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2012年5月例会の様子

テーマ:『傾聴の姿勢を重視した学校づくり』
講 師: 市川 泰弘 氏 (三重県立北星高等学校 教諭)

 5月21日(月)に水戸プラザホテルに於いて、三重県立北星高等学校の市川様を講師にお招きし、ご講演いただきました。
 前提として、三重県は北川前知事の行政経営品質でも知られていますが、その影響もあり、すべての県立学校で、学校評価の取り組みとして学校経営品質が導入されています。
 北星高校は、定時制と通信制を併せ持ち、不登校経験者や中途退学者など、学習の機会を失って社会との関係が紡げない子供たちの「受け皿」として、社会的役割が年々大きくなってきている学校です。「学びたい人が、学びたいときに、学びたいスタイルで学べる」という目指すべき姿に向けた様々な取り組みが認められ、2010年度には、学校組織として初めての三重県経営品質賞奨励賞を受賞されています。
 まず、「学校における経営品質」を以下のように定義しておられます。
?常に生徒一人ひとりに目を向けて、教職員が物事を考えて行けるようになること
?組織的な取り組みにしていくと同時に、継続的に改善を重ねて行けるようになること
?「学習者本位」に加え、「教職員重視」や「社会との調和」を図ることで、その学校の「独自能力」を高めていくこと
 その中でまずできることは、“場をつくること”、つまり、“人と人をつなげること”と捉えて、生徒(サービスの受け手)がどう思うかを感じとり、生徒のことをより「知る」・「想いを受け取る」ことを重視した取り組みを開始します。生徒と教職員がつながる場を数多く設け、教職員が傾聴の姿勢を持って根気強く生徒に関わり続けようと努力されています。
 経営品質向上活動については、教職員間での温度差もやはりあるとのこと。しかし、市川先生は、「経営品質に限ったことではない。気にしない。」と割り切ります。「取り組みの中で、協力いただける部分でつながっていただければよい」とのこと。「同じ人たちと常につながっていることがチームワークではない」ともおっしゃっていました。
 そして、その様々なつながりを、経営品質として整理して、学校評価に結びつけていらっしゃいます。
 経営品質向上プログラムと言えば、「経営幹部のリーダーシップ」から始まり、みんなで同じ方向を見て、みんなが協力し合って前に進むイメージがありますが、経営品質向上プログラムがフレームワークであることを考えれば、全くその通りだと気づくことができました。
 経営品質を推進する立場にあると、全員に理解してもらえない苦しみもありますが、とても勇気を持てるお話でした。
 また、講演では、生徒とのかかわりや教職員同士、そして地域とのつながりなど、とても温かいお話がたくさんあり、優しい気持ちになることもできました。
 市川先生、素晴らしいご講演をいただき、ありがとうございました。
                              (運営委員 榎本 崇宏)