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2012年3月例会の様子

テーマ:『顧客満足』の失敗学
講 師:瀬戸川 礼子 氏
    (ジャーナリスト・中小企業診断士)

 3月27日に行われた月例会ではジャーナリスト・中小企業診断士としてご活躍の瀬戸川礼子様を講師にお招きし、「顧客満足の失敗学?社員満足が顧客満足を実現する?」というテーマでご講演頂きました。
 冒頭に、瀬戸川様がお考えになられた5CSというお客様満足と社員満足のために必要な5つの視点をご紹介頂きました。5CSは「トップの言動」、「意思疎通」、「教育」、「評価」、「チームワーク」で構成されます。この5CSについて一つずつ丁寧にご説明頂きましたが、今回は特に印象に残った「意思疎通」についてご紹介いたします。意思疎通に関して、CS失敗企業の特徴とCS成功企業の特徴を比較しながらご説明頂きました。

CS失敗
・気の合う人としか話さない
・感情の起伏が激しい
・先輩から優しい声をかけてもらったことがほとんどない
・後輩から優しい声をかけてもらったことはほとんどない

CS成功
・自分から先にあいさつ
・平常心
・相手の話を最後まで聞き切る
・部下から学ぼうとする
・コミュニケーションは一番大事な「仕事」
・仕事以外の話でも盛り上がる

 CS失敗の例として挙げられていた企業では、かつてはトップと社員とが気軽に声を掛け合う雰囲気があったそうです。しかし、次第にトップは社長室にこもりがちとなり、書面でのやりとりが増え、社員とに距離が広がっていったそうです。そしてトップのまわりにいる社員は常にトップの発言にイエスと言い、トップの意見を肯定する方しか残らなかったそうです。トップから見たらまさに気の合う人しか周りにおらず、そのような人としか話しをしていなかったそうです。またこの企業では先輩や後輩がまわりを気遣い、優しい声をかけるようなことはあまり行われていなかったそうです。
私はこの話しを伺って、「無配慮・受身・依存的」な人と「気配り・気遣い・自発的」な人の違いを考えました。無配慮や受け身、依存的には、その前提に「こうしよう!」という考えがありません。逆に気配りや気遣い、自発的には、その前提に「こうしよう!」という考えがあるから実行されます。例えば「お年寄りに席を譲ろう。」や「今、後輩Aは悩んでいるからアドバイスしよう。」といったことはその人に考えがあるから行われます。トップが気の合う人としか話さなかったり、先輩や後輩が優しい声をかけられなかったのは、それぞれがお客様に喜ばれる企業になろうとか、社員が共に成長していく企業を目指そうといった企業としての考えを持たずに、あるいは共有せずに組織や仲間を見ていたのではないかと思いました。
 逆にCS成功の企業は、「相手の話を最後まで聞き切る」、「コミュニケーションは一番大事な「仕事」」に代表されるように、良いコミュニケーションをとっていることが特徴であるとご説明されました。
 私はこの話しを伺って、組織の中で「話し」をすることは誰でも出来るが、組織の中で「話し合い」をすることがとても重要だと思いました。「話し」をすることは一方向なので自分の考えがあれば進めることができます。しかし「話し合い」は複数の人と関係を持ちながら進めます。つまりお互いの考えを交換しながら進めていきますので、相手の考えを理解したり、尊重したりすることが大切になります。このように話し合いを進めていくためには相手を慮ることが必要ですし、それが組織内でできている企業はお客様に対しても慮ることが出来るので必然的にCS(顧客満足度)が高くなるのだと思いました。
最後に瀬戸川様が意思疎通のポイントとして挙げられた点をご紹介いたします。
・上司とスタッフの間には権限という壁があります。
・権限のないスタッフが顧客のために思い切って仕事をするためには店や上司への信頼が必要です。
・毎日のコミュニケーションが仕事を任せられる環境をつくります。
・自然に任せず仕組みをつくろう。

(運営委員長 三宅 邦之)