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業績をあげる3つの秘訣 / 2002年6月(設立2周年記念講演会)

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業績をあげる3つの秘訣
大久保 寛司 氏

 みなさま、こんにちは。ただ今ご紹介たまわりました大久保でございます。4回目ということで、話す方もなかなかきついなと思っています。去年と同じというのでは面白くないし、といって違う話もできないしどうしようかなと・・・。結論としてはやはり同じ話でいこうということになりましたので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

 まず冒頭に、茨城県経営品質協議会設立3周年を迎えられたということで、心からお慶び申し上げたいと思います。
 こういったものを地道に継続していくというのは大変なことです。これもひとえに鬼澤さんはじめ事務局のメンバーのボランティア精神があってここまできているわけです。鬼澤さん自身が経営品質というものに出会われて、これを何としても水戸の企業に理解してもらいたい、そして茨城県を良くしたいというこの最初の一つの思いから、この今日の会にまでつながっているわけです。
 その間大変なご苦労があったと思いますし、今ももちろん大変だろうと思います。またその鬼澤さんについて、たくさんのメンバーが一緒になってまさにチームワークでやって来られた。それがここまで至っているのではないかと思います。
 ご承知のように何事も裏と表があるわけですが、こういう協議会の裏というのは一言で言えば大変なわけです。これを運営していくというのは非常に大変なことなのですが、そういうことに関して特に鬼澤さんの所はご夫婦でご尽力してこられていますので、心から敬意を表したいと思います。

★企業にとっての2大資産
 今日は「業績を上げる3つの秘訣」ということですが、昨年10月に中央公論新社から『二十一世紀残る経営、消える経営』という本を出していただきました。まさに「残る経営」もあれば「消える経営」もあるのだろうと思いますが、残るための基本的なこと、大事なことがいくつかあるなということを最近痛感しています。

 最初に、企業にとって大事にしなければいけない資産というのは何であるかということです。
 ご承知のとおり、バランスシートには資産の項目もあれば負債の項目もあるということなのですが、そのバランスシートや貸借対照表などに出ないところの何か大事な資産というのがあるなと最近痛感しています。その二つを最初にご紹介したいと思います。

 一つ目の資産は何かというと、「お客様の信頼」です。それから「安心」。もしくは「ご満足」。それが最初の資産ではないか。
 二つ目の資産は「従業員のやる気」です。これが大変重要な資産であろうと思っています。

 ところが経営品質を真剣にやっている企業はともかく、それ以外の多くの企業ではこの二つの大事な資産というのを多分測定していないと思います。バランスシートや損益計算書には出てきません。ところがこれこそが企業が残り続けるために大事なものではないかなと思います。

 ご承知のように世の中には格付け機関とかアナリストと言われる方とかいろいろいらっしゃいますが、そういう人たちはこの二つを見ているのだろうかと考えたとき、意外と十分見れていないのではないかと思います。すなわち一番大事な資産が見れないままに企業というのを評価しているのではないかという感じがしています。

 この観点から企業というものを見ていくと、どうでしょうか。
 「この二つの資産を削りながら日々業績を求めている企業の何と多いことか!」ということを思わずにはおれません。この大事な資産というのを減らしながら日々一生懸命やっている。これは私から見ると間違ったことを行っている、努力している企業ではないかという感じがします。

 それでは、次にこの二つの資産を増やすにはどうしたらいいか、これを高めていくにはどうしたらいいかということを考えてみましょう。
 なぜ、先ほど申し上げたように多くの企業はこの二つの資産を減らしながら企業活動を行っているのか。
 基本は何かというと、多分この二つの資産の重要性というのを認識していないからだろうと思います。この二つの資産が大事なものであると思うこと、すなわちこの二つの資産を高めるにはまず、「この二つが大事なものなのだ」ということを強く認識する必要があるのではないかと思います。

 そしてもう一つはこの資産を増やすことに“本気”になるということだろうと思います。
 本気になるというのはどういうことかというと、例えば多くの企業ではいろいろな意思決定が日々なされます。毎日会議が行われるでしょう。いろいろな場で常にこの軸で物事を見ていくということです。すなわち
 「今意思決定しようとしていることは、お客様の信頼、安心、ご満足を向上するのだろうか。」
 「この資産を増やすことにつながるのだろうか、減らすことにならないのだろうか。」
 「この施策を展開していくことは従業員のやる気をどんどん引き出す、生み出すことにつながるのだろうか、減らしてしまうことはないのだろうか」
という軸で見ていく事です。

 実は多くの企業の中におけるいろいろな会議を見たときに、この二つは全く欠落しているケースが多いと思います。そしてただ一つ、どうやったら売上げが上がるのか、どうやったら儲かるのかということで考えていると思います。

 この時代に、どうやったら利益を上げられるか。
 儲ける秘訣は、儲けようと思わないことです。儲けようと思わないで、「どうやったらお役に立てるのか、どうやったらご満足していただけるのか」という軸で物事を考えていく方が、実ははるかに最終的な成果に結びつくということなのです。
 ですから常に上記二つの資産を判断基準の軸にして物事を見ていくということをされたらいいのではないかと思います。


★組織運営の質を高めるコツ
 先ほどご紹介していだたきましたように、日本IBMを退職して二年ちょっとになります。幸いにもいろいろな企業にお邪魔させていただいております。大変恵まれていると思います。最近は企業、自治体、教育・・・、今もちょっとメールを開いたら、ある県の教育委員会の事務局から学校の先生、校長先生、教頭を集めるので一度話をしてもらえないかというようなご依頼をいただきました。いろいろな業種にお邪魔させていただいていますし、また民間企業以外のいわゆるパブリックセクター、いわゆる公共の組織にも随分お邪魔させていただいております。そこから私自身大変いろいろなことを勉強させていただいております。

 例えば医療の世界で偉い先生ばかり集めて何かやれと言われたときに、事前に事務局の方と打ち合わせると、「大久保さん、医師というのをご存知ですか?」「いや、よく知りません。」「あの方たちは特殊な集団です」と大体言われます。
 今、随分いろいろな県庁にお邪魔させていただいていますが、最初に役所にお邪魔させていただいたときに、「大久保さん、役所というのは特殊だから、いつものように民間企業のつもりでやったら全然通じないよ」というアドバイスを随分いただきました。
 学校の先生たちを集めて何かさせていただくときは、「大久保さん、知っていますか? 学校の先生というのは特殊なんです」と言うのです。
 みんな特殊だと言うのです。よく考えると、いろいろな企業にお邪魔させていただいたときも、多くの企業でおっしゃるのは「大久保さん、うちはちょっと特殊だから・・・」というのが多いのです。

 もっとさかのぼってみると、日本IBMで各組織をアセスメント、診断してきましたが、私は大変に恵まれていて、研究所、開発製造部門、人事、総務、財務、各営業部門、全部一人でアセスメントをさせてもらいました。これは大変勉強になりましたが、この時さして変わらない事業部で多くの方が「大久保、分かっているだろうな、うちは特殊だからな」と言うのです。たった一人、「うちは普通だ」と言う方がいらっしゃいましたが、この方は多分特殊な方ではないかという感じがしますが・・・。

 特殊な仕事というのはひょっとしたらあるのかなと思いますが、いろいろな所にお邪魔させていただいて一つ発見したことがあります。すなわち組織運営の質を高めるという観点では、「特殊というものは何一つない」ということなのです。

 組織を作っているということは「何かの成果を生み出す」という目的があります。そのためには組織運営の質を高める必要があります。
 それでは組織運営の質を高めるにはどうしたらいいのかといったときに、実は企業であろうと自治体であろうと教育関係であろうと全く変わりません。後でいろいろな事例をご紹介しますが、全く変わりません。

 組織の運営の質を高める、そして成果を生み出すためには二つの視点があります。
 「組織」と「人」です。
 極めて単純ですが、「組織」と「人」というものがあります。「組織」というのはある意味では業務プロセスとお考えください。所詮プロセスと人なのです。そして組織運営というのは仕事の流れ、仕組みを含めて企業全体のプロセスです。このプロセスの質を高めていく、それと人の質を高める。そうすれば組織運営の質は高まるということなのです。

★他人評価、測定・把握 そして自己改善
 ではどうしたらプロセスの質、人の質を高めることができるか。これはすごいことを発見しました。これをやれば絶対間違いないというのが分かりました。それは何かというと、今からご紹介することをやればいいのです。

 前回ご紹介したと思いますが、今世の中でいろいろな大きな変化が生じています。変化の大きな一つのものというのはご承知のとおり、供給する側から受ける側、サプライヤー側から要求する側、企業から消費者の側、すなわち受け手の側に主導権が変わったというお話を前に十分させていただいたと思いますが、これに尽きるのです。
 大事なことは、主導権が変わったということは、組織、人が何か仕事をしたときに、自分で判断しないで主権者に判断してもらうということ。すなわち提供する側、自分で判断しないで受け手の側に本当に価値を生み出したのかどうか判断してもらう。これだけなのです。

 これを簡単にご説明するとこういうことになります。
 物事というのは自分で評価しないでください。自分たちが生み出した仕事の価値、バリューというものは必ず他人に評価してもらってください。そしてそれがどうなっているかということを測定、把握してください。そして自己改善に結びつけることです。この仕組みをいろいろな所に入れていくだけです。

 これを実施している企業は意外と多くありません。本当に良かったかどうかということは相手が評価することなのです。だから他人に評価してもらうことです。
 そして改善というのは何かというと、二つの視点があります。
 ここで組織というかプロセスとお話ししましたが、プロセスを変える。すなわち仕事のやり方、進め方、仕組み、手続き、いろいろあります。改善するのはプロセスを変えるということと人の意識です。これを改善する。そして良くなったかどうかということを継続して評価してもらう。
 この仕組みをありとあらゆる所に入れ込むことです。その時に大事なのは「本当に良かったかどうか測ること」です。実はこれを入れることができれば全て自分が見えてきます。

 どうして他人評価が必要か。
 いろいろな所にお邪魔してこれまた解ったことは、企業の人であれば企業の中で上司を持ち、部下を持ち、いろいろな形で仕事をしているわけですが、「人も企業も自分が全く見えていない」ということなのです。どのぐらい見えていないかというと、全く見えていない!見えないままに仕事をしている企業、人が多いということなのです。

 見えるようにするにはどうしたらいいかというと、これはもうただ一つです。鏡に映す、もしくは他人に評価してもらう以外にないということなのです。
 ですから企業であればお客様やビジネスパートナーの方に評価していただく。またマネージメントという観点で見たときには、部下や周りの方に自分のありようというのを評価してもらうということなのです。
 これはなぜかというと、やっているつもり、一生懸命努力しているつもりという話はいっぱい聞きます。しかし「やっているつもり」と言うのと「できている」のとでは実は天地の開きがあることが多いということなのです。大袈裟に言うと何も関係ないぐらいに開きがあります。こういうことをいろいろな所で拝見させていただきました。

 大事なことはやることなのです。質を高めるというのは別の観点から言うと、相手の側から評価してもらうということを全ての所に組み込めばいいのです。それはどういうことかというと、例えば個人としてマネジャーとして考えたときに、「私は大事なことを言った」というのは大事なことではないのです。言ったというのはプロダクトアウトというか、提供する側の論理です。受け手の側に立ったときに何が大事かというと、これはただ一つです。「何を伝えたか」ではなく、「何が伝わったか」が大事なわけです。

 ところが多くの方は自分は正しいことを言った、正しいことを指示した、正しいことを伝えた。では伝わったのでしょうか?
 もう一つ言えば、何が伝わり、何が理解され、そして何が行われるかが大事です。実はその最後のところがいちばん大事です。
 なぜか。

 例えば企業においていろいろなマネジメントが指示を出すというのは、指示を出して聞いてもらうのが目的ではないはずです。指示のとおりに動いてもらい、かつ成果を出すため、価値を生み出すためにいろいろな指示が出ているはずです。そうするとそこまで指示が徹底できたのだろうか、すなわち理解され、行動まで転化されたのかどうかということを見る必要があるわけです。
 これはもう常に相手の視点で自分の行動を見るという、この一つだけ覚えていただいて、相手の側から自らを見る。
 これ一つだけ覚えていただき、これを着実に仕組みとして実践していくとき、必ずと言っていいほど組織運営の質を高めることは可能ではないかと思います。

 ですから企業全体としてはお客様の満足調査などいろいろあります。マネジメントであれば、場合によっては部下からいろいろなものを評価してもらうことも大事だろうと思います。

 この間も何を勘違いされたのか、ある県の教育委員会の事務局の方がお見えになり、教員採用の方法についてアドバイスを欲しいと、私ができるわけないのにと思いながら、そういうご依頼をいただきました。結果的には私も大変参考になりました。
 例えば、具体的には忘れましたが、そこの県では基本的にはやる気のある、向上心のある人を採用したいという基本方針があるわけです。そして筆記と面接というプロセスがあります。試用期間が大体6ヶ月から1年あり、本採用になる。何年後かにその先生がどうなっているか、これが成果というか結果になるわけです。この時に大事なのは、こういう仕事の流れをスーッと整理するとこれがまさに一連のプロセスになります。まず最初に経営品質を学んでいるといちばん大事なのは基本の思いが大事ですから、基本方針がどうなっているかということです。

 その教育委員会の事務局の方に、「それでそういう先生は採れたのでしょうか? 2年後に本採用になった方はどうなっているのでしょうか?」と聞くと、「これがどうも悪くなる傾向が強い」と言うわけです。「一応知事には、今年はこのように改善して採用を変えましたと毎年報告はしているのですが・・・。」「ということは成果は落ちているわけですね。分かりました。それはプロセスが悪いのです。」こういう発想になります。

 「そもそも筆記と面接でやる気や向上心というのは分かるのでしょうか?」「いや、そこが問題なのです」というわけです。
 例えば面接で「あなたはやる気がありますか?」といったときに、受けに来る人で「やる気はありません」と言う人がいるのでしょうか。普通いません。それから「教員になるということについて夢を語ってください。」これはいくらでも夢を語るでしょう。
 いろいろな質問項目があります。それに対して、今の学生さんたちだったら多分事前に解答は用意しているはずです。「そうするとちゃんと答えられるということと、その事がちゃんと実行できるということは何も関係ないのではないでしょうか?」、と言うと「実はそうなのです」と言うわけです。「と言うことは意味のない面接をやっているということですか?」「そういうことになりますかね」とだんだんこういうふうに展開していくわけです。
 「ではこの面接のやり方は変えたのでしょうか?」「はい、変えました。例えば昨年からは30分実際に模擬授業をさせる」のだそうです。それで見るということです。「30分で分かるのでしょうか? 30分でやるのだったら、単に演技のうまい人が勝つのではないでしょうか?」と言うと「そのとおりなのです」と言うわけです。
 「かつ6ヶ月から1年の試用期間で本採用というこのプロセスがありますが、例えば100人採用したとします。ほとんど100人とも本採用になるのではないですか?」「本音を言うと実はそうです」と言うわけです。
 おかしいではないですか?プロセスが働いていない。「一応試験が通った段階で1年やって、落とすわけにいかない」というのが本音なのです。

 ちょっと待ってください。生徒の視点はないのですか?
 どうしようもない先生一人のために、何千人の生徒が迷惑を被ります。生徒の軸はないのですか? 常に相手の視点、お客様は誰か、JQAの考えを学べば何のためにと考える癖がつきます。
 もう一つ申し上げたことは、筆記の試験内容を見て驚きました。一般教養があります。小学校の教員ですよ。楽譜を見てすぐに弾いて歌えなければいけないのです。ほとんど無理ではないかと言うと失礼かもしれませんが・・・。それから体育は25メートル以上泳げなければいけない。どれぐらいで走れなければいけない。体育と音楽と一般教養、全部の条件が整わないとだめなのだそうです。
 「そうすると音楽がものすごく上手だけれど泳ぎはだめという人もいるでしょうね」と言ったら「いるでしょう。そういう人は落ちます。」「体育はものすごいけれど、楽譜を見て弾けない方もいらっしゃるでしょう。」「います。そういう方は採用できません。」「ということは極めて有能な得意技を持った人を採用しない仕組みですか?」「そういうことになりますかね」とだんだんおかしくなってくるわけです。

 「それではなぜそうするのですか?」なぜというのが大事です。
 そうしたら何とおっしゃったか。「一応小学校では一人の先生が全部教えることになっています。」「分かりました。なぜですか? 生徒が望んでいるのですか?」「いや、あまり望んでいないようです」と言うわけです。「それではそこを改めたらどうですか?」
 実は歩コアにもいろいろな話が出てきましたが、その時なぜいろいろな話が突然思いついてずーっと出てきたかというとすごく簡単です。まず基本方針にのっとって成果があり、成果はどうだったか、結果はどうだったか。それは基本方針に合致するようになったのか。なっていない。それではここが悪いですねと。経営品質を学んでいる人だったら、こういったところを何で測っているのですかという発想が出てくるでしょう。それをただ単に適用しただけなのです。

 それからチームワークの発想があります。その時にいろいろ提言させてもらったのですが、例えば音楽だったら、外部の音楽の好きな人にその時だけ来てもらってやったらいいではないですかと。体育はスポーツマンの人たちを呼んできて、その人たちに生徒の指導に当たらせたらどうですか。はるかに楽しい授業ができるのではないですか。こういうことです。外の方とチームワークを組んでやっていくとか、いろいろなことが考えられるのではないでしょうかなど、実は20ぐらい具体的にいろいろな提言をさせてもらいました。
 曰く「よくそんなに出てきますね。」ただ単にこういう観点で単純に眺めていったらそういうアイディアが出てくるのです。これはまさに経営品質を学んでいた自分にとっての一つの成果かなという感じがいたしました。

 何を申し上げたかったかと言うと、経営品質の考え方、基本の根底の考え方というのはいくつか押さえどころがあるわけですが、それを押さえるというのは全ての組織に適用できるのですということなのです。

★そもそも組織化の目的は何か
 今日の演題に戻りたいと思いますが、「業績を向上させる3つの秘訣」ということで具体的に3つの秘訣ということを今からご紹介させていただきたいと思います。

 第一は何か。「組織というのは何のためにあるか」というと、実は先ほど申し上げたとおり何がしかの価値を生み出すためです。
 組織というのは絶対のものではありません。例えばたくさんの人を集めて「みんな自由に仕事をしろ」と言ったときに、生産性、効果というのはどうなのかということを見たときに各自がバラバラにやっていたのでは成果は低いです。
 組織を作るというのは、集まってきた人たちのエネルギーを最大限に出して、成果を生み出すための手段であるのです。ですから組織というのは絶対のものではないということになります。
 ところが組織というものは、その組織が作られるとなぜか一人歩きして増殖したり、もしくは守るという発想になりやすいのです。
 そこからセクショナリズムというのが出てきます。このセクショナリズムというのはどれだけマイナスかというのはみなさんよくお分かりだと思います。と言うのは、企業の中のエネルギーの総量というのはある意味では同じです。その同じ総量を価値創造、価値あることに向けるのか、それとも違うことに向けるのか。そしてそのセクショナリズムでお互いに争うということは、そのこと自身がプラスの方向に全くエネルギーを使っていないということになるわけです。

★第一の鍵 お互いに協力し合う
 ですから大事なことは何かと言うと、やはりお互いに協力し合うということです。
 茨城県の方はリッツ・カールトンホテルのビデオを随分ご覧いただいていると思いますが、リッツ・カールトンの場合は例えば宴会場が忙しくなると、人事部門の人が出て行ってコーヒーをサービスしたりお皿を洗うわけです。
 これはきわめて正しいわけです。私は人事だから、私は受付だから・・・。それは仮の役割であって、その組織が最終的に何を目的にしているかというと、例えばサービス業であれば、サービス業に限らないのですが、ある意味ではお客様に対してご満足を提供することが目的であるわけです。そこが目的で、そのための手段としていろいろな組織、役割分担があると考えるべきです。

 ところがなかなかそうでない人は組織、役割というのが全てになってしまうというような面があろうと思いますが、これは本質を外しているということだろうと思います。

 今日、上野駅でJリーグのタオルを買ってきました。今、サッカーが燃えています。あのサッカーをボーッと見てはいけないと思います。やはり興奮しながら見るということと同時に、チームワークだということです。
 例えばボールが来たときに、プレーヤーのはそれぞれ仮のポジションがあります。しかしボールが飛んで来たときに線を引っ張って、それはお前の責任だとか、こっちの責任だとやりますか? 全員がそちらの方に動くでしょう。これです。

 すなわち、例えばお客様から何か課題が飛んできたときに皆で、最後にやるのは誰か一人か二人かもしれませんが、皆で協力し合ってやるというのが、まさに本当のチームワークではないかなと思います。

 では、なぜ協力し合えるのかというと、一つの目標を共有化しているからです。
 すなわち、サッカーであれば勝利ということ、勝利を目指すという思いが共有化できていてはじめて、あのチームワークというのができるわけです。
 ですからサッカーを見ていて、ぜひ自分たちの組織のありようというのを見ていただくといいのではないかと思います。
 一つの束になるには一つ同じものに向かって進む、別の言葉でいえば共通の価値観ということになります。
 ですから企業であれば経営品質が推奨するところの、基本的にまず「お客様にご満足を提供しよう」、ここから物事全てを考えていくということです。これをどこまでやり切れるかどうか。それを協力し合って実現していくということが大事ではないかなということです。
 経営品質は、この協力するというところにビジネスパートナー、派遣社員などの区分けがないわけです。皆で協力し合って価値創造を行っていきましょうということを力説しているわけです。

 午後の眠たい時間なので、ここで会場のみなさんに手の上げ下ろしの運動をちょっとしていただきたいと思います。
 我社は皆で仲良く協力し合って仕事をしている会社だなと思うか、思わないか。
 思うか、思わないか、だと挙げにくいと思うので、5段階評価でやってみたいと思います。5段階の「5」はもう本当にお互いに協力し合っているということです。ですから「1」はお互いに反目し合っている、お互い足を引っ張り合っているということです。「3」というのは日本人の好きなところですが、助けたり引っ張ったりと何とも言えないところです。それから「4」、どちらかと言えば結構協力している。「2」はどちらかと言えば協力していない。
 同じ会社の方はなかなか手を挙げにくいと思いますが、一切横を見ないで、セルフチェックということで思い込みで結構ですから、ちょっと検証してみたいと思います。

 我社は皆で仲良く協力し合ってという項目について、「5」だと思う方挙手をお願いします。
 ゼロ、分かりました。多分いたら、その人は勘違いしているのです。そういう意味では正しい認識をしておられるなと思います。

 ではこっちいってみましょう。「1」。これは思っていても挙げにくい世界だと思いますが、我社は「1」だという方、いらっしゃいますか? いない。一応いないだろうということを想定して両サイド聞いています。

 それでは日本人のいちばん好きな「3」、何とも言えないと。どうでしょう? あれ? 5分の1ぐらいですね。ここでほとんどくるかと思ったのですが・・・。

 どちらかと言えば協力し合っている方だという方? 多数ですね。

 どちらかと言うと反目し合っているというとあれですが、組織間の縄張りが強くて協力し合うどころか足を引っ張っていることが多い、セクショナリズムが強いという「2」の所? 結構多い、これも5分の1ぐらいですか。

 実態は分かりません。ただこう思うというだけです。
 ただ私から見ると、もしこれが真実だとすると、反目し合って今の業績ですから「2」の辺の方は明るいです。そして「4」の方は大分きついです。協力し合って今の業績だとすると、なかなか難しいなということになります。ただご心配なく。きっとそんなに協力できていませんから、あまり心配なさらなくてもいいと思います。

 どうしてこんなことを言っているのか。ものすごく大事なことなのです。みなさんの企業ではどうですか?
 例えば具体的に協力し合うための仕組みを作っておられますか?
 協力し合ったときに、ちゃんと人事の評価に反映させるようにしておられるでしょうか?

 いろいろなことが考えられます。多くの方はこう言います。部下が隣の部門の支援をしていたら、「何暇なことをやっているんだ!俺に言われたことをやれ。」これが普通です。これは日常茶飯事です。すなわち隣の人の仕事を助けることに対して、やはり評価されないとなかなか難しい。
 もっと言うと、千葉夷隅ゴルフクラブみたいにお互いに助け合う文化を持っていますか? ここが鍵になるわけです。
 協力し合うということはどういうことかというと、1と1のエネルギーが実は2ではなく、3にも4にもなっていくわけです。反目し合うと、10のエネルギーを持った人が二人いたとしてもゼロになります。
ですから協力し合うということがものすごく大事なのだということをご理解いただければ・・・。これが第一の鍵なのです。お互いに力を合わせて、協力し合ってということです。もしこれを実現されたら、必ず業績は向上していくのではないかと思います。

★第二の鍵 本音のコミュニケーション
 それから二つ目の鍵は、ここに「本音のコミュニケーション」と書きました。これが非常に大事です。

 例えば、「我社ではいつも建前ばかりの会議と、建前だけのコミュニケーションしかやっていません」というのではだめです。
 去年もお話ししたかもしれませんが、コミュニケーションを良くするというのは業績向上に直結します。販売促進会議を開いている会社はものすごく多いです。でもコミュニケーションの会議をしている所は少ないです。

 例えば、販売促進会議をしている所が業績が伸びるのかと言うと、伸びません。
 我社は十年間、毎週月曜日に販売促進会議を開いています。こういうところは結構あります。業績は? 落ち続けています。
 だったらやめたらどうですかと言うと、これがやめられないのです。いろいろ聞いていくと、社長の精神安定剤ですという会社もありますが・・・。
 私の発想は常に単純です。「結果が出ていないのならやめる」という発想です。
 私からすれば、販売促進会議を開くよりはお互いに思っていることをどんどん言い合える、そういう場を作っていくという方がはるかにいいのではないかと思います。
 特に従業員同士、上下の組織においてコミュニケーションというのはものすごく大事です。
 これはどうしてかと申しますと、従業員満足度調査というのをやったときに必ず、上下左右とのコミュニケーションが悪い人は全てにおいて不満になるのです。少々給料が安くて苦しい仕事であっても、その職場がコミュニケーションが大変に良いというときにはそこに勤めていることに関して満足度が高いのです。これはもういろいろなデータが物語っています。その従業員、社員のやる気、満足という観点を考えても、実はこのコミュニケーションというのは非常に大事であるということなのです。

 みなさんのところではどれだけ本音のコミュニケーションが行われているでしょうか?
 お互いに本当に理解し合っているでしょうか?

 ここで先ほど申し上げたように本音というのが大事です。
 本音と建前というのがありますが、これは嘘と本当と言った方がいいわけです。やはり嘘で経営はできないし、嘘の塊でお互いに満足するということはできないわけですから、どれだけ本音でやり合えているか。
 例えばトップや上司は部下に対してどれだけ真実を語りかけているか。逆に現場の人たちは現場で困っていること、お客様から言われた苦しいことをどれだけ本気になって組織の上の人に対して本音でぶつけているだろうか。この本音のコミュニケーションのレベルというのは、多分そのまま組織の運営の質を高める非常に大事なことではないかと思います。例えばあそこは業績は素晴らしい、これからも未来は明るい。ただコミュニケーションは建前ばかりだというのは危ないと思います。

 ということで、ここで2番目のチェックをしてみたいと思います。
 我社の本音のコミュニケーションのレベルはどうだろうかということで、また5段階でちょっといってみましょう。5はもうお互いみんな本音でやり合っているということです。すると1というのは嘘ばかりという感じになりますが、こういうのも時々ありますね。ありますねと言うとちょっと失礼ですが・・・。ということで、みなさんの企業はどうでしょうか? 例えば本音文化のレベルと言うか、企業として私たちは本音で言いやすいものを持っているかどうかということです。

 5の企業の方? ゼロ。一応そうですね。

 次どこか分かりますね。1です。嘘ばかりというと表現が良くありません。本音が語られていないということです。
 1の方いらっしゃいますか? いない。あれ? 半分ぐらい挙がっている・・・。 時々手を挙げてくださいと言うとこういう人がいますが、今日はできたら上の方に挙げていただくと助かります。

 やはり3だ、何とも言えないという所? 4分の1ぐらいですか。

 そうするとまたこっちかな? 4のレベルで結構本音でやっているぞという方? 5人ぐらいですね。

 どちらかと言うと2だと思う方? 多いですね。明るいです。
 多分多くの企業は2ぐらいだと思います。リーダーの方や上司の方は是非これを本音でやり合えるようにもっていっていただけるといいです。そうすると必ず成果に結びついていきます。

 本音でやるには実はいくつか条件が必要になります。
 まず上司と部下でこういうのがあります。例えば部下がちょっとまずいことをやっていて、ずっと報告しなかった。「どうしてこんなになるまで放っておいたのだ! なぜ私に言わなかったんだ!」よくあります。理由は簡単で、言うと怒られるからというのがあるわけです。でも「なんで言わなかったんだ!」と言われたときに、サラリーマンの世界で「あなたが怖いからです」とは言いません。普通「すみません」と言うわけです。何に謝っているかというと、ばれてしまったなという自己反省をしているだけで、物事の本質にはちっとも謝っていない場合が多いのです。これはどうしてそうなるかと言うと、ただ一つ、上の方のマネジメントとしての質は高くないというところが問題なのです。

 例えばこういう方がいらっしゃいました。やはり本音の対話が大事だということで、部下を集めてこう言ったそうです。「おい、本音の対話をしようよ。みんなこれから本音でやってくれ」と。そんな事、突然言われて誰が信じるかということです。
 本音でやれと言って本音で言うと思いますか? 言いません。本音でやれというのはどういう意味かなと相手は考えるわけです。その上で本当に良いのだろうか。ひょっとして踏絵ではないだろうかといろいろ考えるわけです。うっかり踏んだら爆発というのも現実にあるわけです。
 ですから本音でやれるようになるにはただ一つ、上下であれば「上の人が本音を言わせる度量を持つこと」です。ここら辺は『二十一世紀 残る経営、消える経営』に大分詳しく書かせていただきました。

 それからもう一つは「真実を聞く勇気」というのが大事です。
 やはり困ったことでどうしようもないことを言ったとき、上の方が悠然と聞いてくれれば言ってくれるようなります。そうでない場合はだめです。コミュニケーションがとれていない、かつ上の人の度量が狭い場合どうなるか。

 例えばマネージメントでこうあってほしいなと思うのは、営業現場で苦しんできた若い人が事務所に戻った。その時に課長がいる、部長がいる。その顔を見た時にどう思うかです。ホッとするのか、まだいると思うのか。「あれ? 遅いのにまだいた。じゃあもう一度お客さんの所に行こう」なんていうのではまずいわけです。
 これは私自身の経験からも申し上げられるのですが、日本IBMの営業をやっていて大変な時、ある課長に仕えていて、事務所に戻ってその人がいるとホッとしたのです。もっとも長い経験でその方一人でしたが・・・。
 その方がすごいのは、「何か困ったことがあるのか」と悠然と聞くのです。
 「そうか、よし、何とかしてやる。心配するな」と言うわけです。でも実はその方、ほとんど何もしないのです。結論から言うと十の中の一つか二つやるかやらないかなのですが、「心配するな、俺が何とかする」と言った時に、こっちは荷を下ろせるわけです。その瞬間どうなるかと言うと、人間というのはアイディアが出てくるのです。それからやる気が出てくるのです。ですから結果的に自分でやってしまう。
 その人がそう仕向けたのか、血液型がB型だったので言ったことをすぐ忘れてしまうという可能性もあるわけですが・・・。
 B型の特徴というのは非常に面白いです。昨日言ったことと今日言ったこと、悠然と右左逆に言えるという一つの才能があります。最初はとまどったのですが、「あれは昨日の話だ。今日は今日だろうが。お前は変化に対応していない」という話になるわけです。なるほどな、そういう考え方もあるのかなと、最初は私のようなA型には全く理解できない世界でした。ところがそういう考え方もあるなと。その人はその時は多分本気になって、「俺が何とかする」というのは嘘ではないと思います。

 この時大事なのは、「よし、何とかしてやる」と言うと、きっとこいつはホッとして自分でやると、こういうかけひきがあってはだめだと思います。「心底言う」というのが大事です。そして心底というのが本気のコミュニケーションではないですかということです。

 現実にはそれで私自身すごく勉強になったと言うか、なるほどと思ったのです。ですからみなさん自身も事務所の外に出る、内にいるとは関係なく、いろいろ仕事をしていて自分の席に戻って上司がいた時にホッとするのかどうか。そして上司の方はホッとされるようになることです。

 ここで手を挙げろと言っても挙げにくいと思います。難しいかもしれませんが、どうでしょう。私はいろいろな仕事をして自分の席を離れて戻ってきたときに、例えば困ったことに遭遇したときに、上司の顔を見るとホッとするという方、どれぐらいいらっしゃいますか? これまた5段階でいきますか? 一人いらっしゃいます。どちらかと言うとホッとしないという方? いらっしゃいますね。手を挙げにくいということですね。分かりました。是非ホッとされるような人間になっていただきたいなと思います。

★対話の場作りを
 そしてコミュニケーションが大事だということはどういうことかと言うと、これは「対話」なのです。よろしいでしょうか。徹底的に対話することです。
 組織の上の方というのは、一方的に話すのを対話だと勘違いしている方がいらっしゃいますが、これは間違いです。双方向で話す。伊藤忠商事の丹羽社長が、徹底した直接対話、これ以外に本当にコミュニケーションをとる方法はないとおっしゃっています。これは多くの優れたマネージメントが共通しておっしゃっていることです。

 ですから私から具体的に提言をさせていただくとすれば、「対話をする場作り」というのをいろいろしていただくといいのではないか。対話の場を作っている間は一見価値を生まないように見えるので、非常に無意味なように見えます。ところがお互いに分かり合って力を合わせることができたとしたら、これははるかにプラスになります。
 本当にコミュニケーションをとることが大事だということが、どうも私から見るとご理解していただけていない。しかし立派なマネジメントというのはコミュニケーションに時間を割いています。やはり素晴らしいリーダー、管理者というのは、良きコミュニケーターなのです。意思疎通を図るのがうまいということです。ですから是非どんどんお互いに話し合うことが大事です。

 これをもうちょっと深めていくといろいろな話が出てきますが、本当に話し合える能力が大事です。
 もう一つ言えば、上の方はこれがこれからさらに大事だろうなと思います。これから話す能力というよりは「質問する能力」や「聴く能力」を磨いていただくといいと思います。「質問力」と「聴く力」、これを強めていただくと多分コミュニケーションというのは良くなります。

 多くの企業、いろいろな所へお邪魔して、従業員の思っておられる基本の思いの一つは全部共通でした。
 何だと思いますか?
 全部「理解してほしい」です。これは業種は一切関係ありません。やはり人の本質なのです。人というのは皆理解されたいと思っています。そしてなかなか上の人が理解してくれていません。だったらどうしたら良いのかということです。
 すなわち部下を理解する、相手を理解する。理解されたいと思っているので、理解されると人というのはそれだけでものすごくやる気が出ます。

 この間、ある会社でお話を聞いていてなるほどなと思ったのは、「私のボスは自分がどんなに苦しんでいるか分かっていないので、いろいろ指示が来てそれは正しいと思いますが、やる気はしません。ですからやったことにします。」はっきりとおっしゃっていました。かたや同じ職場でもっと厳しい仕事を与えられているのですが、「休めと言われても、休みに出て行ってでも私はやります。なぜならただ一つ、上司は私のことを理解してくれています。」
 これはすごく大事です。コミュニケーションというのは、ある意味で「相手を理解すること」なのです。
 だから理解するためには理解されたいと思っているので、そのためにはこれなのです。質問して聴く。一方的にしゃべっていて相手を理解するというのは不可能です。

 この間、一つ発見しました。口から情報は入らないということです。しゃべっている間は情報が入りません。情報が入るのは目と耳からです。だからしゃべっている間は少なくとも情報は入らない。相手の情報が入らないということは、相手に対する理解が深まらないということになります。

 ですから、コミュニケーションというのはこういうふうにお考えいただけたらいいと思います。

 お互いに聴き合う。

 「きく」というときにこの字(聴)を書きます。この字をよく見ると非常によくできています。耳があるでしょう。それから十分にということが書いてあります。そして真中が目なのです。縦にすると目、でも目というのは本来こうだから・・・。そして心でしょう。目と耳と心で十分に聴くということなのです。すなわちそこまで真剣に相手のことを聴くことができたら、これはやはり相手を理解することにつながっています。
 そして皆がお互いに本音で自由に発言し合える文化が創れたらいいです。

 どうでしょうか。
 そのためにはいくつか課題があるのですが、やはり組織の上に立つ人が、つまらないアイディアやつまらない発言だなと思っても、決して馬鹿にしないことです。「なるほど」「それで」という質問をぶつけていくというか投げかけるというのが大事です。

 松下幸之助さんというのはこの質問を投げかけるのが大変得意だったようです。「これはどうしてそうなるのかね?」「君はどうしてそう考えるのかね?」そして最後納得できないと「うーん、なぜかね?」とやるわけです。
 愚かなマネージメントというのはすぐに部下に対して指示を出します。こうしろ、ああしろ、なぜできなかったのだと。なぜできなかったかという理由を聞く時間も与えずに、またああしろ、こうしろと言います。相手にとっては相手の考えているということがあるわけですから、これはやはり部下を育てていないことになります。

 業績向上の策というのは一つはコミュニケーションです。ですから部下を集めて双方向で話し合うということを是非実現されたらいいと思います。

 ただ多くの組織で見ていると、「大久保さん、対話と言うけれどうちの部下はしゃべれと言ってもしゃべらないんだよ」と言う方もいらっしゃいます。それはなぜかと言うと、長年しゃべらせないように努力してきたのでそうなってしまっているわけです。だから努力の成果が実っているということです。成果が実るということはプロセスが正しかった、マイナスの成果を生むために正しいプロセスがあったということです。だからプラスの成果を生むためにはここをプラスに変えなければいけないということです。
 そのためには今申し上げたように、やはり上の人がちゃんと聴いていくということがすごく大事だと思います。マネジメント、上司としての「質問する力」、「聴く力」というのが大事な要求される能力だということをここでご理解いただきたい。そしてこれを真剣にやっていくことで本当のコミュニケーションができるようになりますということです。

 前にもお話ししたかと思いますが、私自身いろいろな役員会にお邪魔させていただきますが、大したことはやっていません。この間もある役員会で、「どうしたら売上げが上がるかなんて会議はもうやめましょう。今日は私がお邪魔させていただいているので、どうやったら社員の方のやる気が出るのか、みんなで協力し合って考えましょう」ということをよくやらせていただいています。そうすると大体部下を誉めようとか、部下の話を聴こうということになります。

 そのときに経営品質が分かっていると面白い。「じゃあ、みんなで話を聴くように努力しよう」とか「皆で部下を誉めるように努力しよう」と言うわけです。私は「努力しよう」はやめてくださいといつも言っています。

 なぜかと言うと測れないからです。

 さっき申し上げた測定するという癖がついているので、誉めるというのなら何回誉めるというのを設定してくださいと。
 これを実際にやるとどうなるか。大体15人、20人の役員のいる所で、2~3ヵ月後にどこまで誉めることができましたか、どこまで部下の話を聴くことができましたかと聞くと、できるのは1人~2人ぐらいです。
 前にもお話ししたかもしれませんが、「聴くというのがいかに大事かというのがよく分かったので、今日はみんなの話を聴きに来た」というわけです。そして「いいか、聴くということの大切さはな・・・」とずっとしゃべってしまうらしいのです。「あれ? 時間だな。何かあるか?」と言って一つ意見が出る。「今日は良いコミュニケーションがとれた」とどうして言えるのかなと思います。このように勘違いされている方はものすごく多いです。

★人は自分が見えない
 話がだんだんそれますが、勘違いと言えば、さっき人が見えない、自分が見えないという話をしました。どのぐらい見えないかご存知ですか? 
 例えば、これもある役員会ですが、ある役員が「私は怒らない」と素晴らしい決意をしてくれました。決意に無理があったとも言えるのですが、怒らないことを部下に宣言したのです。そしてその役員の方と部下の方と私の3人で食事に行きました。「○○さん、この間役員会でどういう決意をされたのでした?」「私は怒らないと決めました。部下を集めて宣言しました。なあ、俺は最近怒っていないだろう?」と言うと部下が「そうですか?」と言ったのです。そうするとその人が「怒っていないだろうが!!」と大声で責めるのです。それで私が「すみません、今怒ったように見えたのですが・・・」と。

 自分が見えないのです。本当に見えないです。私がいなかったら部下は何と言うか知っています。「はい、怒っていません」と震えながら言います。そして私が報告だけを聞いたらどうなりますか?「部下に怒っていないかどうか聞いたら、部下は怒っていないといいました。」これが正しい検証の仕方でしょうかということです。

 検証の仕方と言えば、「聴く」という話もいっぱいあります。
 ある経営者の集まりで、やはり部下の話を聴いていなかったということで、どんどん聴こうという事になりました。そして「最近あなたの話を聴いていなかった。今日はゆっくり会社に対してとか私に対してあなたの思いを語ってほしい」と昼間2時間、話を聴いたというのです。
 そのトップが偉いのは私が「本当に聴けたかどうか、後で検証しなければいけませんよ」と言ったので検証されたのです。どうやって検証したか。その後飲みに行ったのです。酒を飲んだところで、「昼間2時間話を聴いたけれど、まだ言い足りないことがあるだろう。何でもいいから本音で言ってくれ」と言ったら、酔ったところで相手が言った言葉がすごいです。「昼間話を聴いてほしかった」と言ったのです。全然聴けていないのです。

 そしてその方は何と言ったか。「大久保さんが言っていることを僕は最初馬鹿にして聴いていました。全く正しいということを体感させてもらいました」すなわち己が見えていない。そんなものです。
 例えばご自身で自分の声の録音を聴かれたらどうですか? 「私の声はこんな声ではない。」「どんな声ですか?」「もっと良い」と言います。しかし横で聴いている人は「いや、そのままだよ」と言います。
 ビデオはもっとひどいです。あれは姿が映ります。表の姿、正面の姿というのは鏡で見られるでしょう。後ろ姿というのはみんな見ていないでしょう。私なんかこうやっていつも白板に書くでしょう。今日もビデオを撮っていますが、最初に自分で見たときは衝撃でした。自分の姿がこれか。武田鉄也と変わらない足の長さか。「テレビというのはやはり上下詰まって見えるのだね」と言ったら、「そのままだよ」と言われました。
 その時にピンとひらめいたのは、人は全て他人が評価する実態以上にはるかに自分を高く評価しているということです。これは間違いのないことです。そして実は企業も同じです。自分が正しいと思ってやっていること自身が、実はお客様から見たらまるでダメというのがいっぱいあります。見えていないのです。

★学びと気付きの力
 学びの場をいろいろな所でさせていただいています。素晴らしい方がいらっしゃいました。「あなたは部下に何を望みますか?」と聞いたら、「最近の若い奴は燃えないので、燃えるようにしてほしい。彼らに燃えるような情熱が欲しい」と言ったのです。私は「あなたが水をかけているということはないのでしょうか?」と言ったら、「そんなことはありません。私は部下が燃えるように努力していますが、なかなか部下が燃えません」と言うわけです。

 休み時間になって、事務局の方が「大久保さん、あの人ひとりで部下に水をかけているのです」と言うのです。すなわち燃えるような情熱が欲しいと言っている人が何をやっているかと言うと、燃える人に水をかけているのです。そしてなぜ燃えないのかと言っているのです。本人が水をかけているのですから燃えるわけがありません。だから燃えるようにするにはただ一つ、「あなたがいなければ燃えます」ということです。

 「燃えろよ、燃えろよ」というのはキャンプファイヤーの歌ですが、なぜ燃えろと言いながら水をかけることができるか分かりますか? 水をかけているという認識がないからです。そしてこれがほとんどだということです。これはマネジメント自身もそうだし、企業の運営自身もそのような形になっていることが実は多いのですということです。
 どうしたら良いかと言うと、これはやはり鏡に映して自らの姿を見てみなければいけないということになります。
 自分が見えていないという話をすると、「世の中にはそういう愚かな人もいますか」と言う人がいます。100パーセント保証します。この人は見えていない人です。
 分かる人は分かるのです。当たり前ですが・・・。分からない人は分からないということに最近気がつきました。

 私は自分からの気付きの力というのをいちばん重要視していますが、質問したりするということも本人に対して気付かせる最良の策なのです。いろいろなセミナーをやっていて私は何をやっているかと言うと、「私は教える能力なんかありませんから、ただ質問します。だからみなさん気付いてください」ということを申し上げます。
 なぜしないかと言うと、教えるからダメなのです。
 人というのは気付いたことしかやらない。思ったことしかやらない。基本的に人は人から言われたことはあまりやらないと考えた方がいいです。

 そうするとマネジメントはどうしたら良いかと言うと、「気付くようにもっていく」「気付かせる」ということがものすごく大事なのではないか。気付きがいちばん大事ではないかと思っています。

 そのときにこう言う方がいらっしゃいます。
 「どうしてミスをしたんだ? なぜ気付かなかったんだ?」 分かるぐらいだったらやらないわけです。
 「なぜ気付かないんだ? なぜできないんだ?」 非常に愚かな言葉です。
 そうでない言葉を投げかける、すなわち質問力というのが大事ではないかと思います。

 この気付きの力があるのとないというのはすごく感じます。

 例えばある時、二晩連続である会社の社長さんの話をうかがったことがありました。前日聴いたお話が大変参考になったので、翌日別の方にお話しさせていただきました。それはその人に向けてしゃべったのではなく、私がこんな話があったのですよと単にご紹介をさせていただいただけなのですが、何と仰ったかと言うと、「なるほど。私もそういう至らないところがあると思います」と言われるわけです。気付きの能力です。なるほど、気付きの能力のある方にはそういうふうにとられるのだなと。

 今度、気付きのない方に出会いました。これまた私にとっては勉強になりました。皆でいろいろディスカッションした結果、あの人はこういうまずいところがあるから、「大久保さん、ここはひとつあなたが代表でアドバイスをしてあげてほしい」と言うのです。「分かりました。私がやってみましょう。」
 「○○さん、あなたはこういう点がまずいと思うのですが、改められたらどうでしょうか?」「そうですね、そういうまずい人間が世の中にはいますよね」と言うのです。「いや、あなたのことなのですが・・・。」分からないのです。分かります? その方は全然自分が分かっていないのです。
 いろいろな会社に行って経営者層にお話をさせていただくことが多いのですが、「お宅の経営者層はなっていませんね」というお話をさせていただき、後で怒られたためしがありません。個々人の経営者、役員の方とお会いするでしょう。すると「大久保さん、あんた良いことを言ってくれた。うちの経営者は本当にだめだろう」と言うわけです。「いや、あなたが・・・」とここら辺まで出そうになりますが、気付かないのです。全部自分以外を指指してしまう。そして「だめだよな」と。この指を自分の方に曲げてほしいなと思います。気付かないのです。こういう人たちにいろいろな所で出会いました。
こういう講演もそうですし、本を読んだとき、セミナーをやったとき、いろいろな方に感想をいただきます。例えば最近のセミナーだと、さっきご紹介された『二十一世紀 残る経営、消える経営』の本を事前に読んでおいていただいて感想を求めます。というのはこれで講演10時間分ぐらいあるものですから、その後やる方が効率が良いというかたくさんメッセージできるのでいつも読んでいただくのです。感想をと言ったときに、いろいろな感想があるということが分かりました。
大方、9割5分近くは、こういう観点で気付きをいただいた、目が覚めたというのが多いのですが、この間こういう感想がありました。何ページのどこそこの字が間違っていました。これを感想と言うのだろうかということです。これは指摘です。そしてその他は何も書いていないで白紙。この方は学ぶ力というのはどうなのかなということです。その人は多分それが正しいと思っています。これがやはり学びの力、気付きの力です。

もう一つ別の観点で分かったことは、ちょっと抽象的に申し上げると、「人は必要なことは必要な人ほど聴かない」ということなのです。これはどういうことかと言うと、ある企業でマナーが良くないということで、マナーをもっと改善しましょうということを役員会で話をするという場がありました。役員がたくさんいらっしゃる中で、「そうだ。確かに我社は社員のマナーが良くない。それは私たちが悪いのだ。もっと私たち自身がマナーを良くしなければいけない」とおっしゃった方がいらっしゃったのですが、その方はマナーの良い方なのです。すると、何を幼稚園みたいなことをと横を向かれた方がいらっしゃいました。その方ができていない方なのです。
そういうのに何回か遭遇したとき、なるほどなと。人は必要な人ほど必要なことを聴かないのだ。そして必要だと思える人は実はある程度認識し、実行できている人だということなのです。
ここから次のことが分かったのです。人は話を聴いたり本を読んだりして何に気付いているか。たった一つです。内なるものに気付いているだけなのです。すなわち内にないものは気付きようがないということです。すなわち本を読みながら、人と話をしながら、実は人は外部を通して内部を見ているのです。だから誤字脱字しか見えない人はそれしか持っていないからそれしか見えないわけです。こういうことを最近私自身が気付かせていただいたという感じがします。
この気付きの能力をどう高めていくか。これは別の観点でテーマとしてはいろいろあろうかと思いますが、ともかく気付くことが大事なのだということです。そしてこの気付きの能力で人の能力を引き出すということが大事なのだということです。
だから教えない方がいいのです。マネージメントの方も今日いらっしゃっていると思います。中には経営者の方もいらっしゃると思いますが、教えないで考えさせる。これを一つの基軸にさせると、人は能力を伸ばすことができるのではないかと思います。

★第三の鍵 お客様視点、お客様の立場
そして三つ目の鍵は何かと言うと、これはもう一番の基本です。すなわちお客様の視点、お客様の立場でやっていきましょうということです。
この間も、リッツ・カールトンホテルで『会社はなぜ変わらないか』というベストセラーを書かれて大変著名な柴田昌治さんと一緒に、あるディーラーの社長さんばかり50人近く集めてのセミナーというのを一緒にやってほしいということでさせていただきました。大変参考になりました。一泊二日、リッツ・カールトンでやったのです。ところが柴田さん、来られるときに途中でひっくり返ってしまい、カバンの取っ手が取れてしまったのです。ねじが壊れて、それをリッツ・カールトンに修理に出したのだそうです。直るということを全く期待しないで出したのですが、一時間後に見事に直って出てきました。やはりそういう修理をする人がいらっしゃるのだそうです。ただ「全く同じネジはありませんでしたので、ちょっとネジの頭の格好は違いますが」と言うけれど、ほとんど分からないほどでした。
大変印象的だったのが、柴田さんがその方に対して「大変ありがとうございました」と言った時、こういうふうに柴田さんが言ったのです。「あなたは良いホテルにお勤めで幸せですね。」「はい、誇りを持っています。」一年生社員がです。昨年学校を卒業したばかりだそうです。「どういうことで誇りに思えるのですか?」、「わが社は本当に素晴らしいのです。」「そうですか。何か具体的に何かありましたか?」と聞いたら、セミナーを始める前だったので、その一年生社員の方が「まだお時間よろしいでしょうか」と言われたのです。「まだ時間がありますので是非。」「だったらお話をさせていただきます」と言って具体的なお話をして下さいました。
 「このように私たちの意見を聴いてくれます。偉い方たちも全くフラットな感じで対等にコミュニケーションをとってくれます。この会社は私たちを大切にしてくれるのです。」一年生社員がとうとうとしゃべりました。説得力がありました。さすがだなという感じがしました。
 この間もリッツ・カールトンに泊まられた外国人の方が、その後どこかの国に行かれる予定だったそうですが、外で倒れて入院され、なぜかリッツ・カールトンに電話してこられたのです。病院がしたのか本人がしたのか分かりませんが、幸か不幸かそれをコンシェルジュではなく、人事の給与担当が電話を受けてしまったそうです。その人はどうしたかと言うと、自分で病院まで出て行って通訳をやって病院に喜んでいただき、お客様に喜んでいただいたそうです。人事の給与担当が出て行ってしまうというのは面白いでしょう。
さて、これをいちばん冒頭に申し上げたことにさかのぼって検証してみたい。すなわちお客様の信頼、安心、ご満足という資産をものすごく増やしたことになりませんかということです。
それを即、迷うことなくできる。これが一つの風土として確立されているわけです。すごいなと思いました。先ほどの、人事の方が協力して宴会場に手伝いに行くというのもそうです。

この間、これと対照的なことに出会いました。ある県にお邪魔した時になるほどなと思ったのは、動物が民家や作物に害を与えるということがあります。熊の担当は県なのだそうです。カラスはと言うと市町村で違うというのです。熊が民家に来た、頭にカラスが止まっている場合はどうなるのでしょうかという話をしたら、「うーん、なかなか難しいですね。」実は笑い事ではなく、そういう県と市町村にまたがっている課題がいっぱいあるのだそうです。
そうするとみなさんはこう言うのではないでしょうか。例えば住民の方から市町村に電話があった。「熊ですか? 熊は県です。」県に電話があった。「何? 頭の上にカラス? カラスは市町村です。まずカラスを追い払ってください」とやるのではないですか。
もう一つ聞きました。「県境というのがありますが、熊がその境目をウロウロしたらどうするのですか?」するとみなさんはこう言うのでしょう。「待て、まずデータを集めろ。どっちが多かったのか。その上でみんなで協議して分析して決定しようじゃないか。」これは半分嫌味で言っているのですが・・・。よしんば県の境界線上でひっくり返ったらどうするのか。顔の向きで決めるのか・・・。
笑い事ではないというのです。現に鹿で同じ問題があるだそうです。鹿がウロウロしているのだそうです。どうするのですかと聞いたら、「究極は追い払うことです」なんて言っていました。
ここで共通しているのは何か。県民の視点に立ったら県がやろうが市町村がやろうがどうでもいいわけです。すなわち住民の軸があるかないかということです。すなわちお客様の視点があるかないか。どれだけこれを軸にして考えることができるかどうかというのがやはり鍵なわけです。

今、世の中の動きを見ていると、私自身、官公庁に呼ばれることがものすごく多いです。県で言えば三重県や岩手県は随分お邪魔させていただいています。それ以外に岐阜とか滋賀県とか広島県、長崎県、それから栃木、神戸市などいろいろな所からお呼びいただいています。
こういう市、県の共通している特徴は何かと言うと、相手の視点で自分たちの仕事の質を高めていこうという発想、すなわち経営品質の発想そのものをどんどん導入してきているということです。これは完全に今の世の中の動きと言うことができると思います。
お客様の視点で、お客様の立場に立ってということは別の観点で申し上げると、業務改善や業務改革などいろいろあろうかと思いますが、お客様の視点から見て本当に価値あることをやっているのだろうか、例えば本社スタッフの仕事は本当に価値を生んでいるのだろうか、今やっている会議は、作っている資料は、手続き、仕組みというのは本当に価値を生んでいるのだろうかという観点で見ていくことだと思います。
そうすると、実は大きな企業になればなるほど、どちらかと言うとあまりやらない方がいいことを結構やっているということが実態であるのです。会議をたくさんやればお客様が喜ばれるのならそれをされたらいいと思うのですが、いくら会議をしても資料を作っても多分お客様は喜ばれないだろうということです。

そしてお客様の立場、お客様の視点ということを本当に「徹底する」ということです。これがものすごく大事ではないかということです。
これの徹底状況がどうかということで、この間タクシーに乗った時に非常に面白いのがあって思わずメモをとりました。非常に参考になるなと思ってメモをとったのです。自己啓発研修修了証というのがあり、顔写真が貼ってあります。そしてここにずっと書いてあります。「私たち○○グループはお客様ご満足を目標として、乗務員研修を実施しております。」こんな会社があるのです。この内容が素晴らしいので思わずメモをとったのです。
そして乗った時、「すみません。どこそこへお願いします。」「あ?」ということだったのです。降りる時もどうもと言ったら「おう。」無愛想な対応。そしてその人に修了書が出ているのです。これはすごく参考になると思いませんか? 
これは何のためにやっているのか最後の検証が抜けている。そのプロセスがない。もうすぐプロセスがないという発想になってしまうわけですが・・・。多分研修をやった人は研修をやったということで満足しているのです。やった結果、最後どうだったかということが「あ?」ということになっているわけです。すなわち何の成果にもつながっていない。
実はこれがお客様の視点に立って、お客様の立場に立ってやっていることを見るということです。そこで見ないとだめなわけです。そこで見ると、本当に効果的に行われているのかどうかということが分かるわけです。

CS(顧客満足)という視点では、この間素晴らしいお店に出会いました。それはあるイタリアンレストランです。ある会社のトップの方に連れて行かれたのでよく分からないのですが、結構高級なのでしょう。大きな部屋があり、その中に一つだけ個室があり、スイッチで自由に開けたり閉めたりできるドアがありました。この中で五人ぐらいで食事をしていたのです。
パンが美味しいのです。あまりに美味しいので、おかわりしてしまいました。そうしたらまたバスケットにいっぱいパンが来たわけです。最後の方でおかわりしたので、そのままほとんど残ってしまった。さて、どうするか。これは問題でも何でもありませんが、これはただ一つ、持って帰る以外にないなと意思決定しました。そして来られたウェイトレスの方に「すみません、このパン、持って帰ってよろしいでしょうか?」とお話しをしました。
飲食をやっている世界では当然ですが、絶対に持って帰られたら困るわけです。よしんば食中毒を起こされたら大変なことになる。でもパンです。どうするかということです。
この方に素晴らしい応対をしていただきました。何と言ったと思いますか?「内緒ですよ」と小声で言うのです。「ナプキンを何枚用意したらよろしいですか?」「4枚お願いします」と言ったら4枚持ってこられたのです。4枚置いて、「よろしいですか、内緒ですよ」とシーッと人差し指を唇に押し当てながらスイッチを押してドアを閉めていったのです。ドアが開いていると他のウェイトレスの方に見えるではないですか。多分見えてもインパクトはないのだと思うのですが、シーッと言ってパッと閉めていった。最高の満足でした。終わりがけですから、食事の美味しさよりも何よりもその「シーッ」が最高の満足を提供しました。
これがマニュアル化でできるかということです。もしお客さんに最後にパンが欲しいと言われた時に、最初にシーッと言って必要なナプキンの枚数を聞き、最後はちゃんとドアを閉めてくるように。これは無理でしょう。すなわち価値観の共有化ができているということです、お客様に喜んでいただこうという思いがある。
機を同じくしてうかがったら、これと対照的なケースがありました。今は変わりました。。そこの名誉のために、そういう話があったということです。6時からの宴会だったのですが、5時半にセミナーが終ってしまった。宴会場に行った。「6時からとうかがっております」と大変丁寧な応対です。「分かった。料理が出なくてもいい。とりあえずビールだけでも出してもらえないか。」「6時からとうかがっております。」「あ、そう、分かった。みんなフリーだから、自分たちでビールを運ぶから・・・。」「困ります、6時からとうかがっております。」挙句の果てに彼らはどうしたかと言うと、自動販売機で缶ビールを買ったというのです。そして宴会場で缶ビールを飲んでいたということです。どうしてこうなってしまうか。対照的です。
多分「6時からです」と言われた方は、上の人からこれは6時だぞと言われ、それが全てだったのでしょう。そしてお客様の視点というのはなかったのでしょう。もちろんそこの名誉のために言いますと、これはもう今は変わっています。しかしそういう応対があったということです。
そしてトップの方の話がもっとすごかったです。「はい、私はお客様のご満足、CSということを言い続けています。え? そんなことが合ったのですか・・・。」言い続けた結果がこれです。
さっき申し上げたでしょう。私は正しいことを言っている、正しいことを指示している、それではだめなのです。どう理解され、どう実行されたかが大事なのです。そして実行されたかどうかというのはやはり最後のところで検証していかなければ分かりませんということです。

ですから下から2番目、学びと気付きの力を高めていくことによって、最終的に本当に成果につながったのか、狙いどおりの効果を生んだのかという観点で物事を見ていくと、いろいろなことが見えてきます。そんなに難しい話ではないし、特別な知識が要るわけでもありません。すなわち最後の視点、最後の視点というのはお客様に価値や満足を届けるわけですから、その観点から物事を見ていく。
マネージメントであれば、部下に対していろいろな指示を出しています。いろいろなアドバイスをします。それは一つの価値提供です。その価値が認識されたのかどうか、自分で評価しないで相手から見ていく。全部相手から見て、自らを変えていくということをやっていけば、自分の質を高めることができるし、組織の質を高めることができるし、最終的に目指すところの成果というものを生み出すこともできるのではないかと思います。

では今から何分か休憩し、この後質疑応答ということでよろしいでしょうか。とりあえず私の話は終らせていただきます。どうもありがとうございました。

★質疑応答
それでは質疑応答ということです。これは私の大好きな時間です。と言うのはご質問いただくと私が何か気付けるのです。しゃべっている間は私自身何の勉強にもなりませんので、そういう意味ではみなさんからご質問いただけるというのは大変幸せです。

最初の質問はこういうご質問です。「全てのお客様に満足をいただくのは大変だと思います。」そうです、大変です。ほとんど不可能に近いかもしれません。「例えば100人のお客様がいれば、どのくらいの率で満足いただければよいでしょうか?」
これは分かりません。なかなか難しいと思います。ただ大事なのは全てのお客様と考えない方がいいということは確かなのです。大事なことはお客様を区分するということで、お客様をグループ分けし、そこのこういうお客様にご満足いただこうと。
例えば先ほどお話ししたリッツ・カールトンであれば、素泊まりで2万7千円から3万円ぐらいするわけです。そこではお客様というのはそういう対価を払っても来ていただける層と決めているわけです。1万円以下でなければ嫌だという方はどうぞご自由に。こういうふうなわけです。
だからまず最初に大事なことは、お客様を区分してその区分ごとにどこのレベルぐらいまではサービスしよう、ご満足していただこうということを考えるということが大変大事ではないかなと思います。
理想は全てにということですが、これを全てにと考えるとなかなか現実には難しいケースもあるだろうと思います。そういう意味では経営品質では、お客様は企業を選択しますが、企業もお客様を選択すべきだと考えています。そして選択したお客様に対してはやはり全てにご満足を提供できるようにお考えいただく方がいいのではないかと考えます。
業種特性もあるでしょうし、おかれた企業の状況もあるでしょうし、競合状態もあるでしょうし、その業種における世の中の動きもあるでしょうし、いろいろな要因があると思います。ですから一概に100人の内何人がとは申し上げられないと思います。ただ100人の内何人というよりも、基本的にはその来られるお客様に対してはご満足を提供しようという思いで接していただくということがいちばん大事ではないかと思っています。

それから2番目です。「目標や価値観の共有化には情報の共有化や公開が不可欠かと思います。」全くそのとおりだと思います。「上司が積極的に情報を公開しない場合、何を行えば改善されますか?」
なかなか切実な思いの感じがします。上司が積極的に公開しない場合はどうするか。これはどうしましょうか。まずは公開するように頼んでみる。どうしても公開しない場合、いちばん良いのはそういう方に代わっていただくというのも良い方法かと思います。いくつかあろうかと思います。
しかしこれはその上司本人の特徴などいろいろなものを見てみないと分かりません。情報公開を全然意味がないと思っているのか、それともしたくないと思っているのか。したくないと思っている人に必要性を説いてもしません。情報を公開しない人というのは、私から言わせればこういう方は今時のマネージメントであってはいけないと思います。
ちょっとみなさんにチェックしてもらいましょう。手を挙げてもらえますか? うちのボスはどちらかと言うと情報を公開してくれないという方? でもその人が1人だとまずいですね。1人だとこの質問をした人になってしまうかもしれません。どちらかと言うとうちのボスは公開してくれないという方、ちょっと挙手をお願いします。どちらかと言うとどんどん公開してくれるという方? それでは公開してくれる人の方が多いわけですね。
公開しない場合、どうしたらいいか。繰り返しになりますが、まずは情報を出してくださいと頼んでみてはどうですか? 頼んでもだめなら、上司の上司に「私たちの上司が情報を公開してくれないので何とかしていただけませんか」と頼んでみる。それでもだめならその上まで言ってみるとかいうような努力をされたらどうかなと思います。
それから情報を公開してもらう、知らせてくれるということがどれだけ価値のあることかということを話し掛けてみる、腹を割って話し合うということも大事ではないかと思います。
たださっきも申し上げたように、この方が情報をクローズして小出しにするのが自分の存在価値だと思っている場合はどうやっても不可能です。こういう場合は上の方に言って代えていただくのが最良の策です。それ以外にはなかなか方法がないのではないかと思います。

それからちょっと前の質問に戻りますが、「目標や価値観の共有化には情報の共有化や公開が不可欠かと思います。」全くそのとおりです。
今、情報共有ということで会社のいろいろな情報、やっていることをコンピュータ、ITを使ってグループウェアでどんどん出し、これで情報共有をしているという会社がすごく多いと思います。しかしこれが意外とできていません。と言うのはグループウェアでどんどん登録している所というのは、あまりにありすぎてどれをどう見ていいか分からないということで、結局は共有化できているようで意外と共有化できていないということです。
価値観の共有化でいちばん大事なのは、さっき申し上げたように直接対話です。そして直接対話の中でいちばん大事なのは情報を提供することではないのです。思いと熱を伝えることなのです。これが大事です。
ご承知のとおり、会議というのは会して議すると書きます。例えば日本の会議というのはほとんど情報伝達会というのが多いわけです。あれだったら紙をそのまま渡した方がいい。もしくはEメールで出した方がいいのです。やはり対面で、フェイストゥーフェイスで会議をやるときのいちばん大事なことというのは、私の勝手な思いですが、深い思いとか熱、パッションを伝える。これが大事だと思います。これは文字情報だけでは伝わりにくいわけです。
そして価値観の共有化というのはある意味では熱の共有化でもあると思うのです。思いの共有化と言うのでしょうか、これが基本です。思いに力を入れるというか促進力というのは熱、エネルギーなのです。そういう意味では価値観を共有化するというときに情報共有だけでうまくいくということではなく、やはり先ほど申し上げた、上の人がこれがいかに大事かということを本当に熱を持って語っていくということが大事だと思います。
価値観と言ったときにいちばん基本は何かと言うと、企業なら基本理念、経営理念になります。今いろいろな企業でいろいろな不祥事が出ていますが、あれはご承知のとおり高邁なる企業理念を全部失った姿でしかないわけです。
やはりこれからは企業というのは大事な経営理念をどこまで愚直に実現していくか、そこに力を注ぐかということが大事なポイントだと思います。
これもさっきのリッツ・カールトンの話になりますが、リッツ・カールトンというのは経営理念を徹底すること、行動指針を徹底することに対してものすごく時間を割いています。多くの企業では企業理念を徹底することに時間を割いているかというと、ほとんど割いていません。入社式に、こういう経営理念がありますと配るだけというのがあります。ですから「おたくの経営理念は?」と聞いたときに「何かありましたか?」なんていうのが結構多いわけです。これではだめです。
価値観の共有化のもっと基本というのは経営理念の共有化です。ですからそれをやっていくためにはそれを共有化するための時間を割く、場を作るということの必要性をご理解していただくと良いと思います。
それからもう一つ、これは是非頭においておかれると良いと思います。それは、共有化して本当に腹に落としていくためには一方的に話し掛けないということです。すなわち私たちは経営理念をこういうふうに掲げている。例えば行動指針はこういうものがありますといったときに、これを唱和するのではなく、別に唱和が悪いということではありませんが、例えば一つの項目があったら、あなたはそれについてどう思いますか、この観点であなたは何をしてきましたか、これから先あなたはこれについて何をしようと思いますかと考えさせることなのです。通常は一方的に話すでしょう。これは腹に落ちないのです。人というのは自ら考えて発言したことがいちばん記憶に残るわけです。
そういう意味では、本当に思いや価値観を共有化するためにはその価値観に対してその人に考えてもらい、かつ発言してもらうという場を作っていくことがすごく大事だと思います。
具体的に申し上げれば今申し上げたように、例えば我社の経営理念はこれです。こういう観点で今週一週間あなたはどういうことをしようと思いますか? さかのぼって反省するのであれば、この経営理念に照らし合わせたときに、先週のあなたの行動というのは正しかったでしょうか。こうやっていくということだろうと思います。よろしいでしょうか。

それから次の質問、これはまたなかなか難しいですね。「気付くというのはどうやったら気付くのでしょうか?」これは難しいです。気付けと言って気付くわけではありません。「気付きの効果的なトレーニングの方法はあるのでしょうか?」分かりません。あったら是非教えていただきたいと思います。
ただし、基本的には気付く前は何度も何度も質問することです。これはある一風変わった、コンサルタントというのでしょうか、そういう方とのセミナーに出た時に学ばせてもらいました。あるテーマで社長さんを20人ぐらい集めて質問を投げかけた時、ある質問に対してある方が答えたのが、こういうふうに思ってはいけないのですが、なんでそんな答しか出せないのかと思ってしまうぐらい貧弱な回答だったのです。そうしたらその場をリードされていた方が、「なるほど、どうしてそう思うのですか? なぜですか?」とどんどん角度を変えて質問し、相手から意見を引き出していくのです。何回かやりとりしている間に、なるほど、そうだよなと思えるものが出てきました。その時に、「あなたのおっしゃりたかったのはこれだったのですね」というのを拝見したのです。これはすごく勉強になりました。多分質問している人は最初からこれをイメージしていたはずなのです。でも言わないのです。
ですから気付きのトレーニングの一つは、例えばこれに気付いてほしいなというときに、こちら側が気付いていることを教えないことです。そしてなぜそうなるのか、基本的には考えさせること、質問するという以外にないでしょう。
さっき申し上げたように、「なぜ気付かないんだ? 気付け!」という質問はだめです。気付けと言われて気付く人はいません。これはもうやる気を出せと言っても誰もやる気が出ないのと同じです。やる気を出せと言うよりは、黙ってその人の好きなもの、その人がお酒が好きだったらさりげなく一升瓶をドンと置いておけばいいわけです。これがやる気が出る策です。
だめなマネージメントというのは、その方向性を言葉にして指示をしてしまう。すなわちやる気が出ていない場合には、「どうしてやる気がないんだ? やる気を出せ!」こういう方、いらっしゃるでしょう。非常に愚かだと思いませんか? やる気を出せと言われて、「オス!」とやる気が出ますか?「気合が入っていないぞ! 気合を入れろ!」応援団ではないわけです。言われた方も「オス!」と出て行って、「だめでした。」「気合が足らない!」「分かりました。」そんなのでビジネスをやっていけるのだろうかと不安になります。これは測定もできません。
気付きの効果的なトレーニングの方法というのは、アドバイザーが付いて上手に質問していくことです。これに尽きます。

そうすると次の質問にこういうのがあります。「アドバイザーが上手に質問できるようになるにはどうしたら良いのでしょうか?」それはもう一つ上のアドバイサーにアドバイスをもらうというのが良いのではないかという感じがします。これをやっていかないと難しいです。
またちょっと話をそらせてしまいますが、最近教育に関心があるので、この間NHKのテレビを見ていました。英国で勲章を授けられたシャロン先生という公立の小学校の先生の出演されたテレビをご覧になった方、いらっしゃいますか? あまりいらっしゃいませんね。
簡単にご説明しますと、英国のニューハム地区と言うのでしょうか、6割が生活保護の方ばかりという所の公立の小学校の校長先生に36歳ぐらいで就任したという方がいらっしゃるのです。これが素晴らしい先生なのです。何が素晴らしいかと言うと、登校拒否、クラス崩壊、全てが揃っているという学校です。英国でも全国模試というようなものがあるらしいのですが、300点満点のテストで何と44点、英国最悪、最低の学力の学校です。それを4年間で282点までもっていくのです。これはすごく勉強になりました。
見事なのは、これを経営品質の発想で見ていくと分かるのですが、まず基本方針を打ち立てた。その基本方針は何か。学校を良くするためにはチームワークだ。すなわち父兄と一緒になって学校を良くしていこうという基本方針を立てました。
そしていろいろな形でやっていくのですが、常にモニターして回っていました。全部のクラスの先生たちを評価し、その人がちゃんと正しい指導ができているかというのをまさにその方が指導されていました。学校の先生というのはクラスに入ってしまうと何をどう教えているのか分からないのです。クローズの世界です。
この間私も教育委員会の方に申し上げたのは、全部の先生を数人の人にオブザーブさせ、モニターさせて評価させることです。自らは見えないのだから、他人の評価というのを入れない限り絶対に良くなりません。こういうお話をさせていただきました。この方はそれと全く同じことをやっておられました。そしてどんどんクオリティを上げていきます。これは見事でした。 
お互いに協力し合い、必ず他人の評価の目を入れて自分のやり方を学ぶ。それから授業が下手な人は授業がうまい人のやり方を見に行く。すなわちベンチマーキングということを推奨していました。わずかな間に、企業で言えば大変な業績向上、成果を生み出されたのです。これは本論ではないのでこれ以上お話ししませんが、学ぶ点というのがたくさんあります。
そこでシャロン先生がやっていたのは、モニターしながらアドバイスしていく時に完全に気付きを誘発させるのです。やはり質問していくのです。その上で「こうしたらどうですか?」ということを言うのです。

考えさせるというのは一見ものすごく効率が良くないのです。効率は良くないのですが、効果は高いのです。例えば人に対してしゃべるときに、全員を集めて一遍にしゃべるというのはものすごく効率は良いのです。ところが一遍に集めたときに、集められた人の理解度のスピードはどうか。伝えるスピードは速いです。しかし理解してもらえるスピードというのは実は比例しませんから結論から言うと全部理解されていない。そうすると効率を良くした結果、効果をゼロにしているケースがものすごく多いのです。
さっき申し上げた、コミュニケーションの場を作ってください、会話を徹底的にやってください、育てるように考えさせてくださいというのは、一見効率が無茶苦茶良くないです。時間がかかります。しかし効果ということを考えたときに、非常に効果があるということです。
どちらが大事なのですかと言うと、最終的に効果を上げることが目的ではないですか。そう考えたときに、多くの方は効率ばかりを求めていて、効率から効果、成果・・・。私の軸というのはすごく単純です。効果が上がったのだろうか、成果が上がったのだろうかという観点で見るだけなのです。「いろいろやっています。」「分かりました。それでどうだったのですか?」

NHKの別の教育番組でも言っていましたが、面白かったのはある先生が「私は一所懸命教えています。ところが生徒が全然参画意欲が出なくてつまらない・・・。」ところが全く同じ授業をベテランの先生がやったら、生徒がどんどん興味を持って参画している。その時の若い先生の言葉がすごく印象的でした。「私なりに一所懸命やっていたのです。」私なりの一所懸命ですから、私なりに一所懸命やっても何の意味もないのです。成果につながっているのですか? 他と比較したときに全く劣っている「私なりの一所懸命」というのはだめなのです。
日本というのは一所懸命というのが好きな世界です、成果よりも効果よりも「頑張っている」というのが大事です。熱を出しても会社を休まないとか、昨日は午前2時まで飲んだけど朝7時に出たとか、そしてあと1日ボーッとしていても、ともかく出たということを評価するという風土があるわけです。2時まで飲んでいて7時に出てきてもボーッとしているのだったら、実は休んだ方が成果、効果が上がるかもしれません。もちろん頑張って努力するということも大事なのですが、やはり成果、効果という観点で物事を見ていくという癖をつけられるとガラッと変わります。

また話がちょっとそれますが、いろいろなセミナーや研修があります。今回もある方のコメントがありました。「またまた目からウロコが落ちました。」この方、昨年も落ちたのではなかったかなという感じがあります。ウロコが何枚あるのかなというのもあります。もう一つ、落ちたウロコはすぐにつくという格言もあります。
これはなぜそうなるかと言うとすごく簡単で、実践に移していないからです。目からウロコが落ちましたということに「ああ、落ちたのか・・・」と最初は感動しました。ところが最近は、後日お会いするとピタッと元に戻っているので、そんなものかなと。
最近私自身がお話をさせていただいたときに、自分の評価は何かというと、参加された方がどれだけ行動に移していただいて結果を出したかが自分の評価です。喜んでもらっていただいたレベルが自分の評価ではないのです。なぜかと言うと、喜んでもらうのが目的だったらそれでいいです。楽しかった。楽しい時間を提供してくれた。それでは観劇と同じではないかということです。
そうではなく、私はなぜここにお邪魔させていただいているかというのは、みなさんにこういう考え方の一端をご理解していただき、それを活用していただき、良くなっていただきたいというのが目的なのです。鬼澤さんも水戸に経営品質を広めたいというのは、茨城県の企業を元気にすることで茨城県を元気にしていきたい、良くなってほしいという思いからきているわけです。私も全く同じなわけです。みなさんに素晴らしい仕事をしていだたきたい。素晴らしい仕事をすれば業績につながっていくわけですから、みんなハッピーになる道というのはあるのですということです。

そうなっていただくには実践していただかないとだめなのです。いちばん大事なのは正しく実践するということです。勉強してもだめです。勉強が好きです。いっぱい勉強します。勉強して何をやるのかというと、また勉強する。いつやるのかというとやらないまま終る。それでも生活できるという大変幸せな方が多いわけですが、それではいけないのです。みなさんも是非成果につなげるというところを軸に考えていただければと思います。

それから、この質問もなかなか難しいですね。質問というか、こう書いてあるのです。
「1.規定(大は法律・・・・・小は家庭内のあうんの呼吸)があいまい
2.決め事をする
3.過去は問わない(免責にする)
本日只今からこうやろうという法体系や組織風土の作り方で参考になることがありましたら具体例を入れてお話しください。
 質問を理解する能力が不十分なせいか、いまいちよく理解できないところがあります。法体系、組織風土の作り方で参考になることがあったら・・・。」
 組織風土の作り方で参考になる所はいっぱいあると思います。これはすごく簡単で、簡単と言うかそこにあると見つけるのが簡単です。すなわち経営品質賞を受賞された、特に大企業ではなく、あまり大きな声では言えませんが大企業というのはあまり参考にならない所が結構あるのです。だから中小企業の方で受賞された企業、もしくはサービス業で受賞された企業をご覧いただくと、組織風土という観点で大変参考になるところがあると思います。
 作り方で参考になるというのはちょっと難しいかもしれません。なぜか。経営品質賞を受賞した企業に全部共通しているのは一つあります。それはリーダーシップのクオリティが優れているということです。その歴代のリーダーが組織風土というものを作っていっているので、そこのクオリティがいまいちだとなると、なかなか素晴らしい組織風土を作るということは難しいかもしれません。
 一従業員の方が頑張って風土を変えるというのはなかなか難しいです。組織風土を作るというのは多分良い方向に向けていくということだと思いますが、これの鍵というのはひとえに組織の長のリーダーシップにかかっていると思います。
 ですからリーダーシップのクオリティがまだ不十分であるという場合にはなかなか組織風土というのは変革できないのではないか。経営品質賞を受賞した企業をずっと見ていくとそう思います。全部共通しているのはリーダーシップが優れているということです。

それから、またなかなか長い言葉をいただきましたが、「説明する力、聴く力、どちらにおいても論理的に考える力が必要であると思います。」この方はなかなか論理的な方ですね。「その力を高めるための工夫についてアドバイスをいただけませんでしょうか?」説明する力、聴く力を高めるための工夫ですか?
 聴く力を高めるためには、実は最後は人間力という話になります。というのは聴くというのは尋ねるという意味もあり、質問する力というのもあるわけです。さっきお話しした事例というのは、適切に質問していくことによって相手から何かを引き出しているわけです。その質問の仕方というのは、例えば相手の考えていること、相手の状況、相手の人間性を全部読んだ上でやっている可能性が高いのです。そうでなかったらまたへんな質問がいってしまう可能性があります。そういう意味では、本当に聴く力をつけるというのは相当いろいろな学びを行い、自分自身の相手を理解する力、人間性そのものを高めていくというのが大事ではないかという感じを持っています。
 説明する力というのであれば、これはやはり場数を踏むということだろうと思うし、具体的に聴く力をつけるというのであれば、ともかく何人かに聴いて、その聴いているところを誰かにモニターしてもらい、そして本当に聴けているのかどうか。さっきお話ししたように、2時間聴いたけれどまだ不満はあるかと言ったら全然聴いてくれなかったというのは全然聴けていないわけです。
 だから一つは自分が聴けたかどうか、話してくれた相手に評価してもらうという手もあります。言っていることが分かりますか? すなわち一つの場を持った。今日、私はあなたに対してどれだけ聴けたのだろうかというのを5段階評価で評価してもらってください。それをさっき申し上げたように、自分でここまで聴けたと自分で判断してはだめです。そうすると自分で聴けているつもりが全然聴けていなかったというのを指摘してもらうことによって分かります。
自分のレベルというのが分からない限り、向上しようがありません。だからこのレベルだと思っているところで、実態はこのレベルでもこのレベルだと思ったらこういかないわけで、あなたはここまでのレベルですと相手の方から指摘、レベル評価してもらう。そういう観点で具体的にどこまでできているのかということを評価する必要があるのではないでしょうか。

それからもっと基本を申し上げれば、聴く力を高めるためには聴くことが大事だということをまず深く認識することです。聴くということが大事なんだと認識するのが良いです。
では聴く力というのが大事なんだと認識するにはどうしたらいいですかとまた次にこういう質問がきます。分かりました。聴くことが大事だと紙に書いてください。そして毎朝見てください。毎晩読んでください。馬鹿みたいなことですが、こういうことをやるというのは非常に効果があります。
大事だと思ったことがなぜできないかというと、一つは決意してもやはり忘れてしまうからです。だったらどうしたらいいか。一日100回決意したらもつ可能性はあります。
前にここで決意持続マシーンというお話をしましたか? 決意持続マシーンというのがインターネットで買えるのです。これを日体大のある先生が1万9800円で買われました。素晴らしいです。このくらいの小さな箱に入っていて、効能書きがいっぱい書いてある。それは決意を持続できたらどんなに素晴らしい人生が展開できるかというのがいっぱい書いてあるのです。それはいい。どうしたらいいのか。まずあなたの決意を書け。そして胸のポケットに入れる。そして決意持続マシーンをつけろ。これはタイマーなのです。2時間とセットすると、2時間経つとビビッと震えるのです。震えたところで決意を見ろというものです。これが決意持続マシーンなのです。
決して買いたいとは思いませんが、人間の心理というのをものすごく突いています。すなわち禅の世界にもありますが、決意というのを1日100回やったらどうだと言います。なぜ決意が持続しないかというと、決意が数回で、数回やったところでやっぱりだめかと諦めてしまうからだめなのです。だめになる都度プラス1回決意すればいいのです。1日3回失敗したら、4回決意すればいいのです。
しかし決意することを忘れますという人がまた出てくるのでそういう機械もあるわけですが、それだったら具体的に紙に書いて張っておいたらどうですか? 
私が具体的に馬鹿みたいに一部上場大手の企業の役員の方に何と言っているかというと、「決意してください」と言ってその後何と言うか知っていますか?「はい、紙に書いてください。書きました? 机の上に置いてください。」「どういうふうに置くのですか?」「部下に見えるように置いてください。」自分の方に向けて置いていると慢性化してピンとこなくなるのです。ところが部下が席に来て、毎回上司の決意を見ると、決意を見ながらこう見るわけです。そうするとやれるようになるわけです。
もう一つ、決意持続の方策というのは有言実行です。紙に書くというのも有言実行ですが、部下を集めて私はこういう決意をしたと宣言することです。密かにやると密かにやれなくてもそのまますんでしまうわけです。
幼稚なことを言っていますが、これが具体的にやっていくための本当のハウツーなのです。決意は紙に書く。もしくは公言する。そして何回でも決意し続けるということです。

前にお話ししたかもしれませんが、ある大手の会社の役員がこういう決意をしてくれました。「私は怒らない。」さっきの方とはちょっと違います。そして「部下が何かを言ってきた時もにこやかに対応するようにする。」どうしたかと言うと、その方は部下を集めてそういうふうに言われたのです。
その後こういうことがありました。ある報告書を部下が持って行ったら3日遅れだったのです。ところがその上司は約束したのでジーッと見て、少し震えていたかもしれませんが、「君、遅いね」と言ったのです。そして部下に言われました。「怖くてやっていられません。まとまって爆発したらえらいことになるので、あの決意をやめさせてください」と私に依頼がきました。それに対して私は何と言ったか。「心配するな。そのうち板につく。」
ずーっとやっているうちに、無理にでもやっているうちに板につきました。結果どうなったか。やはりコミュニケーションが良くなったのです。やはり怒鳴っていたら人は本当のことを言いません。怒鳴りながら「なぜ本当のことを言わないんだ!」まず鏡を観てくださいと言いたくなるわけです。あなたの顔を見てどうして言えるのですかということです。人は他人の顔は見えますが、自分の顔だけ見えません。
ですから今申し上げたようなことをやっていくと、決意したことを向上させることができる可能性が出てきます。保証はできませんが、可能性は出てきます。

次の質問はこう書いてあります。「今回のお話も出席者一同一様に目からウロコが落ちたと感じていると思います。」例のウロコです。「その時に知識として理解したのか論理的に理解できたのかという差は、その後の行動に影響がある気がいたします。どう理解され、どう実行されたかが大事とおっしゃるとおりです。その理解力、論理思考力は訓練で高める必要があると思います。大久保さんはどのように訓練されているのでしょうか?」この人はなかなか論理的な方です。多分偏差値の高い方ではないかと思います。
私はあまり難しく考えないでやってみるというのが好きなのです。もうともかくあまり複雑に頭ができていないもので、シンプルなのです。
これは前回お話ししたかもしれませんが、本当にやっていく時に大事なのは、こういうふうにセミナーで話を聴きます。その時にはまず「知識」が身に付きます。私が申し上げるように常に大事なのは「成果」を生み出すことです。成果、別の言葉でいえば価値を生むことが大事なのです。
知識が付いたら成果につながりますかと言ったらつながらないでしょう。「理解」しなければなりません。物事を理解したら成果は生まれるか。出ないです。「納得」が要るのです、すなわち日本語で言うとことの腹に落ちるというやつです。納得と説得は全然違います。説得は強制に近い。納得というのは腹に落ちるということです。
これで成果につながるかと言うと、何となくまだ空欄があるでしょう。あるわけです。そして「実行」することなのです。それで成果につながるかと言うとまだつながりません。
秘訣は「継続」です。そして「成果」です。
実はこのパス以外に成果につながる方策というのはありません。多くのセミナーというのはここ(知識)でおしまいかここ(理解)の段階でおしまいです。だからだめなのです。

それでは継続するのはどうしたらいいかと言うと秘訣があります。例えば先ほど申し上げたようにいろいろな役員会にお邪魔させていただいて役員の方に決意していただいています。その時に放っておくとやはりやらないのです。どうするか。どこまでやったか、3カ月後にお邪魔させていただきます。これなのです。すなわち継続してチェックを入れるということが大事です。
それでは継続してチェックするにはどうしたらいいかと言うと、先にカレンダーに書き込むことです。いついつチェックに来ます、いついつどこまで進んだか検証しますとカレンダーに入れることなのです。日程を入れることです。これがいちばん基本です。「それでは後日検証しましょう」と言うとずっと来ない後日になってしまうのです。それはカレンダーがないからです。すなわち日にちと時間と入れる。ビジネスベーシックです。意外にこのベーシックができていないわけです。これをやっていくということが最終的に成果を生み出します。
それからもう一つ。実行して継続しているけれどうまく成果つながらないというケースももちろん出てきます。そうししたらどうするかというと、さっき皆で協力して仲良くというお話をしたでしょう。皆で知恵を出し合ってどうしたらいいか考えていくことです。
こういったことをずっとやっていくというのが良いと思います。
それから私自身は論理思考力とか理解力というのはあまりない方です。あるとは思っていませんが、幸いにもいろいろな場を与えていただいています。説明する場をたくさん与えていただいています。昔から、本当に理解するには教えることだと言います。聴いているだけでは絶対にだめだと。教える側に回ったとき、初めて人はそのことを深く理解するようになる。
ですから本当に理解するようになる、説明能力をつけるというのも合わせて、そういったことをどうすればいいかというと、これはそういう場をどんどん作り、自ら説明するということが大事ではないでしょうか。説明して質問を受ける。そこでなかなか答えられない。苦しむ。だけどやっていく。こういうのを繰り返していくとそういったいろいろな能力というのがつくのではないかという感じがします。

★自分を主語にする
一応いただいたご質問の紙は終りましたので、最後に、最近いちばん印象に残っているので、大事なことをいくつか申し上げたいのです。
一つは何か改善を進めていく、組織を良くしていくというというときに、自分を主語にしていただきたいということです。それは何かと言うと、多くはうちの会社はとか、役員が、部下が、周りがと言うのです。「が」の上が主語でしょう。そうすると上司、部下、周りが主語になってしまうわけです。そして何々だからだめだというのがあります。そうではなく、私がこうする、私が変える、私が良くすると。やはり生きているのですから、できたら自分を主語にして生きるということがすごく大事ではないかと思います。
自分を大切にすることが私の心情ですと言いながら、話を聴いていると全部周りに責任にする方がいらっしゃいます。全部周りが主語です。あなたはと言うと脇役ということになります。大切にしていないということになると思います。
ですから是非、周りが、他人が、あの人が、ではなく、「私が」「自分が」という感覚をもっていただきたいと思います。

★基本: 心の姿勢 謙虚さと素直さ
それからもう一つ。先ほどコミュニケーションというお話をしましたが、コミュニケーションをとるとき、特に上の方にとって大事なことはコミュニケーションというのは対等でないとだめなのです。対等でないと本当のコミュニケーションというのはとれません。
例えば会社のブランド、企業ブランドというのがあるでしょう。そしてその人の肩書き、役職というのがあります。その上に自分の生み出している価値というのがあります。実際仕事というのはこれ全部でやるのですが、これが自分だというのを深く認識してコミュニケーションするということがすごく大事だと思います。
世の中には会社のブランドがやたら高く、肩書きが上でもその人の価値、実態はへこんでいるという人もいるわけです。いない方がいいという人です。価値がなかったわけですから、こういう人は世間に出るとズボッと潜り込みます。曰く「世間は私を理解していない」と言うわけです。しかしこれは正確に理解されているケースなのです。
なぜこんな話をしているかと言うと、いろいろな方にお会いして、素晴らしい人間の特徴は、自分はこれだ(自分の生み出している価値)ということを認識しているということです。愚かな人はこれ(会社のブランド)が自分だと思っています。ところがこの下の方はいつかは失うものです。
大事なのは自分を主語にしてくださいと言ったのは、存在価値、力、自分自身を高めていくことなのです。これがいちばん大事ではないかと思います。周りが、何が、というのは、どちらかと言うとこちらに寄ってしまうのです。ですから自分自身を高めていく、成長させていくというところに軸をおいていくということが大事ではないか。
それからレジュメの方に書きましたが、そういうものをやっていく時に大事なのは、基本は心の姿勢だというのが今のところの自分の思いです。
そして他人評価で自己改善というのは実はすごくきついです。他人に評価してもらうときの基本原則があります。それは嫌なことを聴いても、まずは謙虚に素直に受けるということです。これは非常に難しいです。でも高慢になったとき、人の成長というのは止まります。やはりだめです。ですからそういう意味では、厳しい評価に対してもそれを素直に受けた上で自分自身を向上させていくという思いが大事ではないかと思っています。
どう思うかというのはもう自分の思い方一つです。これは他人に左右されません。周りが何がと言ったって、自分はこう思うと思えばいいわけです。それが自分を主語にしていくということです。

やはり最後にもう一つ大事だなと思うのは、心の思い方、心の針の向け方、自分を主語にするというのも自分の針の向け方だと思うのです。その針の向け方、方向を決めるのはやはり自分なのです。それを「他人が」にするのか「自分が」にするのかは全部自分です。ですから自分を主語にした針の向け方というのを是非やっていくことが大事ではないかという感じがします。
それ自身が自分自身を高めていくことになるし、そういった生き方そのものが先ほどの質問にある、聴く能力とか説明能力とか、最終的には説得する、コミュニケーションする能力、これはもうトータルの人間力になってくると思うので、そういった力を高めていくことにつながるのではないかという感じがします。

もう時間になってしまいました。極めて雑駁で、あっちへいったりこっちへいったりというお話でしたが、冒頭に申し上げたように気付きが大事だということで、今日の話の中からも最低一つは気付いていただけたら嬉しいです。
ただし気付くだけではだめです。実践していただきたい。どうやったら実践できるのか、決意を持続できるのかというのは具体的に方法をお示ししました。あそこまでやってもやはり全員はやりません。この会場で見ると大体5~6人はやっていただけるのではないかというぐらいの感じです。そんなものです。でもその5~6人が変わるというのは素晴らしいことです。是非実践していただいて、価値を生み出すことまでつなげていただきたい。それ自身が私にとってのいちばんの喜びということになります。
ということで、大変雑駁な話で失礼いたしましたが、時間もまいりましたので終らせていただきます。どうもありがとうございました。