カットできる人、お客さんを担当できる人は50人ぐらいいるんです。カットできるんだから職人です。例えば溶接で言うと溶接できる人です。その職人さんたちの中でやはりトップの、1割ぐらいの人たち、5人から10人ぐらいの人は普通の美容室の1軒分ぐらいの売り上げを1人で上げます。強烈な集客力のある人がいる。僕らから見てもハイパフォーマーと言われる人です。高業績者。この人たちには特徴があります。今日はためになるかなと思って、特徴を…。五つ、六つあるんですけど…。

(1)準備を怠らない
一つは、一流の人、業績を上げる人は準備を怠らない。次の日に来る人の名簿とかをちゃんと見て帰る。例えば営業マンだったら、明日はどことどこに営業に行くというのが分かっていて、ちゃんと用意をするということです。これ、分かります?

例えば美容室だったら、だめな美容師というのはこうです。「お疲れさん!」と帰るんです。そして朝来て、「お! 今日あの人来るやん」みたいな…。朝にしか分からない。でも業績を上げる人というのは、帰る時に「明日は誰が来るかな」と名簿を見て、「あ、田中さんが一番か。田中さんは温泉が好きやけん、温泉のパンフレットあげよう。」「この方、この間離婚したっていうからちょっと勇気づけれるように、会田みつをさんのあれ、コピーしとこ。」こうしておこう、ああしておこう。そして営業に出る。人気が出るに決まっているんです。そうじゃないですか。

例えばみなさんの所に来る営業マンの人が、なーんもないけど来ましたといっても、もう来んなという感じでしょう。でも「この間お話しした、客単価上げたいのにはこの商品がいいんじゃないでしょうか?」とか、「お客さん、今度内装工事するっていうけど、こういう目的でやったらいいんじゃないですか?」とか、聞きたい話を持ってくるということは準備ができているということです。

やはり業績の高い人は準備を怠らないということです。これが一つ。

(2)小さなお客様を大事にする
それと大きい顧客、多いお客を大事にせず、小さなお客様も大事にしている。これはこういうことです。車だったら、1千万円ぐらいする車を買う人にはヘイコラヘイコラする。でも小さい、軽とか買う人には知らん顔、みたいな…。これはだめ、ということです。小さなお客様を大事にする。

これはこういうことなんです。美容室で言うと、ストレートパーマというと2万円ぐらい。学生カットというと1000円とか1500円ぐらい。2万円といったら「私がする!」それはそうです。歩合給ですから、かける3だったら1人6000円もらえる。1000円のお客さんだったら300円になる。「うわ!1000円の学生やん。あんたしい、あんたしい。」ばい菌みたいです。これは無理です。

福岡でジャガーを売っている方ですごく売り上げの良い方から聞いたんやけど、軽トラに乗って、汚い作業着を着て、長靴を履いた白髪のおじいちゃんが入ってきた。みんな、うっとおしい奴、来たよと思っていた。その人はサッと行って、「おじいちゃん、どうしたの?」と説明したら、次の日キャッシュでジャガーを買いに来たそうです。要するに大地主です。自分で野菜を作るのが好きなんやけど、超お金持ち。「あんたが優しかったけん来た」と1600万円現金で持って来た。こんなもんなんです。

やっぱり業績を上げる人というのは洞察力があるんです。この人貧乏そうやけど…とかないんです。目が澄んでいるからよく見えるんです。濁ってないんよ。心が澄んでいる人というのは非常に洞察力がある。シャープです。もうパッと見て、この人良い人とか、悪い人とか、オーラみたいなのが見えるんじゃないでしょうか。そんなんあると思います。

だから何が言いたいかというと、大きい顧客ってわがままを言うでしょう。どうですか? 保険屋さんとかだったら、大口の人ってあれせい、これせいって言うでしょう。でも切るときはポンと切るんよ。要するに何かというと、大きい人を相手にしている人は振り回されて大体疲れている。だからやっぱり小さい人も大事にしていくということが非常に大事だ。

(3)得意技を持っている
それと得意技を持っている。これはこういうことです。格闘技の人でも得意技がないと勝てないとか言うでしょう。例えば営業だったら、僕は美容師なんで、ショートカット切らせたらあいつが一番だとか、髪の毛を染めさせたらピカイチだとか、得意分野を持っているということです。これはコア・コンピタンスともいいますか。独自性という、ね。

このコア・コンピタンスの話をしていても長くなるんですけども、コア・コンピタンスというのは見た目の商品力とか、スキル、技術力で差はつくけど、本当のコア・コンピタンスで真似できないのはやっぱり人柄です。そうでしょう。カットが上手いとか、カラーが上手いという独自性もあるけど、本当は笑顔が№1なんよねとか、あの人と会ったら何か元気になるんよねとか、そういう内面的なコア・コンピタンス、独自性が一番です。あの人笑顔が一番とかいう人は一番です。話が面白いとか…。

また話が面白い人というのは今さっきも言ったけれど、大体本とかをよく読んでいる。勉強している。知識量があるから話が面白い。例えば何回聴いてもあの人の話、面白いんよねというのは相当勉強している人ですよ。多分月に10冊、20冊本を読んでいる人です。その人たちは例え話が豊富にある。

みなさんは違うかもしれないけれど、「うちの部下は僕の話をよく聞かないんですよ」というのは面白くないんです。もうこれに尽きるんです。吸い込まれていかないんです。面白くないんです。また言ってるわ、お疲れさんという感じなんです。

結局話が面白いということは非常に大事。勉強する量と比例します。やっぱり人を引っ張るには勉強もしていかないかん。コア・コンピタンスというのが大事だ。

(4)仲間を大事にしている
それと最後、これが大事なんです。仲間を大事にできる人。同じ働いている人に人気があります。どうです? 売り上げを上げているけれど社内で人気がない人っているでしょう。いません? いるはずなんです。その人たちはいずれだめになります。

なぜかと言うと、ジャック・ウェルチさんが最近出した本にも書いてあったけども、結局こうなんです。360度サーベイというんですか、評価というか、アセスメントというか、みんなの評判がいちばんなのです。だから今外国の企業では、あの人好きですか、嫌いですかとアンケートをとって、嫌いな人はクビになるんです。ほんとよ。

愛社精神があるか、業績を上げているか、マトリックスで四つに分ける。業績も上げていて愛社精神も良いという人はどんどん出世する。愛社精神がなくて業績を上げている人はすぐクビになる。愛社精神はあるけど業績を上げてない人は職場を換えてくれる。リメイクしてくれる。そして愛社精神もなくて業績もない人はぼちぼち辞めてもらう。

これはそうですよ。ジャック・ウェルチの本に書いてあります。是非読んでください。ジャック・ウェルチのいちばん最初のやつ、上巻下巻の分厚いやつです。是非読んでください。僕、あれに相当影響されてます。僕は世界規模で世界一小さな会社を創ろう、みたいなことをやってるんです。笑うところなんですけど…。

こういうことなんよ。自分の仲間を大事にできない人はやっぱりお客さんをつかめない。例えば売り上げを上げられない、業績を上げられない美容師さんは格好をつけたがる、威張っている人が多いんです。お客さんをシャンプーしてもらうのに、自分が部下の人にしてもらうのに、鏡越しに指を鳴らす。犬じゃないんですから…。シャンプーせいということなんです。本当に業績を上げている人はこうです。そのシャンプーする人を連れていって、「お客さん、今日こいつがシャンプーするねんけど、うちでいちばんシャンプー上手いんですよ。良かったですね。よろしくね。」これが一流の人。だってシャンプー頑張るもん。そうでしょう。そう思わないですか? これができる人です。OJT、On the Job Trainingというのだけれど、営業中に勉強できる環境を作ってあげるということです。非常に大事なことです。

①投げたものが返ってくる
それとかこんなことがあります。例えばみなさんの所で内勤の人で事務職をやられている人がいるとするでしょう。その人たちをばかにしていたら大変なことになります。なぜかと言うと、大事な所を握っているでしょう。例えば大事な会議に行く前に、「この書類、コピーしとってくれよ」と言うでしょう。嫌な人だったらコピーするだけですよ。でもいつもかわいがってくれている上司がコピーしてくれよと言ったら、クリアケースに入れて、もしかしたらもっとコピーが要るかもしれんけん、もう一部クリップで留めて、もしかしたらこの紙も要るかもしれん、もしかしたらボールペンも要るかもしれん、喉が渇くけん飴でもつけとこうか…。こうなるんです。本当ですよ。
僕の所に研修に来た方はびっくりします。うちの従業員、事務員の人はみんなそうしますよ。だからみんなびっくりします。「なんで飴があるんですか?」「いや、事務員の人がやってくれてるんじゃないですか。」やっぱりいつもかわいがっていると、投げたものは絶対に返ってきます。

今自分に降りかかっていることは全て自分が投げているのです。投げたものは絶対に返ってくる。「ばか」と言ったら「ばか」と返ってくる。「お前、ばか」と言って相手を指差したら、相手に向かう「ばか」は指1本だけど、3つは自分に向いています。バババン。お疲れさんって感じ…。嫌なことがあるのは嫌なことばかり投げているからです。

誕生日がそのとおりでしょう。人の誕生日におめでとう、おめでとうと言ってごらんなさい。何百人からおめでとうって来ます。自分の誕生日におめでとうって来ないってことは、おめでとうって言ってないんです。人生そんなもんです。投げたものは絶対に返ってくる。

僕は7年前、悪いのばかり投げていたから、もうぼこぼこでした。すごい高い車に乗って、昼頃まで寝てました。幸せやったと言えば幸せやったよね。ばかで幸せやった。

今日も来られてるんですかね、パナホームさんって好きな会社がある。あそこもやっぱり松下系列なんで素晴らしい方がいっぱいいる。この間あそこでものすごく人気のある現場監督さんに出会ってびっくりした。感動した。滋賀、パナ滋賀にいるんですけど、こう言うんです。僕聞いたんよ。「人気のある現場監督ってどうなん?」「久保さん、こうなんですよ。現場監督でだめな現場監督は、クライアント、お客さんには最高の笑顔をする。でも下請けの人には笑顔を出せない人、これは二流なんです。一流の現場監督っていうのは、クライアントに良い笑顔をするけれど、それ以上に下請けの人に良い笑顔をする。なぜか。隠れた所の釘をちゃんと打ってくれるんです。」この一言に尽きるんです。そうでしょう。「○○、お前がおるけんよかった!」と言われたら、もう自分の家のように打つでしょう。「お前やっとけ!ボケ!」と言われたら、途中で落ちるように、半年ぐらいで取れるように打ってやろうかな、変なテクニックで…。

それは冗談ですけど、要するに仲間を大事にできる人です。これが大事なんじゃないですか。

ちょっと美容室の方もいるので、美容室じゃない方は分からないかもしれないけれど、例えばこうなんです。髪の毛の整髪料ってあるでしょう、ポマードみたいなやつね。あれをつけるでしょう。そうすると手が気持ち悪い。僕の所の店は、つけてパッと振り返ったら、見習いの人が濡れたタオルと乾いたタオルをサッと持ってくる。僕らは一歩も動かない。「あ、ごめんね」、濡れたタオルで拭いて、乾いたタオルで拭く。パーフェクトです。でも普通の美容室は下の人はそんなことはしません。知らん顔。自分で歩いて行って手を洗わないといけない。それだけ非効率です。

なおかつ、タオルを持って来てくれた人が夜勉強していたら僕らは見ます。それはそうです。昼間僕らのことを思ってくれてるわけですから見るということです。これもやっぱり投げたものが返ってくるということです。

普通の美容室はこうですよ。「あの先輩、3人ぐらいカットしたら裏でタバコ吸うんですよ。ファブリーズでもかけてやろうと思いますよ」とか言うんです。僕の所はこうです。「あの先輩、3人ぐらいカットしたらタバコを吸うんで、コーヒーの用意をします。」雲泥の差です。

②長く勤めていただいている人を大事にできる
仲間を大事にできるかどうかというのは、一流か二流かということです。特に長く勤めていただいている人を大事にできる会社じゃないと絶対にだめ。

この間、さっき話した伊那食品工業さん、「かんてんパパ」の会長の塚越さん、すごいなと思った。「久保さん、今度また退職金上げたんだよ。毎年退職金上げてるんだ」。「今、退職金やめている所もありますよ」と僕が言った。「頭悪いね。退職金を上げたら、中年の方がもっと頑張る。今日本ですごくできる人は50代、60代の人なんだ。若造には分からんのよ。経営者の人はそれが分からんのかな」と言っていた。すごいなと思った。終身雇用って言ってましたよ。やっぱり素晴らしい経営というのはそんなもんです。

だから長く勤めた人で、今は業績が上げられない人を粗末にする会社は絶対にだめになる。多分その人たちが顧客になる。そうでしょう。団塊の世代の人たちはみんなリタイヤするわけだから、そうじゃないですか。今から中高年の方たちの時代ですから、それを大事にしない企業が成立するわけがないんです。

これも怒られるか…。『100億稼ぐ…』とか本を書いている有名な人、いるでしょう。あそこで働きたいですか? 俺、絶対やだ。あんな所、いくら給料を貰っても嫌だ。病気になりそう、成人病に…。ま、どうでもいいか。

要するに例えば業績から遠いところにいる人、いちばんクビになりやすい人を大事にしたり、今まで長く勤めてくれた人を大事にする会社じゃないといけん。なぜか。自分もいつかそっちに行くんやもん。「子供をばかにしたらいけん、自分の来た道やけん」、と言うじゃないですか。「年寄りを大事にしなさい、いずれ行く道だから…」。笑う所ですよね。

僕は大事だと思うんです。僕の所の従業員のこれ、見た時に感動しました。ああ、よう分かってきたなと。これ、従業員の人が考えたんです。みんなが分かるようになってきたなと思ってます。そういう、一流じゃないけれど、良い人というのは今みたいな考え方のできる人だということです。

「リーダーシップの発揮」について
最後、面白くなってきたですか? 面白かった? まだですからね。最後、これ、結構良い話ですよ。リーダーシップの話です。

みなさんはいつも会うんですかね。僕は経営とかを指導してもらっているのは大久保寛司さんという人です。大久保寛司さんっていう人、知ってます? 結構有名な方です。ちなみに僕は非常に仲が良くて、今年も何回も一緒に旅行に行ったりするし、経営講習も一緒にやらせてもらってます。だから経営のことはあの方に教えてもらいます。

自分の人間としての生き方は、北川八郎という陶芸家の人がいるんですけど、『致知』という雑誌に毎月出ている方なんですけどね、僕はその方に人間として教えてもらってます。

人間としてはこの人、男性としてはこの人、美容師としてはこの人と、僕は尊敬している人がいっぱいいます。その尊敬している人たちをずっと観察したら、リーダーというのはここが大事なんだというのが何個かあるんです。そこをお話ししようと思います。

1.良きリーダーは師を持っている
僕は見たとおり、「噂に追いつけ、バグジー」でもう口ばっかりなんですけどね、僕の知っている人たちはすごい。僕はみなさんの前でなぜこれだけしゃべれるかというのは、自分を教えてくれている人に自信があるからなんです。みなさんよりも絶対すごい人だと信じているからなんです。現実は違うかもしれないけども…。
そういうことで、僕の知っている人たちの特長でもいいかな、こういう感じ。話してみたら、「僕の知っている人に、こんなすごい人がいるんですよ」、「僕が尊敬している人にこんな人がいるんだよ」、「こんな人見てびっくりしたな」というような話が多い。そう思わないですか?

そうじゃない人というのは、俺、俺、俺、俺、俺、俺…。1回野鳥の会みたいに計ったら? 俺、俺、俺、俺、俺…、はい、今日70回言いましたけど、って…。要するに師、グル、自分の尊敬できる先生を持ってないということです。

先生がいない方というのはかわいそうです。怒られることがなきゃ分からんのです。俺が、俺が、俺が、俺がと言って、分からないです。もう何というか、何とも言えないのですが、態度にしても、私生活にしても、よく飛行機の高い椅子とか、新幹線のグリーンなんかに乗ったら行儀の悪い人がいるでしょう。電話をかけたらいけんというのにかけたり、足をこう上げたり、出て行く時もぐちゃぐちゃな人、いるじゃないですか。やっぱり先生のいない人は怒られないからあんなになるんです。そう思いませんか?

そして気持ちが良い。こんなすごい人がいるんよ、こんな人がいる、僕の尊敬している人でこんな人がいるんよって、叱ってもらえる人がいるということは、帝王学で言う原理原則を教えてくださる人っていうのかな、これはやっぱり今から大事だと思うんです。これは年齢とか性別とか距離とかを越えた何か、この人だけは何となく自分は信じたいなとか、この人が言うことだったら騙されてもいいなとか、逆にこの人からじっと見られたら嘘がつけないな、というような人です。そういう人を持つべき。また持つ旅をすると言ったらちょっとロマンティストですけど、そういうのが生き様として良いんじゃないかと思います。

それが僕が思っている特長としてひとつ。必ずそう。

2.良い友達を持っている
それともう一つは、似てるんですけど違うんですけどね、ものすごく友達が良い。今、本でもよく『ソウルメイト』っていうじゃないですか。魂の友、魂を磨きあうような友、要するに勇気をくれる友達です。くじけそうになったときに「頑張ろうぜ」と言ってくれる人。あいつから電話がかかってきただけで元気になる。あの人から手紙が来ただけでぐっと盛り上がってくる。分かる? それは先生じゃないよ。勇気をくれる友達。

ちなみにみなさんが知っている有名な社長さんたち、成功している人はみんな友達です。僕、いろいろな所に行くから知ってるんですよ。東京三菱銀行のこの人とローソンのこの方と、ってみんなほとんど友達よ。みんなソウルメイト。だから成功している。結局良い友達を持たない人はやっぱりみんな失敗してる。

ちなみに僕もたくさんソウルメイトがいるんですけどね、こんなことがあった。7年前に僕は倒産しそうになったと話したでしょう。その時ちょうど博多にキャナルシティというのができて2、3年経った時だったんです。僕の友達で大野という東京の美容師がいて、それが僕に電話をかけてきた。「おう、お前、大量に従業員が辞めたらしいな。」うるせいって感じですね。「ちょっと会おうや」言うんです。それで会った。そうしたら僕にこう言った。「久保、良かったな。右腕、№2が辞めたらしいじゃないか。」「なんが面白いねん、あんた。冗談やないよ。」「№2が辞める時っていうのは組織が良くなる時らしいよ。№2だけが自分の思いどおりにならないから、辞めるのは№2なんよ。組織が良くなる時、必ず№2が辞めるよ。俺、聞いたんよ。よかったのう」と言ったんです。

僕はなんかすごく嬉しかったよ。慰められたんかなんか分からないけど、ぐっと来た。そのアドバイスがぐっと来た。ガツンと…。あ、やれると思った。でもその時は規模がこういう感じだったんですよ。でもなんかその友達は勇気をくれた。だから今でも付き合ってます。そういう友達を持たないといけないですね。

従業員満足をやろうと思ったけど全然言うことを聞かない。「もうやめとけ、やめとけ、そんなの」なんて言う友達はだめですよ。本当です。

僕も道半ばだから、今からも続けていこうと思ってますけども、CSとかESというのは大きい桶を箸一本で回しているようなもんです。すぐに結果なんて出ないです。こんなことして、なんかなるんやろか、って感じ。なんかうっとおしい、「みんなでビデオ観ようよ」って見たらみんな寝てる。気絶してるんやないかってぐらい寝てる。「町の掃除しよう」って言ったら、従業員から「偽善者!」って言われる。「店も汚いのに、なんで外をせないけんのかい?」って言われる。「夜、飲みに行こうか?」って言ったら「セクハラやないですか」って言われる。もうボロボロです。それはそうなんです。今まで放ったらかしているわけだから、うまくなるわけがない。

またよく寝てた奴とか、偽善者って言った奴とか、セクハラって言った人たちは今うちの幹部です。人間は井戸と一緒やけん、深く掘れば掘るほど良い水が出る。みなさんの周りにいる人、なかなか言うこときかんのが良いですよ。「はい!」って聞くのはあまり良くない奴がいる。すぐパッと戻るけんね。だからやっぱりなかなか変わらない人が変わるってことが非常に大事なんです。

例えば、涙を見るなら子供の涙よりも大人の涙、大人の涙よりも中年の涙、中年の男の人の涙がいちばん感動するとよく言うやろ。あれはなかなか泣かない人だからです。そう思わないです? プロジェクトXなんか見て、ぐっと泣きそうになるんです。やっぱり中年の男の人がいちばん変わらんのです。みなさんですかね。なかなか変わらないんです。過去の成功体験を引きずっているからなかなか難しいんです。

僕の知っている人は今言った師、グル、先生を持っていて、良い友達を持っている。この二つで強烈に前進できます。多分…。そうでしょう。道を教えてくれて勇気をくれるんです。

3.本を読む
そして最後、本を読む。しつこいですけど…。やっぱり本というのはこんな感じでしょう。ユンケルみたいなものでしょう。なんかやる気になってくる。ちょっとモチベーションが下がったときに本、すごく良い本を読んでみてください。良い本を読むとぐっとくるよね。あれはやっぱり栄養剤です。

みなさん、「佐賀のかばいばあちゃん」という本を読んだこと、あります? ある? ないですか? 今日、帰りに絶対に買ってください。面白くなかったら僕は買い取ります。520円です。「佐賀のかばいばあちゃん」という本。ちなみにそれを大久保寛司さんに贈ったのも僕です。ローソンの社長に贈ったのも僕です。東京三菱銀行の社長に贈ったのも僕です。みんな電話をかけてきて、「やっぱり久保さん、読んでる本が違うね」と褒められましたよ。相当面白いです。

それは貧乏な人の話なんです。貧乏なんやけど、面白い人の話。島田洋七という漫才師の人の話。是非読んでみてください。相当面白い。僕の所のお店には全店ある。

こういうことです。子供が貧乏なんです。そのおばあちゃんに「おばあちゃん、お腹減った」と言うと、「気のせいよ」と言われるんです。どひゃー、みたいな本です。相当面白いですよ。是非読んでみてください。

こんなんあるよ。「ばあちゃん、通信簿が1と2ばっかりでごめんね。」「いいと、いいと。足したら5になるけ。」「え? ばあちゃん、足してもいいと?」「そうよ、人生は総合力よ」とか言うたりするんです。いや、相当面白いですから、是非買って読んでみてください。

僕の所の従業員はみんな持ってます。元気がなくなったお客様とかにあげたら相当喜ばれますよ。みなさんきっと1日で読む。大久保寛司さんなんて相当喜んでた。どこへ行っても「佐賀のがばいばあちゃん」、持ってますもんね。「元気がないの? あげよか?」とか言ってあげてますよ。是非読まれてみてください。

みなさんリーダーシップをとらないといけないから、本を読むということは非常に大事なことだと思うんです。例えばみなさんが明日結婚式の披露宴でスピーチをしなければいけなかったら、多分スピーチの本を読むでしょう。読まないです? 読むなと言われても読むと思うんです。いつもそうだと思えばいいんです。明日も人前で話さないけん、明日も話さないけんと思えば読めるはずです。ネタを探す。動機は不純でもいいから…。

僕は年間200冊ぐらい読みます。それは年間311回講演しているからです。明日はリコーさんが九州に来るんですけどね、あさっては、とか決まってるんで、その業界の本を読んでないと…。無責任なことは言えないからいろいろな本を読んだりします。

是非リーダーシップは今の三つ、挑戦してみたらいいんじゃないですか。

「師匠北川八郎」について
ちなみに僕の先生は北川八郎という人です。最後、この方の話をちょっとしたいと思います。その方は陶芸家なんですけど、その人が僕にこんなん言ったことがある。僕ね、ものすごく順調でしょう。売り上げも良いし、従業員もいっぱい、お金もいっぱい…。お金はいっぱいということはないか、まあ少し…。それで僕は4年か5年前に良くなりかけたから全国展開しようと思った。

その先生は阿蘇の小国、黒川温泉という所でお百姓さんをしてます。田植えとかを手伝いながら僕は聞くんです。毎月一日、何があっても会いに行くんです。一日だけは仕事をしないんです。阿蘇で一緒にお百姓をしながらアドバイスをしてもらう。

田植えしててね、「先生、お客さんが喜ぶから、店を増やそうと思うんですよ」と僕が言ったら、パッと振り返って「は? 店を増やして喜ぶのはあんただけやろ?」「いや、お客さんが喜ぶと思うんですよ」と言ったら「それはあんたの勘違いよ。店を拡大して喜ぶのは経営者だけよ。お客さんは嫌がってるよ。あんたが饅頭屋やったら、店を増やすよりあんこを増やしなさい。」僕はガツンと来た。それから多店舗をやめました。

今、100人以上いて6軒しかない。1軒に20人いるんです。酸欠状態です。めちゃくちゃ忙しいです。一日に100人ぐらい来るから、それぐらい人がいないと回らない。それはその方が怒ってくれたからなんです。「調子に乗るな、地元の地域に貢献できない企業が成功するわけがない。拡大より充実なんよ。」その先生が僕に教えてくれた。はあ、やっぱりすごいこと言うな。

それとかね、また違う時、また田植えをしてたら、「先生、ものすごく良い条件の店が見つかったんですよ。」ちなみに僕の所は今、名前だけが先行しているでしょう。だから銀行の人もいくらでもお金貸しますって言うし、ビルができたら必ず良い所に入ってくれと来るんです。良い条件の話がいっぱい来るんです。それで僕はまた田植えしながら「先生、好条件の話が来たんですよ。」「うわー、やめとき、危ないよ」と言うんです。「え? 好条件って危ないんですか?」って聞いたら「そうよ、好条件ってことは家賃高いやろ?」って言うんです。そうよね、場所が良いからね。「家賃高いんですよ。」「そうしたらあんた、昔みたいに金、金、金、言わないけんよ。リスクを背負うけん。宗教的に言うとハンディってあんた、リスクよ。好条件ってことはハンディってことなんよ。もう1個教えてやろか。良い場所に美容室を出してごらん。下手な美容師が働いてもお客さんは来るだろ? 中身が腐ってくるよ。」

分かります? 意味分かります? 車屋さんで言うと、良い車ばかり作ったら結局売る人は売るのが下手になってくるよ、ということです。

「蕎麦屋、見てごらん。町の中の蕎麦屋はまずかろうが。山の中の田舎の蕎麦屋は美味しいやろ? なんでと思うね。また来てほしいき、一生懸命作ってるけんよ。だから好条件っていうハンディを背負わず、ハンディというチャンスを背負いなさい。」その人が僕に教えてくれた。

素晴らしい人です。そう言ってくれる人が傍にいたらいいですよ。安心。それでその人は僕にこう言う。「久保君、そろそろもう1個来たね。順調ってピンチが…。順調な時は気をつけないけんのよ。山登りで骨を折ったり、遭難するのは9合目よ。絶対慢心したらいけん。」要するに順調という時こそピンチと思わないと…。「不調が来たらウェルカムと言いなさい。」分かる? 業績、売り上げが落ちたらウェルカムと言え、ちゅうけんね。自分の子供が病気になったら、ウェルカムと言え、ちゅうけんね。僕の子供はちょっと大きい病気をしてるんですけど、その先生は言う。「久保君、よかったね。ハンディの中で生き生き生きていけるじゃないか。死ぬような病気やないやろ? よかったやないか。ウェルカムって言いなさい。」そんなふうに教えてくれた。

それとか、こんなこともありました。僕は3年ぐらい前、タバコを1日3箱ぐらい吸っていたんです。田植してたら、タバコをぽろっと落とした。「あ、落とした」って言ってたら、「久保君、落としたんやったらタバコやめたら?」「なんでですか?」って聞いたら「いや、久保君、あんたには見えんかもしれんけど、心に滑走路ができてる。あんたの心には神様が下りてくる滑走路ができてる。」何かと言うとこうなんです。人を幸せにする立場になってきたから、あなた、自分を大事にしなさい。あなたの言葉に重みが出るには、自分を大事にしている人が人を大事にするということが大事だ。だからタバコを吸っている人が良いことを言ってもおかしい。だからやめた方がいいんじゃないかというわけです。1日3箱吸ってたんですよ、でもその日から3年間1本も吸ってない。

それまで海外旅行に行くのは、海外旅行に行っているのか、タバコを吸いに行っているのか分からないんです。飛行機に乗る前にガーッと吸って、飛行機に乗って下りたらまたガーッと吸って、いつもタバコを吸ってるんですから…。レストランに入っても、食べたらタバコを吸って、タバコを吸ったらレストランに行って、レストランに行っているのかタバコを吸いに行っているのか分からないんです。

でもやはり師匠を持つということは素晴らしいことです。みなさん、是非そういう自分を怒ってくれるっていうか、そういう人を持った方がいいと思います。

僕はその人から最近はこう言われています。「久保君、金の金槌をあなたにあげる。」何かというと、「人から拍手をされた時は金の金槌を思い出しなさい。拍手は、調子に乗るな、調子に乗るなと、神様が金の金槌で頭を叩いていることなんよ。だから謙虚に頭を下げなさい。」

また、それまでは年間1千万円ぐらい洋服を買ってたんです。高い車に乗ってね。外国の、なんとかなんとかっていうやつですよ。車高は低いけど値段は高いのに乗って、高い貴金属をして、ものすごい格好良い格好をしてたんですよ。今は嘘みたいですけど…。

それでその先生が僕に言うんです。「久保君、大変やね、いつもそんな派手な格好して…。」「え?全然派手じゃないですよ。」「いや、大変やろ。朝着替えるのも大変やろ。僕なんか毎日白いシャツやけ、全然大丈夫よ。」「そんなことないですよ。」「そうよね、中身がないけ、しょうがないね。だけどあれよね、自分が弱いけ、やっぱり大きく見えるようにならんと人が恐いんやろ。高い洋服着てないと、自分が良い人って思われんけ、だめなんやろ。自分が特別待遇じゃないと納得できないようになったら人間おしまいよ。みんなに、『汚い格好してよく来れましたね』と言われるようにならないけん。」と言われているから、僕はいつもこんなん。これ、衣装なんです。わざとこんな格好してるんです。

「最後に」
最後になりましたけども、最初に僕、こんな話をしました。タクシーの運転手さんの話。結局これからはお金で仕事をする人たちの時代じゃないんです。僕はたまたまそれに気づいたからなんですけどね。なぜか。経営者の僕自身が金、金、言っていたから、従業員も金だけでやってた。でも今はうちの子たちはやりがいを見いだしているんです。どうですか、やりがいっていうのは絶対必要じゃないですか? 

僕、この間福岡で講演したら良い話を聞きました。こんな話。57歳のご夫婦です。大きい家を建てて、子供を産んで、子供が健康で、そして孫ができて幸せだった。だから大きい家で夫婦二人で、「なんでこんなに幸せだったんでしょうね、お父さん」と言ったら、だんなさんが「いや、お前、披露宴の時に来てくれたあの40人の方がいたからじゃないか。」「じゃあ40人のみなさんにお手紙を書こう。」良い夫婦ですね。そんなの、あまり聞いたことがないでしょう。

手紙を書こうとしたら、二人だけ亡くなっていた。いちばんお世話になっていた、だんなさんのお父さん、お母さんだった。その家の土地もお父さん、お母さんからいただいていた。だから、天国に届くかもしれない、死んでるけれど手紙を書こうと言って、死んだお父さん、お母さんに手紙を書いたそうです。そして出す所がないからと墓地に送ったら、なんと手紙が返ってこなかった。幽霊の話をしてるんじゃないですよ。返ってこなかった。え?と思っていたのだけど、返ってこないから忘れてしまっていた。

そしてお盆に墓参りに行ったら、お父さんとお母さんのお墓の横に、ビニールに何重にも包まれて、風に飛ばないように大きな石で手紙を置いてくれていたそうです。聞いたら郵便局員さんがやってくれたそうです。

どうですか、郵便局員の方がそれをやるというのは、ものすごくやりがいがある仕事じゃないですか。普通、ありがとうも言われないんですよ。でも良心、人間性の問題じゃないですか。やっぱりその方って素晴らしいって思うんですよ。

僕たちはどういう仕事をしているか。目の前の自分の給料に反映することしか頑張らない。本当に寂しい職場になってるんじゃないかと思うんです。そういう素晴らしい、志高く、身低くって言うじゃないですか、そういう人たちになっていきたい。僕は先輩たちについていきたいって思ってます。

またこの間こんなこともありました。これ、有名な話です。バスの運転手さんが、路線がいつも同じじゃないと事故に遭うから路線は一緒らしい。同じ所を何回も通るから面白くないらしい。そうしたらある時おばあちゃんが乗ってきて「あんたん所がバス通してくれてよかったよ。今まで1時間かけて買い物行きよったけど、あんたん所のバスが通ったけ、5分で行けるけ、ありがとうね」と言われた。その一言でものすごくやる気になった。俺、良い仕事してるんじゃないかと思った途端にその路線の道がよく見えるようになったそうです。

そしてそこにお地蔵さんがあるのに気付いた。どうしたのかな、このお地蔵さんと思ったら、毎年ある時期になると花束が手向けられる。もしかしたらあそこで大事なお孫さんかなんかが死んだんかもしれんなと思って、運転手さんが自分の給料日に桜の苗をそこに植えた。そうしたらその次の年におばあちゃんが乗ってきて、「実は神様がおった。うちの孫があそこで死んだんやけど、桜の木が生えてきた。」「違う、違う、おばあちゃん、それは僕が植えた。」それから給料日のたんびにずっと桜の木を植えて40キロつながったそうです。

その方が亡くなられたけども、同僚が良いことじゃないかということで、日本一の桜並木を作ろうということで今でも伸びているそうです。

そういう、名もないけどもすごく良い仕事、やりがいのある仕事をやっている人もいる。なのにそうじゃない人たちもいる。
僕の所は7年前に辞めた従業員からそういうことを教えてもらったんです。だから僕はみなさんに威張れることはないんですけども、今言った、僕がそうやって指導してもらえるようなのと一緒のように、みなさんにも良い先生ができて、良い友達ができて、良い本と出会えたらいいんじゃないかと思います。

ちょっと長時間になりました。1回しめていいですか。これでもう止めですか。じゃあ一応僕の話は終わります。ご清聴ありがとうございました。


(2005年10月 市町村会館)