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2009年3月例会の様子

3月例会テーマから一言

テーマ: 「いつでもホッとな温泉宿を目指して」

講師: 平田 裕一氏 (株)向瀧 代表取締役

「○○だからダメだ」を「○○だからこそいい!」に変える

 会津藩の保養所を引き継いだ国の登録文化財という歴史ある建物、「昔からやってきて続いているのだから、今のやり方を変える必要はない」と考える平均年齢57才従業員の老舗旅館の跡継ぎとして、旅行会社から実家に戻ったとしたらあなたならどうするだろうか?

 (株)向瀧の平田さんは、1991年に戻った当初、何かを変えて良くしようとしても、悪者扱いで居場所がなかったと振り返ります。
しかし、自身で開いたHPに届いた「会津で“桐の花”の写真が撮れる場所と時期を教えてください」というメール。
友達やネットでの情報から答えて宿泊に結びついたことは良かったが、「旅館はすごく気に入りました。ページもわかりやすいし、でもね、夜のカラオケがうるさくて眠れなかった」という感想を聞いて平田さんは目覚めます。

 静かな宿をお好きなお客様、ドンチャンで沢山飲んでくれるお客様どちらも大事という自分自身の曖昧さが向瀧を気に入って宿泊してくれたお客様を苦しめてしまった。「これからは、“いつでもホッとな温泉宿”と位置づけた向瀧らしさを磨き続けるために、向瀧を変えていかねばならない」と決意し、料理で言えば、エビ・カニ・マグロは一切使わず、地元の食材で会津料理の素晴らしさを伝えるという、料理大改革を決行。その結果、板長をはじめとする7名の従業員の退職に繋がり、自らも調理場に入る状況になりますが、その変革の状況を淡々と語る平田さんの凄みが感じられました。
 
 また、向瀧のファンを増やすには、従業員の気付きと情報共有が不可欠と考え、年に1度、従業員が周辺の観光地を巡って向瀧に宿泊し、宿泊客の気持ちで施設や料理を体験するお泊り会を開催しており、日常の掃除などでは気づかない危険箇所を見つけることに繋がり、経営品質向上プログラムを活用する際には、四文字熟語は極力使用せず、例えば“顧客・市場の理解”では、「電話でもネットでも料理の好き嫌いを聞きましょう」というように、お客様の当たり前を簡単にわかりやすくを心がけているという。
 
 戻ってきた頃は、部屋のタイプが違うからダメだ、会津は雪が降るからダメだと嘆いていたのが、部屋のタイプが違うからこそいい、雪が降るからこそいいという考え方の転換。マイナス要因でもプラス要因に変えられる素晴らしさを感じさせてくれた例会でした。

(運営委員:加藤祐一)