2006年度2月例会テーマから一言
『お客様満足度調査の秘訣』
~お客様の真の声を理解するために~
講師『浅野 紀夫 氏』 日本アイ・ビー・エム(株) 品質・カスタマー・サティスファクション部長
2月例会では日本アイ・ビー・エム(株)の浅野紀夫氏をお招きし、数多くのお客様満足度調査や従業員満足度調査の実施経験から調査の秘訣についてご講演をいただきました。
始めに調査に関わる名言として「訊きたいことを直接きくな」「出たデータを鵜呑みにするな」と紹介され、具体的な事例を挙げて中に含まれる”ウソ”の正体を解説いただきました。
まず始めに私たちが理解できてない点として、意識データの特性を挙げられている。
アンケート調査から得られるのは社会科学的データであり、これらは一般に実体がなく曖昧で、回答者ごとに価値認識や判断基準のモノサシにズレがあるため、客観的事実よりもむしろ心理的事実の証明であり、お客様の声の裏側にある真の気持ちを察することが大切であると提言。そして、調査に現れる無意識の”ウソ”を見抜くためには、「統計手法」を用いて影響力を求めることや、真の原因となる関連項目の影響を評価するなど、データの分析による工夫が必要であると指摘。
調査結果をそのまま額面どうりに受け取らず、アンケート結果の裏側にある回答者の購買心理の状態まで、よく分析し理解しないと、打つ手を誤ると警鐘を鳴らされている。
また心理的事実の調査は、やり方次第によって大きく変わる可能性があり、訊きたいことより、お客様が言いたいことを取り上げられるよう、質問形式や調査方法の工夫が必要と提言。最近のアンケートに見られるようになった、フリー回答欄や意見要望欄などが該当するのでしょう。更に、調査の準備段階では「お客様満足度」向上への強い意志とお客様との信頼関係が大切であり、調査の「企画」として定義や目的、テーマや調査結果の使い方を事前に決定しておくことが重要であることを強調されている。
一方、調査方式に関しては、社名明示や覆面調査などがあり、手段についても郵送、電話、面接、Web方式の調査など色々あり、目的に合った調査方式を選択する必要があると語っている。また、質問項目や分析の仕方の決定においては、カテゴリーを設けるなどバランスの良い質問に考慮すること、お客様の立場での表現、お客様が回答しやすいような配慮が重要と語られている。
最終段階となる、収集したデータの計算や集約作業に関しては、単に平均値と各集計だけに留めず、個別のデータやデータ間の関係をみて因果関係を読み取るなど、真の対策が生み出せる分析の仕方が重要と唱えられている。
総括すると、このように意識調査では何でも全てが判るものではなく、歪や偏りは避けられない。お客様の真の気持ちを理解するためには、しっかりした仮説と解釈が不可欠となり、熱意をもって対処し、自分流から真の対策につながる調査スタイルを確立する必要がある。そのための学習の重要性を痛切に感じた次第です。
「お客様満足度調査」について詳しくお知りになりたい方は、氏の著書”ホント!のアンケート調査”(PHP研究所)を参考にされてはいかがでしょうか。
(運営委員 中村 秀晴)