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2008年12月 アーカイブ

2008年12月01日

12月の約束

12月1日(月)

お久しぶりです。
今年もあと1ヶ月になりました。
今年1年を振り返ることが多くなっていますが、みなさんにとってはどんな1年だったでしょうか。
おそらくそれまでの何年間とは大きく違う変化が起きたのではないかと思います。
金融恐慌から経済へ、世界恐慌になってきますよと以前から書いてきましたが、まさにその通りというか、予想を超えるスピードでこれまでの世界とは違う世界に変わりつつあります。

大切なことですが、問題はそれをどう捉えるかですよね。
福島正伸先生の言葉です。
『すべての出来事は、前向きに考えればチャンスとなり、後ろ向きに考えればピンチになる。問題が起きたことが問題なのではなく、どう考えたのかが、本当の問題である。』

こんな情勢だからこそ、自分自身を、経営を、会社を、地域を、社会を振り返る絶好のチャンスとしていきたいものです。

今、書いている「経営品質講座」も、今年は「代表日記」から模様替えしました。
私自身の強烈な反省ですが、自分の弱さを痛感しました。

「代表日記」の時は、「毎日書く」と自分に約束していましたので、どんなに忙しい時でも時間をつくって(上野から水戸へ帰る最終列車の中でも)書いていました。
でも「経営品質講座」になって、「週に数回」という曖昧な約束にした途端、「今日は忙しくて疲れているから明日にしよう」という先送りの気持ちがどんどん出てきてしまい・・・。
そして「そろそろ書かなくちゃ・・・」の気持ちに後ろめたさを感じながらも・・・、の毎日でした。
まったく情けない・・・。

なので、今年1年のまとめも兼ねて、12月末の大みそかまで毎日「経営品質講座」を書くことを宣言(コミット)します。

「言っていることとやっていることが一致する」か、自分自身への試験です。
そして今年を「終わりよければすべて良し」と自分勝手に決めたいと思います(笑)。


さて、前回まで「経営品質」の「品質」について書いていて、今度は「経営」ですよね。

「経営」とは何か。
当たり前のようにわかっているはずなのに、さて定義しなさいと言われるとちょっと考えてしまうことがよくあります。

私が大切にしているのは、ピーター・ドラッカーのこの言葉

『「経営」とは平凡な人間が集まり、目的を共有したチームワークで「非凡な成果」を導くシステムである。』

ピーター・ドラッカーはこういうことも言っています。

『「経営」とは、人を通じて正しいことを行うこと。』

経営をシステムとして考える。
そしてそのシステムの中にはサブシステムというべきいくつかのシステムがあります。
それがリーダーシップシステムやマーケティングシステムなどです。
各システムがそれぞれ機能するだけでなく、システム間のつながり(一貫性や整合性)が重要であり、それなしには全体のシステムが機能しません。
まさに歯車がかみ合わないと、それぞれが勝手に動いてもダメだということです。

またシステムが機能するには、そこに「人」と「組織」があります。
その重要性もピーター・ドラッカーは言っているんですね。

書き始めるとキリがありませんが、私は経営品質向上プログラムによってそれらを学ぶことができました。
(詳しくはこれから徐々に説明していきます)

もうひとつ、大好きな本『戦わない経営』で浜口さんの言葉

『「経営」とは、関わる人すべてを幸せにするシステムである。』

良いですよね。
経営の目的、一体何のためなのか、に対する答えを簡潔に言い表している言葉だと思っています。

では、そもそも「経営」という言葉の意味は何なのか。

それは明日書くことにします。

2008年12月02日

経営とは

12月2日(火)

昨日は東京で、全国のJC(青年会議所)メンバー(現役・OB)の有志でつくっている「経営品質実践塾」の勉強会&忘年会を開催してきました。
講師は、我が師である藤原直哉氏。
昨年夏からの金融問題が、今、世界経済にどのような影響を与えているのか。そしてこれが今度どうなっていくのかについて、たっぷりお話しいただきました。
経営を考える時、マクロ経済の変化を学ぶことは絶対必要なことです。

簡単にいえば、「世界経済は今、正常な姿に戻りつつある」ということ。
約30年前から、米国が国家も企業も個人も借金をして、世界中からモノを買うことで回していた不均衡の経済が、信用収縮で借金ができなくなり急ブレーキがかかった状態になっている。
これは元々おかしな(不均衡)ことだったので、もう待っていても元に戻るような、これまでと同じような需要になることはないと考えた方が良い。
藤原さん曰く、そもそも、「経済とは、みんながご飯を食べられる仕組み」
30年前に戻り、もう一度、改善と現場の重視、みんなで力を合わせて経済をつくるところからのやり直しになるだろう。

こういう時のために、今まで勉強してきたということなのでしょう。
いろいろ動き出さなければならないので、勇気と覚悟が必要です。
頑張っていきましょう。


さて、今日は「経営」という言葉の意味を考えてみましょう。

これがわかっているようでなかなかわからない言葉。
この数年、「考える」ことの重要さを痛感していますが、そのためには言葉を「定義」することから始まります。

「経営」ですから、「経」と「営」

「経」とは、緯度・経度の経、「たて」を表します。
中国文学者の吉川幸次郎先生は、「経営の経の字はタテ糸である」と言っています。
織物を織るには、まずはタテ糸をしっかりと張らなければなりません。タテ糸がピンと張っていないと良い織物はつくれません。柄を出すのはヨコ糸の仕事です。
また「経」は、「おおもとを定める」とも言われます。

「営」は、営む。
「暇(いと)無し」の動詞。「せっせと努める」という意味のようです。

日本で初めて経営学を教え始めたのが、今の一橋大学の前身である東京高等商業学校の上田貞次郎氏。
それまで日本は「商業学」でした。上田先生はドイツ語の事業にあたる言葉を「経営」という日本語に訳しました。

上田先生は、以下のように「経営」を説明されたと聞きました。

「土地に何か目的を持って建物を建てようとした時に、どんな建物にしようか、どのような間取りにしようかと考える。その構想によって図面が出来上がるが、実際に建物を建てる時には、まず土地に糸を張っていく。そしてその糸に沿って建物を立てていく。それが経営ということ。」

つまり「経営」とは、
まず何か意思や意図がある。
それをどのように実現していくのか構想や道筋を練っていく。
そして、実際に実行し、成果を上げていく。
それら全てを含む概念ということになります。

今の経営学で使う言葉にすると、
まず大事なのは、目的・使命・志・夢・理念
その実現のための、戦略
そして、戦略を実行していくための執行管理、成果

だから良く考えなければならないのは、「経営」と「管理」は違うということです。
「管理」は、決められたことを正しく行うこと。

自分の頭で考えないで、他人に言われたとおりにやっていては「経営」とは言えません。
我が国も、役所の言うとおりにやる、業界横並びで同じことをする、そんな企業が多くありましたが、それは「経営」しているとは言えないのです。

ですから、まず経営をするというのは、
「自分たちは何のためにあるのか」
「何を実現しようとしているのか」
「何を大切にしているのか」
を明確にしなければなりません。
それは自分で決めることで、他人から言われることではないのです。

そして、「他との違いをどのようにするのか」「どこへ何を投資するのか」
戦略を決めなければなりません。

この10年、我が国も、企業も地方自治体も、しっかりと「経営」をしなければならない時代になりました。
今回の世界大恐慌で、それがさらに強まっています。

明日は、経営を次元に分けて、もう少し具体的に考えてみたいと思います。

2008年12月03日

経営とは その2

12月3日(水)

昨日は今年で3年目になるICPEの目玉事業『茨城で働く社長のための経営塾』の第3回目の講義がありました。講師はもちろん岡本正耿先生。
私も事務局として後ろに座っているのですが、ずっとメモを取り続けている状態でしたね。
いつも聞いても岡本先生の話にはたくさんの気づきと学びがあります。

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経営を考えると、
最初は社員に対して「割り当て・指示・チェック」が中心になることが多い。
それが「目標・対話・自己評価」に変わっていく。
つまり、「支配統制」型から「目標と参画」型へ。
しかし急に変わることはできないので、徐々に、少しづつ変化していくしかない。

経営を「ひとりで考える」のは勝手にできるが、「組織で考える」となると勝手にはできない。
組織で考えるには話し合いをしなければならず、そのためには「考える枠組み」を共有しなければ、話し合いは混乱し雑談になっていってしまう。

特に社長と社員では、「見えているもの」と「見えるもの」が全く違っていると言っても良い。だからこそ「目標と参画型の経営」にしていきたいのであれば、考える枠組み(フレームワーク)が必要であり、「マーケティング」はそのフレームワークを提供するものである。
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経営とは何は、経営とはどんな意味なのか、について一昨日・昨日と考えてきました。
以前にある地方自治体の管理職の方に、「行政経営品質と言っても、まず何で我々が経営なんだ。それが理解できない。」と質問されたことがあります。
その時に、「違いますよ。経営ですよ。」と言ってもただ対立するだけなので、まず、「ところで経営とはどんな意味だと思っているのですか?」と聞きました。
その答えは、「経営はお金儲けだろう」
そう思っている人は行政の方にまだまだ多いんでしょうね。
そう思っている人に「行政経営品質」とか「行政経営改革」とか言っても、そもそも考えようとしないですよね。
その辺りから根気強く、対話をしながら納得してもらうことをしなければなりません。

もちろん経営の目的をお金儲けにしている人が世の中にはたくさんいることは事実です。
お金儲けは社員や地域、今後の事業を考えても、とても大切なこと、絶対必要なことです。

ただそれが目的なのかどうかが大きな違いになってしまうのです。

ピータードラッカーはこう言っています。
「企業とはなにか、という質問に答えるためには、われわれはまず、企業の目的を考える必要がある。企業が社会の一機関である以上、企業の目的は企業それ自身にあるのではなく、企業をその機関とする社会のなかになければならない。したがって企業の目的について正しい定義はただひとつしかない。それは顧客の創造である。」

数年前にホリエモンが、文藝春秋の特集で、『日本の経営者は経営なんてやってないんです』というサブタイトルのインタビュー記事が載っていました。

ホリエモンは、自分の頭で考えない経営者に対して、「経営とは自分の頭で考えることなんだ。あなたたちは(彼の対象は規制に守られている大企業や業界横並び企業の経営者)は経営なんてしていない!」とバッサリ切り捨てていました。
(私もその点については賛成ですが)

そのホリエモンに対して、日本の多くの経営者や有識者と言われる人たちは、「君の経営の目的が間違っている。経営の目的は、お金儲けではなく、お客様や社員、社会のためにあるんだ。それを志と言うんだ。君のは単なる野心だ。」と切られた刀で切り返していましたね。

品質とは目的に対する適切さの度合

ならば「経営品質」とは、経営の目的に対する適切さの度合ということになりますね。
「適切さの度合」というのは、単に成果だけではなく、成果を生み出す状態、つまりプロセス、さらにプロセスを考え動かす人や組織の状態ということになります。

そして経営の目的も、経営品質協議会では明確にしています。
それが「基本理念」にある
「顧客本位」「社員重視」「社会との調和」
つまり、顧客や社員、社会のための経営としています。

だから日本経営品質賞の審査をする場合、まず何が大事かといえば、経営の目的が何かということになるんです。

経営をそのように考えるのであれば、企業だけでなく、自治体でも学校でもNPOでも、経営をしているし、その品質を高めることが大切であることは理解してもらえるものだと信じています。

さてさて、今日は経営の次元の話をしようと思っていたのですが、長くなってしまったのでまた明日にします。

2008年12月04日

経営の次元

12月4日(木)

今日は、「あしたの学校」に参加してくれている大学生たちを連れて、「どういきる科」の課外授業へ出かけてきました。
大洗青年団体連絡協議会のまちづくり研修講演会で、有限会社てっぺんの大嶋啓介氏の話「どうすれば人が輝くのか」を聞いてきました。
いつもながら笑顔で元気一杯に話す大嶋さんに、学生たちも大きな刺激を受けたようです。

ちょっとだけ紹介すると、
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今の人生は、過去の行動の結果にすぎない。
行動は心の状態によって変わっていく。
『成功するからワクワクするのではなく、ワクワクするから成功する』
自分の心の状態をプラスにすることで、行動が変わり、その結果、人生が変わっていく。
では、どうしたらマイナスの心の状態をプラスに変えることができるか。
そのために必要なのが「ブレイン(脳)トレーニング」
重要な3つのキーワードとして、
「言葉」「動作」「表情」
特に「言葉」が大切で、自分の発する言葉によって感情をつかさどる脳に変化が生じて自分が変わる。それだけでなく、まわりにも大きな影響を与えてしまう。
最悪の言葉は、「疲れた」
「ありがとう」の感謝の言葉を常に口にする。
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帰りの車の中で各自に感想を聞いたのですが、「言葉」の重要さについてが特に多かったですね。みな明日から実行してみるとのことなので楽しみです。


さきほど帰ってきたので、今日はすこし短めに。

経営の次元の話ですが、漠然と経営を考えるのではなく、次元に分けて考えてみようということです。
では、「次元」(ディメンション)とは何なのか?

簡単にいえば、「時間と空間の広がり」でしょうか。

経営において、一番時間が長く空間が広いのが、理念や使命、夢や価値観など。
「規範」と言われるものです。
少し具体的に短く狭くなってくるのが、構想や道筋を立てること、「戦略」
さらに具体的になって具体的な実行計画になってきて、「管理」
そして日々の「業務」
目の前の「作業」

このように経営を次元に分けると、「規範」「戦略」「管理」「業務」「作業」とすることができます。

組織内の話し合いの場面で、次元に分けていないと話がまとまりません。

部長たちが集まって、これから5年先の人材戦略について話し合っている時に、遅れてきた部長が、「明日の業務に人がいないんだけど何とかしてほしい」という話をし始めても困ってしまいます。

現場で業務改善の打ち合わせの最中に、急に誰かが、「そもそもうちの組織にはビジョンがないからダメだ」と言っても話し合いになりません。

次元があっちこっちに行ったり来たりするのは、面白いと言えば面白いのですが、会社の会議でそんなことをしたら何も決まらないし、そもそも会議が成り立ちません。
それは居酒屋の会話みたいなものです。

でも結構そんな会議をしている組織って多いのではないでしょうか。

経営の次元ごとのテーマを紹介します。
「規範」・・・ミッション、ビジョン、価値前提、パラダイム、アイデンティティ
「戦略」・・・競争優位性、独自価値、明快さ、共有・協調
「管理」・・・管理の原則とルール、目的の明確さ、評価・適応、アジリティ
「業務」・・・コア・プロセスとサブ・プロセス

明日からは「経営品質の基本理念」を考えていきたいと思います。

2008年12月05日

リーダーのあり方 『五省』

12月5日(金)

広島県呉市に来ています。
今、呉から広島へ向かう最終列車の中でこの文章を書いていますが、アップはギリギリ、ホテルに着いてからですね。

昨日書こうと考えていた「経営品質の基本理念」は、明日以降にさせてもらいます。
今日は、リーダーシップについて書いていきます。

なぜかと言えば・・・、
今日は念願だった『大和ミュージアム』をたっぷりと見学することができました。
平成17年に完成した『大和ミュージアム』。当初は年間30万人くらいの来場者を見込んでいたらしいのですが、映画『男たちの大和』の封切り、ヒットも重なって、何と年間100万人の来場者。昨年今年も約70~80万人の来場者とのこと。
明治以降から、特に第二次世界大戦前、大戦、そして戦後(戦時中の技術がいかに戦後に活かされているかなど)の流れが、わかりやすく、豊富な展示で2時間見学していてもまだ時間が足りなかったですね。
もう少しひとつひとつ(例えば手紙や遺書など)をじっくり読みたいと思いました。

ずっと見学しながら心に迫ってくるのは、リーダーのあり方、覚悟について。

特に足が止まり、しばらく考えさせられたところは、戦艦大和が無駄死にとも思われる沖縄特攻作戦の前に乗組員たちに語った臼渕大尉の言葉。

映画『男たちの大和』でも私が一番心が締めつけられたところです。

  『進歩のない者は決して勝たない
  負けて目ざめることが最上の道だ
  日本は進歩ということを軽んじ過ぎた
  私的な潔癖や徳義にこだわって、本当の進歩を忘れていた
  敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか
  今目覚めずしていつ救われるか
  俺たちはその先導になるのだ
  日本の新生にさきがけて散る
  まさに本望じゃないか』

死に様は、まさに生き様。
こんな思いで死んでいった先人たちに対して、今の自分にこれからの時代を担っていくどれだけの覚悟があるのか、本当に突きつけられた思いでした。

またそんなリーダーをどのように育てていったのかは、江田島の旧日本海軍の海兵学校の『五省』でしょう。
「リーダーのあり方」として、今でも変わらずその必要性を実感できます。

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五省』  

一つ、至誠に悖(もと)るなかりしか
 (真心をもって誠実に人(部下)や事にあたっているか)
 
一つ、言行に恥ずるなかりしか
 (リーダーとしてふさわしい言動をとり、言行を一致させているか)
 
一つ、気力に缼(か)くるなかりしか
 (強い精神力をもって立ち向かうべきものに向き合っているか、逃げていないか)
 
一つ、努力に憾(うら)みなかりしか
 (課題を乗り越えるべく骨を折り、本気で汗をかいているか)
 
一つ、不精に亘(わた)るなかりしか
 (怠けず、小事を疎かにしていないか)
 
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自分自身を深く考えさせられますね。
大変だったのは、今夜の受講生のみなさんでしょうか。
100年に一度の危機、30年間の世界経済構造の大変化、そんな時でも未来を創っていく気概と覚悟についていつも以上に熱く語ってしまいましたから・・・(苦笑)。

2008年12月06日

セルフアセスメント・・・自分を振り返ることによる気づき

12月6日(土)

広島県から徳島県に来ています。
今朝は寒かったですね。広島では雪がちらついていました。
ただ瀬戸大橋から見える景色はいつ見ても素晴らしいですね。

昨日書きました「リーダーのあり方」、江田島の旧日本海軍の海兵学校の『五省』。
これは「いつも自分自身を振り返りなさい、そうでなければ成長できませんよ」ということ。

自分で自分を振り返ることによって、「気づき」が生まれる。

経営品質向上プログラムの価値がまさにそれです。

経営品質向上プログラムには、「あれしなさいやこれしなさい」などは書かれていません。
質問項目、考える枠組みを提供しているだけです。
  こういった視点で自社の経営を考えるとどうですか?
  そもそも今やっていることは、どんな思いや考えから導かれたのですか?
  具体的に何をどこまでやろうとしているのですか?
  他とのつながりや連携はどうしているのですか?
  これまでの成果から何を学んで変えてきた、これから何を変えようとしているのですか?
などなど、
経営の要素ごと(リーダーシップやマーケティングなど)に問いかけられます。

いつも経営を自分たちで反省することの大切さ
それを「セルフ・アセスメント」と言っています。

セルフ・アセスメントは以下のように定義されています。

「自分たちが何をしているのか。なぜそうしているのか。またそれをどう行うか」を考えることで多くの気づきを得ること。

アセスメントというと、「評価」と訳すことが多いのですが、私はあえて「評価」という言葉を使わないようにしています。
それはなぜかと言えば、「評価」と聞くと、どうしても「良く見せたい」という気持ちがあるからです。
特に行政で見かけたのですが、「第三者評価」など本当によ~く化粧しています。

できていることよりも、できていないことを明らかにして、そこからどうするのかが大事だと思うのです。
傲慢にならず、謙虚に自分を振り返る、反省する。
そこに気づき、学びが生まれるのだと思います。

なので、経営品質向上プログラムに取り組むと組織が良くなるのではなく、謙虚に反省する意識がないと効果がありません。
それをこの10年、いろいろな組織(民間も行政組織も)を見てきて感じています。

最後に、リーダーとしてセルフ・アセスメントするために、尊敬する福島正伸さんの言葉を紹介します。
これを初めて読んだとき、正直涙が出てきました。

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   誉めても、叱りつけても
   どのように接したとしても
   人は、それに応じた育ち方をする
   子をみれば、親がわかり
   部下をみれば、上司がわかり
   社員をみれば、社長がわかる
   人が勝手に一人で育つことはない
   人は育てたように、育っている

   自分のまわりにいる人は、自分の鏡である
   相手がそうしているのは、自分がそうしてきたから
   相手が本気にならないのは、自分が本気になっていないから
   怒らないとやらないのは、怒ってやらせてきたから
   まわりが助けてくれないのは、自分がまわりを助けてこなかったから
   部下が上司を信頼しないのは、上司が部下を信頼してこなかったから
   収入が少ないのは、価値を与えていないから

   つまり
   得るものを変えるためには、まず与えるものを変えれば良い
   他人を変えたければ、自分を変えれば良い
   人を育てたければ、自分が育つ姿を見せることである
                                        福島 正伸

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自分自身を反省し、日々成長させていくことが、良きリーダーへの旅路なのですね。
そしてそれが、経営の品質を向上していく第一歩であり、極めて大切なことだと確信しています。

明日は、徳島県上勝町へ出かけてきます。

2008年12月07日

現場のひとりひとりが自ら考えて行動する・・・上勝町

12月7日(日)

出張の最終日は、徳島県上勝町へ行ってきました。
上勝町と言えば、「葉っぱ」をビジネスにして高齢者の方々が生き生きと働いている「彩(いろどり)」。
ずっと現場を見たいと思っていた念願が叶いました。

「彩(いろどり)」 http://www.irodori.co.jp/index/index1.html

代表取締役の横石さんに現場を案内してもらいながら、たくさんのお話を伺いました。
いや、本当にすごい! 
80歳以上の方々の元気なこと。
年金だけでなく、年収が500万円以上の方がたくさんいます。
何と1000万円以上も稼ぐおばあちゃんもいます。

驚いたのは、たかが「葉っぱ」と思うことなかれ。
その品質の高さは素晴らしいものです。
でなければ高級料亭がお金を出して買いませんからね。

またすごい山奥(本当に!)なのに、各家庭に光ファイバーでインターネットに接続したパソコンがあります。
そこに「彩」から提供される、市況やニュース、横石さんからのメッセージ、個人ごとの成績などたくさんの情報があります。
おばあちゃんたちは自分でパソコンを操作しながら、それらの情報から、何をどのくらい出荷するかを考えていくのです。

現場の最前線のひとりひとりが、目的・目標意識を持って、自ら考えて動く。
そして過去の結果から、自ら反省して、改善し、品質を高めていく。

これこそ「経営の目指す姿」ですよね。
それを山奥のおばあちゃんたちが実現しているんです。

多くの組織は、そんなことは理想であって難しいと言います。
でも、「できない」のではなく、「やらない」だけですね。

ぜひ悩んでいるリーダー・経営者は、上勝町へ行って勉強することをお薦めします(笑)。

上勝町では、高齢者が活き活きと忙しく働いているので、病気になるヒマがありません。
なので医療費が本当に少なくて済んでいます。
これこそこれからの日本の高齢社会の目指す姿と思います。

また上勝町は環境に取り組みもすごい!
2020年のごみゼロを目指して、町民全員で取り組んでいて、リサイクル、リユースを推進。
そして驚くことに、34のゴミ分別を実現しています。
34ですよ!

横石さんのリーダーシップ、プロデュース能力の高さを強く感じます。
今でも高齢者の方々をさらに元気づけるために、手書きのメッセージや現場を回って声がけをしたりと精力的に行動しています。

横石さんは、今後は他の町との連携、そして徳島県全体の活性化を考え、次なる手を考えていましたね。
以前、TV「カンブリア宮殿」で横石さんのことを「現代の二宮尊徳」と言っていましたが、まさに同感です。

今回の出張中は、経営品質の解説とはちょっと違った内容になってしまいましたが、また明日から頑張ります。

2008年12月08日

基本理念 その1

12月8日(月)

愛知県豊田市の来年度の法人市民税収が今年度の当初予算から9割も減り、442億円が約40億円と、400億円近い減収になる見通しであると先ほどニュースで流れていました。トヨタ自動車をはじめ市内の企業の業績が急悪化しているのが原因とのこと。予算査定も一からやり直しとのことで、いよいよ世界恐慌の影響は地方自治体の経営も直撃し始めていますね。
こうなると単なる数字合わせではどうしようもできませんから、いろいろな視点から仕事を見直す良い機会ととらえて、頑張ってほしいですね。

さて、経営品質向上プログラムの基本理念について考えていきたいと思います。

日本経営品質賞2008年度版アセスメント基準書によれば、経営品質向上プログラムは、「卓越した経営」を目指していると書かれています。

Performance Excellence (パフォーマンス・エクセレンス)

私がこの言葉を初めて聞いたのが1999年。
とても響きの良い言葉です。
本当ならば「Excellent Performance」というところを、こういう言い方にするのが英語は格好良いですよね。

Performance(パフォーマンス)というのは、日本では業績とし、単に結果を意味することが多いですが、正式には「結果だけでなく、それを導く行為や状態も含む」意味です。

Excellence(エクセレンス)は、最上級のほめ言葉。
試験で先生が教えたことを正確に答えれば100点のGood(グット)ですが、自分なりの考え、オリジナリティがあると、120点のExcellence(エクセレンス)!

それでこれを茨城県経営品質協議会では、「すばらしい経営」としました。
茨城県経営品質協議会も、英語名は他の県の協議会と違うことを知っているでしょうか?
他の協議会は、Quality(クオリティ)を使っていますが、茨城では、
「Ibaraki Council for Performance Excellence」
ちょっとこだわってみました。
でも名前は大事ですからね。
本当は個人的には日本語名ももう少し格好良いのにしたいのですが・・・。

さて、そんな「すばらしい経営(卓越した経営)」を実現していくための考え方をまとめたのが、「基本理念」です。

「顧客本位」「独自能力」「社員重視」「社会との調和」

の4つの要素から構成されています。
そして4つの要素すべて関連づけて考えていくことが求められています。
どれかひとつかふたつをやればいいとかではありません。

「顧客本位」
本位という言葉に強い意味が込められていますよね。
顧客第一や顧客中心ではなく、顧客本位。
「金本位」の本位で、「基準となるもの」の意味です。

アセスメント基準書にはこう書かれています。
「企業・組織の目的は、顧客価値の創造です。
価値の基準を売上や利益ではなく、顧客からの評価に置きます。顧客の価値評価こそがすべてに優先する基準であり、すべてのことは、顧客へ価値を創造、提供することができているかという観点で評価されるものと考えます。もちろん企業・組織である以上、利益の追求を否定するものではありませんが、それは顧客への価値提供の結果として得られるものである、ということを大前提としています。」

もうひとつちょっと難しい言葉が、「価値」

岡本正耿先生の書かれた経営革新基礎コースの黒本によれば、
「価値とは、人々の意図や意思に基づいて生まれ、認められるものです。この意図や意思が以前に比べると分化し、多様化してきています。」
多様化しているからこそ、自らがどのような価値領域を選択するのかを明確にする必要があり、明らかにしなければ企業の独自性を発揮することができなくなります。

「顧客本位」の大事なポイントは、「顧客は誰か」から始まること。
そして「どのような価値を提供するのか」を明確にしていくことです。

これは非営利の行政でも共通していることです。
続きはまた明日。

2008年12月09日

基本理念 その2

12月9日(火)

同志である京都の人見さんのブログを読んで、松下幸之助さんの『実践経営哲学』(PHP)を一気に読み返しました。
何度読んでも学びの多い素晴らしい1冊。
経営の品質を高めるためにはぜひ読んでほしい(そして実践してほしい)ですね。
来年、地元の勉強会の教科書として使おうかと考えています。

昨日は基本理念の「顧客本位」について書きました。
今日は他の3つの要素を考えていきたいのですが、昨日も書いたようにこの4つの要素はすべてがつながっています。

ひとつだけ頑張ってもダメで、すべてを満たすことが重要です。
もちろんそれはとても難しいことだと思います。
でも自社の経営を「すばらしい経営」にしていきたいという思いで、一歩一歩、紆余曲折しながらも歩んでいくことが大切なのです。

時代は、顧客は、止まることなく変化していきます。
まさに「クオリティ・ジャーニー」、経営の品質を高めていくことに終わりはありません。

さて、顧客に価値を創造するためには、「独自能力」の追求が重要です。

「アセスメント基準書」から引用すると、
『他組織と同じことをよりうまく行うのではなく、独自の見方、考え方、方法による価値実現を目指します。独自の価値を創造するには「学ぶ」ことが大切ですが、単に手法を真似ることではありません。独自の能力を磨くために「見方」「考え方」を学ぶことが重要なのです。こうした学習によって今までにない「独自能力」を形成し、能力を発揮することができます。』

手法を真似るのではなく、「見方」「考え方」を学ぶことが重要・・・という所がカギですね。
よく企業視察といって先進企業を見学に行きますが、目に見えるところではなく、その企業の経営者や社員さんたちが、どんな内容のミーティングをやっているか、どんな話をしているか、過去から現在に至る変化などを見てくる、聞き出してくることが重要です。

そして顧客価値創造のための独自能力となると、まさに「社員重視」でなければ実現できません。

『一人ひとりの尊厳を守り、社員の独創性と知識創造による企業・組織目標の達成が重要です。
経営を知識創造、業務を学習ととらえます。社員を知的創造者と位置づけるには、知識を尊ぶ風土が不可欠です。人々が知的好奇心を持ち、学習意欲を高めるための環境づくりが必要です。計画は幹部と一部の管理スタッフでつくり、その他は実行するという支配統制型の経営ではなく、社員による目標設定と自律的な経営を目指します。戦略が形成されるプロセスでは、社員の自主性と創造性が不可欠です。そのために経営幹部は、高い思考能力を持った社員を育て、そうした社員が自由に発想し、対話できる環境を意図的につくらなければなりません。』(アセスメント基準書より)

これは説明は要りませんね。
まさにここに書いてあることを実現するのが経営の一番の目的である、と言う経営者もいます。

ある時、質問を受けたことがあります。
「顧客本位は「本位」というとても強い言葉で表現されているのでよくわかります。でもその実現にはまず社員が育たなければならないのに、「重視」では軽いのではないでしょうか?」

これには困りました。
本位と重視を比べたら、重視はちょっと軽いと言われても・・・。

その方には、「あまりこだわらず考えてください。確かにおっしゃるように、まず社員が自主性と自発性を持たないことには、価値創造は難しいですよね」と答えました。
何かもっと良い表現はありますかね。

そして「企業は社会の公器である」と松下幸之助さんの言葉があるように、「社会との調和」

『社会に貢献し、調和することが重要です。
 企業・組織は社会の一員であるとの考えにもとづいて、社会に貢献する、社会価値と調和することを目指します。』(アセスメント基準書より)

顧客の役に立つからと言って、社会に悪影響を及ぼすことをして良いのか?

実はこの問いかけは、私が外資系金融機関で不良債権に対するデリバティブズ商品を販売していた時に感じた疑問です。

これを書きだすと止まらないのでやめますが、日本では昔から言われていますよね。

「お天道様が見ている。お天道様に恥ずかしくない生き方をしなさい。」
「そんなことをしていると、バチが当たる」

日本もこの20年、結構やりたい放題の人たちがいました。
この1年で少しは懲りたでしょうか。
もう一度作り直し、やり直しですね。

さて、初めて経営品質向上プログラムの「基本理念」を見た時に感じたことは、
日本の良さは、「顧客本位」「社員重視」「社会との調和」といった「志」、
米国の強さは、「独自能力」という戦略性、
つまり経営品質の基本理念は、日本と米国の良さのミックスであるということ。

経営品質の「品質」ですが、その目的は基本理念です。
それは絶対に変えてはならないものとしています。
だから単に儲かっている企業を「すばらしい経営」とはしません。

明日からは、「重視する考え方」を考えていきます。

2008年12月10日

重視する考え方 その1

12月10日(水)

昨年夏から始まった金融不安から世界恐慌の流れで、日本企業の人員削減・人員整理のニュースは毎日のように流れています。今日も大分の大手企業の工場でのニュースが話題になっていますが、みなさんはどうお感じでしょうか。
私が学生の頃に読んだ、日本の経営者の書いた本には、働く人の首を切るのは経営者としては恥、やるのは最後の最後に涙を流してするものだと書いてあったのを記憶しています。その後、米国に渡りウォール街の企業で働いていたときに、あまりにも簡単に働く人がクビになるのを目のあたりにして、米国はとんでもないところだと思ったものでした。
しかし日本も平成2年のバブル崩壊の後に、初めて日本の大手企業がリストラという名の下に人員整理をしたのが日経新聞の1面を飾る大騒ぎになり、とんでもないことだの声が多かったのですが、あれからこの国の経営者はあまりにも簡単に利益のために雇用を考え始めました。
私の友人も今、業績悪化でとても苦しんでいますが、社員を前にしてこう話をしています。
「私は誰一人としてクビにはしない。約束する。しかしわが社の業績は過去に例のないほどに苦しい状況だ。申し訳ないが、みんなの給料を下げさしてくれ。もちろん私の報酬はみんなのダウン以上にカットする。それからこれからは私は休み無く必死で働く。だからみんなも協力してお客様を回ってくれ。みんなで力を合わせてこの状況を打破しよう。」
必死に取り組んでいる姿を私も何とか応援したいと思っています。


今日は、経営品質向上プログラムの「重視する考え方」についてです。

『重視する考え方とは、基本理念にもとづき、その時代時代の経営環境上求められることや経営上の重要な関心事や課題に対応するためのものを示しています。』 (アセスメント基準書より)

  1.顧客から見たクオリティ
  2.リーダーシップ
  3.プロセス志向
  4.対話による「知」の創造
  5.スピード
  6.パートナーシップ
  7.フェアネス

以上の7つですが、それぞれの内容を書く前に気になったことがありました。
経営品質向上プログラムは、時代の変化に対応するために、毎年見直し・改定が行われてきました。
この数年はあまり大きな改定もありませんが、過去には大幅な変更のあった年もありました。
そういえば今日紹介しようとしている「重視する考え方」も、これまでに変化してきたはずと思い出しましたので、今日は私が経営品質に出会ったときからの流れ(変化)を紹介したいと思います。

私が経営品質に出会い、アセスメントコースを受講したのが1998年のことです。
そして1998年度版は、アセスメント基準書とは言わずに、「審査基準書」としていました。

1998年度版では、今の「重視する考え方」ではなく、「コンセプト」です。

  1.顧客が評価するクオリティ
  2.経営幹部のリーダーシップ
  3.仕組みやプロセスの継続的改善
  4.人材の育成と能力開発
  5.顧客・市場への迅速な対応
  6.協力の精神と仕組み
  7.環境や社会に対する責任

やっぱり今とはちょっと違いますね。

1999年度版も98年度版と変わらず、「審査基準書」で、「コンセプト」、内容も同じでした。

2000年度版は「審査基準書」でしたが、「コンセプト」が「基本的な考え方」となり、内容も少し変わりました。またこの年、基本理念が作成されました。

  1.クオリティ
  2.リーダーシップ
  3.プロセス
  4.「知」の創造と活用
  5.時間とスピード
  6.パートナーシップ
  7.環境保全と社会責任
  8.情報に基づく経営
  9.グローバリゼーション

表現がシンプルになり、項目が増えましたね。
「グローバリゼーション」が出てきたのが時代を表しています。

2001年度版から「アセスメント基準書」に名称を変更しました。
「基本的な考え方」は、前年度9つだったのが11に増えました。

  1.クオリティ
  2.リーダーシップ
  3.プロセス
  4.「知」の創造と活用
  5.時間とスピード
  6.パートナーシップ
  7.社会的責任と環境保全
  8.事実に基づく経営
  9.グローバリゼーション
  10.フェアネス
  11.イノベーション

「イノベーション」が出てきました。ITやベンチャー企業が活発になった時代ですね。

2002年度版では、「基本的な考え方」に変更はありませんでした。

2003年度版では、「基本的な考え方」から「重視する考え方」に名称を変更。昨年度11あった要素を7つにしました。

  1.顧客から見たクオリティ
  2.リーダーシップ
  3.プロセス志向
  4.対話による「知」の創造
  5.スピード
  6.パートナーシップ
  7.フェアネス

お分かりのように、2003年度版以降は「重視する考え方」に変更はありません。

久しぶりに昔の「審査基準書」を引っ張り出して読んでみましたが、自分でもいろんなことをメモしていて、懐かしいですね。
そしてこの10年の時代の変化をあらためて感じます。

明日から「重視する考え方」の内容について書いこうと思います。

2008年12月11日

重視する考え方 その2

12月11日(木)

最近の世界恐慌の中で、経営品質向上を取り組んでいた(と思われる)組織・企業は大きく分けると2つに分かれていますね。

「こんな時に、経営品質なんてやっている場合じゃない」
「こんな時のために、経営品質を高めることを学んできた(取り組んできた)のだ」

みなさんはどちらですか?

米国では国営自動車会社が生まれるかどうか、米国議会が注目されています。
下院は通りましたが、さて上院はどうでしょうか。
そもそも国営にしても、売れる車を作っていないのですから大変だと思いますが。

厳しい環境の中でこそ、経営の真価が問われます。
大量生産・大量販売のビジネスモデルから、量から質へ、御用達のビジネスになっていくと思われます。

さて、「重視する考え方」ですが、今日は2つほどを。

顧客から見たクオリティ
 お客様にとって価値があるということが重要です。
以前、「品質(クオリティ)」の説明でもしたように、良いか悪いかの最終判断は受け手、お客様がします。
お客様はご自身の判断基準を持って、それで判断するのです(知覚品質)。
しかもお客様は競合企業など、他と比べていますので、他よりも優れていないと価値があると判断されません。
そのためには独自能力を高めなければならず、またその大前提として、自分たちの顧客は誰なのか、どのような価値を提供するのかを明確に決めていかなければなりません。
従って、「顧客から見たクオリティ」は企業にとって重要な「戦略」ということになります。

リーダーシップ
 今晩のニュースを見ていたら、最近の自民党内において首相の政策運営に対する批判が多い状況に古賀氏が、「後ろから鉄砲を撃つことだけは絶対にないようにお願いしたい。」と発言していました。

私のリーダーシップの師匠であるワシントン大学のベティン教授は以前、ご自身がベトナム戦争で戦った経験から、以下のような話をしてくれました。
「リーダーシップは生き死にに関する重要な問題である。信頼されないダメなリーダーの組織は、敵が急に前から攻めてくると弾が後ろから飛んでくる。みんなダメなリーダーを殺して逃げてしまう」

組織は信頼関係で結ばれているし、そうでなければ組織力、相乗効果は生まれてきません。
いかに信頼関係を築き上げるか、リーダーシップは極めて重要な問題です。

メンバーひとりひとりの意識(目的意識・問題意識)を高め、考える力を上げなければなりません。
組織内に対話が十分に行われ、対話そのものが学習と共感の場となるようにしていかなければなりません。
そしてリーダーは、良き語り部であるとともに、良き聴き手にならなければならないのです。

「良き語り部」と言うと、リーダーにとって気をつけなければならないのが失言。
これも今晩のニュースからですが、失言の多い首相に対して伊吹氏が「失言しないコツ」を話していましたね。面白いのでちょっと紹介します。

避けるべき6つの「T」
1.「正しい」と思い込んで不要な発言をする
2.「立場」をわきまえず、言ってはいけないことを言う
3.人を見下すような「態度」を取る
4.話す「タイミング」を間違える
5.「旅先」で気がゆるむ
6.笑いを取ろうと「例え話」をする


世界経済の大混乱だけでなく、国内の政治も混乱ですから大変です。
しっかりと頑張っていきましょう。

2008年12月12日

雑感

12月12日(金)

宮崎に来ています。
これから宮崎の友人たちとの懇親会があるために(おそらくホテルに帰ってくるのは12時を過ぎるでしょう)、今日は「経営品質講座」というよりも雑感として書かせてもらいます。
(えっ、いつも雑感みたいなものじゃないかという突っ込みはやめてください)

宮崎の方に商売の様子を聞いてみたところ、みなさんかなり厳しいとの声です。
17年前のバブル崩壊の時に宮崎はあまり大きな影響はなかったので、今回の株価急落などを見ていても、そんなに大変なことにならないだろうと考えていたそうです。
そういう方が全国に多いんでしょうね。

あの当時は日本がバブルが弾けましたが、米国や欧州は過熱も暴落もしていませんでした。
金融市場は各国そんなにつながっていなかったし、ましてや商品市場も金融市場との連携はさほどありませんでしたね。
つまりまだインターナショナルの頃で、世界の市場には「防火シャッター」がついているようなものだったのです。
それを米国が、そんなのは非効率だ、世界の市場を(金融も商品も)ひとつの考えで動かした方が良いと世界中に広めました。
それがグローバルスタンダード。(アメリカンスタンダードなんですが)
そして米国はその胴元として、米国が借金をしてモノを買って世界中にばら撒いたお金の回収に力を入れたのです。
だから米国は世界中から米国に投資しやすいようにと変てこな金融商品(デリバティブズ)を大量に作り、ドル高政策を推し進め、自国の産業競争力はあきらめました。

何度も書いていますが、今回の世界恐慌はこれまで経験したことのないもの。
特に30年間続いた不均衡の世界経済システムが機能停止になってしまったのですから、根本的に作り直しをしなければならないようです。

今、一番恐れていることがあります。
すでにギリシャでその動きが出始めてしまっているので心配しています。

「経済とは、みんながご飯を食べられる仕組み」

先日藤原さんから教えてもらった言葉ですが、まさにその通りだと思います。
極端に言えば、資本主義でも社会主義でもかまわないのだと思います。
人々がまずご飯を食べれなかったら、その経済はダメだということになります。

ギリシャでは若者が暴動を起こしてなかなか治まりません。
今、欧州各国は自国に飛び火してくるのを恐れています。
米国ではオバマが、昔、世界恐慌の後にルーズベルト大統領が行った「ニューディール政策」のようなものを行う用意があると発表しています。
ぜひ日本でも、お金を配るとか補助金を出すとかではなく、政府が仕事を用意するところまで来ているのだと思っています。

社会が一番怖いのは、失業者が溢れること。
ご飯が食べられなくなることです。

日本の歴史を見れば、そういう時に、一揆・打ちこわしが起きています。

仕事がある。
寝る場所と食べるものがある。

増税や減税の議論ではなく、今はどんなに財政が厳しくなっても、そこを何としてほしいと願っています。

では、これから宮崎の夜の街に出かけてきます。

2008年12月13日

重視する考え方 その3

12月13日(土)

米国では自動車会社救済が、議会上院で法案協議が決裂してしまいましたね。
米国政府は公的資金で支援することを検討すると緊急声明を発表しましたが、さてどうなるのでしょうか。
為替市場はドル売りが加速して、いよいよ1995年につけた79円が視野に入ってきました。
日本に多額の貿易黒字を稼ぎ出してくれている製造業も正念場を迎えています。そして日本経済そのものも、先人たちがこれまで数多くの困難を乗り越えてきたように、今こそ変化しなければならない時ですね。
でも私は日本人のDNAには変化を乗り切る力があると信じています。


さて今日は、「重視する考え方」を引き続き考えていきたいと思います。

プロセス志向
 経営品質向上プログラムに出会ったときに、まず一番何が興味深かったかと言えば、このプロセスを重視するという考え方でした。
大学時代に会計学を、銀行に入って財務諸表の見方を学んでいたのですが、それだけではどうしてもわからない、見えないことがあると感じていました。
もちろん結果の数字は大事なのですが、もっと重要なことは、結果を導くプロセス。
プロセスの改善、改良、革新なしに、結果を変えることはできませんからね。

ただプロセスという言葉(英語)に抵抗のある方もいます。
プロセスとは何か、まずそこがなかなかわかりづらいのですね。

プロセスとは何かを定義すると、「継続的に一貫した結果を出すための、一定の活動の連続」。

でもなかなか簡単に説明できなくて、つい簡単に「仕事の流れ」と言ってしまうことがあります。

「プロセス志向」について、アセスメント基準書では以下のように説明しています。

『経営品質向上プログラムでは、業務プロセスとともに、高い価値を求めてプロセスを変えていく経営革新プロセスに焦点をあてています。
 ひとつは、組織の目的を達成するという視点に立って業務と業務のつながりを重視し、組織や部門の枠を横断する全体最適なプロセス創造を追及しています。
 次に、こうしたプロセスを追求するには、ものの見方や考え方を革新しなければなりません。組織の枠を超えて全体最適のプロセスが実現できるような、組織のものの見方や考え方、話し合い方や掘り下げ方など、知識創造のプロセスが組織内で構築されていなければならないと考えています。』

大事なことは、ものの見方や考え方、話し合い方、掘り下げ方もプロセスであり、その革新こそが重要であるということですね。

良い例えではないかもしれませんが、ゴルフのスコアを良くしたい、ハンディを下げたいと思ったらどうするか。
すぐやってしまうのが、簡単にクラブを買い換えてしまうこと。
でもダメですよね。
導入した仕組みがうまくいかないと、反省もせずにすぐ新しい仕組みに飛びつく会社みたいなもの。
やはり、「心・技・体」のそれぞれをいかに高めるかを考えていかなければ無理です。
特に上級者になればなるほど、心、メンタル面を重視し、強化していきます。
メンタル、それこそプロセス。

「経営革新を推進する」ということで、よく紹介するのが「健全な組織プロセス」について

  「成果を高める」
  「成果を高める行動に変える」
  「優れた行動を導く対話を行う」
  「良い対話の前提となる思考を高める」
  「思考を高めるための意識を変える」

また、多くの人が知っている「PDCAサイクル」
Plan(計画)→Do(行動)→Check(評価)→Action(改善・学習)

Do(行動)だけがプロセスではなく、それぞれPDCAがプロセスであり、私は特にPlan(計画)のプロセス改善・革新が重要だと考えています。
それが「健全な組織プロセス」で書いた、下の3つ。
Planの質を高める、革新するためには、まさに意識と思考、対話を変えなければなりません。

尚、プロセス評価は結果と違い数値化できないことがありますが、定性的に捉える努力が求められます。
なかなか難しいと思いますが、それも今後この講座で考えていきましょう。

2008年12月14日

重視する考え方 その4

12月14日(日)

宮崎から水戸へ戻ってきましたが、寒いですねえ。

最近、企業で作るビデオを見せていただいていて気づいたことがあります。
高知のOさんが作る感動ビデオもそうですが、バックに流れる曲が小田和正さん(オフコース)の『たしかなこと』や『言葉にできない』、そして『生まれ来る子供たちのために』。
オフコース世代の私にとって小田和正さんは特別な存在ですから、最近ではもうイントロが流れただけで涙がこみ上げてきてしまう「パブロフの犬」状態です。(苦笑)

ところが最近、若い社員さんの多い会社のビデオ(やっぱり社員さんやお客様の笑顔いっぱいの感動ビデオ)に流れている曲が・・・、ミスチルなんですね。
『GIFT』 『HERO』、そして『しるし』・・・。
若い社員さんたちがこの曲を口ずさみながら涙を流している姿に感動してしまいました。
良い曲ですよね。小田さんもすごいけど、桜井さんも天才。
我が家の娘たちも大好きでよく家やクルマの中で合唱していますから。

でもこれってビデオを作る人の年齢と関係あるのでしょうかね・・・(笑)。


さて、今日の「重視する考え方」は、

対話による「知」の創造

アセスメント基準書の説明の一部を紹介します。
『「知」には情報や知識・知恵を含めてあらゆるものが入りますが、特に「知」を活用するために、次の3つが不可欠です。
1)現状を分析し課題を明確化して、解決方法を確立する方法についての「知」
2)現在の業務における専門的な技能や「知」
3)組織やチームのプロセス結果をダイアログ(対話)によって高め、創発が生まれるようにするセンスと技術などの「知」
 決定的に重要なのは、既成概念や慣習にとらわれない活気に溢れたダイアログ(対話)を発展させるための知識と風土づくりであり、そのためにも、絶対的に正しい理論や知識というものは存在せず、お互いの考えをお互いに話し合い、聴き合うことで、はじめて新たな「考え方」が生まれるとの前提に立つことが重要です。』

みなさんの組織において、話し合い(対話)はあるでしょうか。
話しているだけ(特に上司が)になっていないでしょうか。
ひとりひとりが、事実と意見を分けて、1人称で話をしているでしょうか。
聞きながら次に何を話そうと考えているのではなく、心から相手の言葉を、言葉の裏にある心を理解しようと聴いているでしょうか。
相手の持っている知識や経験を否定せずに聴き、自分の持っている知識や経験と反応させ、新たな考えを生み出しているでしょうか。

『対話による「知」の創造』といえば、ナレッジマネジメント。
ナレッジマネジメントといえば、野中郁次郎先生。
野中先生は、日本経営品質賞委員会のメンバーでもあります。

私がもう10年間愛読している月刊誌『致知』の今月号に、野中先生と三井物産の槍田社長との対談が出ていました。そこに『対話による「知」の創造』について書かれていたので紹介します。
(個人的に「致知」1月号はいつも以上に素晴らしい内容だと感じました。ぜひ読んでみてください)

三井物産の価値観「良い仕事」について、野中先生が話をされています。
『私も実際にタイに行って現地の幹部やスタッフが「良い仕事とは」と議論し合う様子を見たことがあります。青くさい議論なんですけども、これがとても重要なんですね。唯一最善の解なんてないわけですから、自分の頭で考え、仲間と議論を繰り返さない限りよい答えは浮かんでこない。知は迂回しながら膨らんでいくものというのが私の持論です。』

『ですからこれからの時代、強烈なカリスマというよりも、槍田さんの車座ではありませんが、経営者が現場に入り込んで重層的に対話の場をつくり、自身のコンセプトを話し、皆で共感し合う。そしてそれを浸透させていくリーダーシップが理想的だと考えています。』

急に良い対話をしようとしてもすぐにはできません。
でもやらないことには何も生まれません。
まずは場をつくり、始めてみてください。

『ほんものはつづく、つづけるとほんものになる』(東井義雄先生)

2008年12月15日

重視する考え方 その5

12月15日(月)

TV「カンブリア宮殿」にユニクロの柳井社長が出演していました。
ユニクロは創業以来、フリース大ブームもありましたが、何度も失敗、危機を乗り越えて、現在は今期過去最高の営業成績を上げようとしています。
柳井社長の言葉をちょっとだけ紹介すると、

・失敗を成功に活かす極意について
ビジネスに失敗はつきもの。早く失敗して、早く考え、早く修正すること

・どうすれば失敗があっても守りに入らずに攻められるか
目標や理想、こうありたいという尽きない夢を持つこと


さて、今日の「重視する考え方」は、ユニクロの柳井社長も話をされていた『スピード』。

アセスメントガイドブックには、以下のように説明されています。
『スピードとは、単に「早く事を進める」という考えではありません。どのようなことにどれだけの時間を配分すれば、いちばん効果的にものごとを進められるかということを重視しています。』
『スピードとは将来の目的のために、今何に時間を配分してできるだけ早く目的を達成するかという戦略的な考え方なのです。』

全体の時間を短縮するには、部分ごとの時間短縮ではなく、どこにどれだけの時間を配分するかを検討する方が重要ということです。

アセスメント基準書には、こんな説明も書かれています。
『価値前提が明らかであれば、物事の優先順位がはっきりとしていますから、どのようなこともスピーディーに行うことができます。』
『経営のスピードを上げるためには、価値前提の明確化と浸透、そして経営幹部による風土の情勢が不可欠です。』

顧客接点の現場での意思決定のスピードがとても重要になってきていますが、そのためには価値判断基準が明確になっていないと無理です。
口だけで「早くしろ!」といくら経営者が言っても現場はどうしていいのか困ってしまいますからダメですよね。

すいません、今日はちょっと体調不良につき、このあたりで。

2008年12月16日

雑感・・・今日のニュースから

12月16日(火)

昨日の最後にちょっと体調不良と書いたら、何人もの方からメールをいただきました。
ずっとご無沙汰していたのに、たくさんの方がこの経営品質講座(ブログ)をまた読んでくれているんですね。
ありがとうございます。
みなさんの温かさがうれしいです。
疲れがたまっていたようですが、もう大丈夫です。

今晩のNHKテレビ「クローズアップ現代」で、最近の中国の様子を放送していました。
米国の需要が急激に減り、工場の閉鎖や資金繰りに苦しむ経営者、いきなり職や住む所を失った失業者たちが映し出されていましたが、中国は文化大革命後の新しい国で、ずっと右肩上がりの成長を続けてきましたから、こういった状況になると激しいですね。
各地で暴動も起きているようですが、今後がさらに心配です。

毎日厳しいニュースが多いのですが、今日はうれしいニュースがありました。

(時事通信社より)
『大分県杵築市、失業者を臨時職員採用=大分県は家賃相当額を企業に補助』
 キヤノンの生産子会社大分キヤノン(大分県国東市)と大分キヤノンマテリアル(同県杵築市)の非正規労働者約1200人が雇用契約解除に直面している問題で、杵築市は16日、失業者を対象にした臨時職員募集を始めた。自治体が失業者の直接雇用に乗り出すのは異例。
 市によると、各課が1~2人程度採用する方向で調整し、期間は1人最長1カ月。交代で2009年3月まで雇用する方針。市内在住であれば住民登録は不要で、希望者には解雇通知書や離職証明書を提出してもらい、面接を行った上で雇用する。給与は月10万円程度。
 併せて、会社の寮などから退去を迫られ、転居先の当てがない労働者向けに市の研修施設「横岳荘」を緊急宿泊所として提供する。通常1泊3000円(食事なし)の料金を半額か無料にする方向で検討している。
 大分県は、解雇された非正規労働者らに寮や社宅を無償提供する事業者に家賃相当額を最長2カ月分補助する。


12日に書きましたが、これから年末年始で、失業してご飯が食べられない、寝る場所のない人たちが増えてきた時の社会を心配していましたが、杵築市の素早い対応は素晴らしいと思いますね。

経済は強者を生み出し、弱者を守るのが政治

本来であれば、早く国が対応してほしいとも思うのですが、地方自治体の方が地域と連携して迅速に対応できますから、これから各地でこういった動きが出てくるのを期待しています。

このブログは、自治体の人もたくさん読んでくれていますので、よろしくお願いしますね。

またJCメンバーもたくさん読んでいますので、それぞれの地域の自治体に働きかけをしましょう。よろしくお願いします。

明るく豊かな社会とは、こういった状況の時にこそ、「みんなが安心して暮らせる社会」だと思います。

2008年12月17日

知覚品質

12月17日(水)

今日は、岡本先生による『茨城で働く社長のための経営塾』の最終回。13時から18時までの研修。ちょうど今、参加者のみなさん、自分の経営について深く考え、他の人と話し合っていますが、今日も多くの学び、気づきがあるようです。

今日は最終回ということで、終了後は忘年会を兼ねた懇親会も用意されています。
その場では、またこの時間とは違った議論になって盛り上がることと思います(苦笑)。
私も懇親会に参加しますので、今日の書き込みはちょっと短いことをお許しください。

今日のマーケティングでも出てきたのですが、以前ちょっと書いた『知覚品質』について紹介したいと思います。

『知覚品質』という言葉もあまり聞きなれない言葉ですよね。
簡単に言えば、
「お客様が持っている、自社の製品やサービスを他社と比較するモノサシ(品質基準)」

お客様はその自分のモノサシで、良いか悪いか、取り引きしようかどうかを判断してきます。
企業としては、自分たちのお客様の知覚品質を知らないのは怖いことですよね。

「サービスの知覚品質」をいくつか紹介すると、
 ・視覚的要素(目に見えるもの。ユニフォームや身だしなみなどで、清潔感は大事です)
 ・正確さ(間違いなくやってくれる)
 ・専門能力(それぞれのサービスにおける専門性の高さ)
 ・反応の良さ(質問に対する反応の早さと的確さ)
 ・共感性(お客様を理解し、共感してくれることはお客様にとってうれしいことです)
 ・約束を守る(時間を守れないのは問題外)
 ・信頼性(困ったときに頼りになる度合い。営業マンは特にこれが重要だと思っています)
 ・礼儀、丁寧さ(品の良さ、態度)
 ・安全性(不安がない、無用な心配をさせない)
 ・連絡のしやすさ、会いやすさ(連絡の取れない営業マンは厳しいですよね)
 ・コミュニケーション能力(掘り下げて話し合えるかどうか)
 ・顧客の理解度、理解のための努力(顧客状況などへの精通度)

当たり前と思えるものやあるとうれしいと思うものがあると思います。
その基準もあなた自身の知覚品質。人によって違っているのです。

「有形製品の知覚品質」は、
 ・基本性能(ペンなら書ける、時計なら時を刻む。最も基本的な機能や性能)
 ・特徴(性能に差がない場合に、選択する要素)
 ・規定品質(決められた通りのモノかどうか。伝統的な物的品質)
 ・信頼性(機能、性能が安定して得られるか)
 ・耐久性(環境や使い方に耐えられる度合い、寿命。時計でここに訴えたのがGショック)
 ・サービス性(故障や問題への対応。有形製品にも求められます)
 ・美しさ(仕上がりの良さ、美しさ)
 ・名称(イメージ連想が重要です)

ぜひ自社と競合企業と比較してみてください。
今のような不況になればなるほど、自社の特徴をどこで出すのかを明確にしなければなりません。

すいません、今日はこの辺りで。

2008年12月18日

組織とは・・・一体感をどうつくりだすのか

12月18日(木)

年末になり、来年に向けての打ち合わせ兼忘年会が多くなってきました。
今日は都内であり、久しぶりに上野発最終列車の車内です(苦笑)。

今年多くの組織において、組織変革の研修をさせてもらいましたが、感じたことが「組織の一体感のなさ」、そしてそもそも「組織として成り立っていない」。

組織とは何か、なぜ組織を形成するのか、ということになると
「人は自分ひとりでは能力に限界があるため、その限界を克服し、目的を達成するために、他の人々と協働する」
組織論の大家であるチェスター・バーナードは、組織を「協働行為の体系」ととらえました。

そして、組織が成立する要件として3つ挙げています。
  ・共通の目的の共有
  ・ひとりひとりの貢献意欲
  ・コミュニケーション

多くの組織が上記の成立要件があやしいのではないでしょうか。
今は人数が減っていくのに高い成果を求められていますので、何とかして組織のまとまり(一体感)による相乗効果を生み出していきたいのですが、特に組織内における人間関係が仕事だけのつながりになっていて、なかなか良好なコミュニケーションが取れていないようです。

そういった状況の中、今年の管理職対象の研修では下記の質問をさせてもらいました。
組織を考える前に、まず個人としてお聞きします・・・

「あなたの夢は何ですか? 
    子供の頃の夢、働き始めたことの夢、今持っている夢を話してください」

みなさん、最初はなかなか話してくれませんが、段々と口が開き始め、時間が経つにしたがってかなり盛り上がってきます。
またその時のみなさんの表情が良いんですよね。

そして、
「みなさんの部下ひとりひとりの夢を知っていますか?」

これはかなりあやしくなりますね。
ほとんど知らない方ばかりです。

お互いひとりひとりの人間として、仕事以外のことも知っている方が、コミュニケーションを取りやすいものです。
組織内の非公式ネットワークが、実は大きなカギになりますからね。

ちょっと前の日本の組織は、大家族主義的なところが多かったですから、公私の区別なく互いを理解できていたところが多かったのではないでしょうか。
それが組織の一体感を生み出す力に、まさに日本の組織の強さの源だと思います。

そうしたら今日、以前に研修でお邪魔した組織の方が、
「明日はみんなで夢を語る飲み会をやるんですよ」と話をしてくれました。

いや~、うれしいですね。
厳しい状況が続いていきますが、いかに組織の雰囲気を作り、一体感を生み出していくかが重要です。
その組織の明日の飲み会が盛り上がることを期待しています。

今はなかなか若手を飲み会に誘うのも大変だと聞きました。
忘年会や新年会という機会をうまく活用して、「夢を語り合う」のはいかがですか。

2008年12月19日

お知らせ

12月19日(金)

今日も東京です。
街は週末で忘年会らしき人たちがたくさん出ていますね。
今夜は私も東京泊まり。さきほどまで高知の四国管財の中澤社長と楽しく懇親を深めていました。

ほろ酔い気分で申し訳ありませんが、今日はお知らせを2つ。

1.茨城県経営品質協議会で視察研修を開催します。
  視察先: 伊那食品工業株式会社 (長野県伊那市)
  日 時: 平成21年1月16日(金) 
         13:00~17:00 (現地集合・現地解散)
  参加費用: 会員企業 3000円 非会員企業 5000円 (お一人様)
  定 員: 30名(先着順)
  開催内容:  ・塚越専務より会社概要説明&会社見学
           ・従業員の方々との懇談(質疑応答)
           ・塚越会長よりご講演
  コーディネーター: 鬼澤慎人
  お申し込み、お問い合わせ先: 
          TEL 029(240)0371(茨城県経営品質協議会事務局)
          e-mail info@icpe.or.jp

10月に塚越専務に月例会にお越しいただきましたが、多くの方から実際に会社を訪問してみたいという声が多かったので企画しました。
どなたでも(全国どこからでも)参加できますので、もしご興味のある方はお早めにお申し込みください。
ぜひひとりでも多くの方に、塚越会長のお話を聴いていただきたいし、塚越会長が社是『いい会社をつくりましょう。』として、約50年かけて創りあげてきた会社の雰囲気、社員さんたちの笑顔をじかに見て、感じてほしいを思います。
これは行かなきゃわかりませんからね。


2.2008年度 日本経営品質賞報告会
  テーマ:「経営の基本に立ち返る」
       ~顧客価値を高める、社員が自ら考え行動する組織づくり~

  日 時: 平成21年2月26日(木) 10:00~17:10
                 27日(金) 10:00~15:30
  場 所: ロイヤルパークホテル (東京都中央区日本橋蛎殻町)
  費 用: 茨城県経営品質会員企業 52500円  一般 98700円 

毎年開催している、日本経営品質賞報告会です。今年度は残念ながら受賞企業がありませんでしたが、過去の受賞企業を中心に2日間の内容の濃いセミナーが目白押しです。
費用が高いと思うかはご自身の判断ですが、私はこれまで毎年報告会に参加して、そして今度の内容を見ても、決して高いとは思いません。
先日このブログでも紹介しました野中郁次郎先生も今回初めてお話いただきますし、そして米国MB賞を2度受賞しているザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー日本支社長の高野さんもご登壇されます。他にもネッツトヨタ南国の横田会長はじめ、これまでの日本経営品質賞受賞企業のトップの方々も。

詳細については、経営品質協議会のHPをご覧ください。
http://www.jqaward.org/QuestConference_08.htm

2008年12月20日

雑感

12月20日(土)

上野発の最終特急で水戸へ向かっています。
今日は雑感を書かせてもらいます。

昨日今日と東京で、『夢(ドリーム)プラン・プレゼンテーション2008』に審査員・コメンテーターとして参加していました。これは(株)アントレプレナーセンターの福島正伸さんが昨年から仕掛けたもので、今回も全国各地から集まった20組が20分間のプレゼンテーションで、自身の夢(ビジネスプラン)を語ります。昨日の予選会で20組が8組になり、今日の本番では東京ビックサイトの会場(観客1000人)の前でのプレゼン。
発表者それぞれは半年にも及ぶ企画・準備を経て、今日に至っているので、どれも感動と共感を生む、素晴らしい内容でした。
『夢に挑戦し続ける大人たちに、子供たちは心を奪われる』
福島さんの思いに私も共感しています。
大人が夢を語ることで、子どもたちがたくさんの夢を持てる社会にしたいですね。

『夢(ドリーム)プラン・プレゼンテーション2008』のサイト
http://www.entre.co.jp/dreamplan/index.html

さて経済は引き続きドロ沼状態。
米国ではGMとクライスラーに対する政府の救援策がまとまりましたが、3月までのつなぎ融資ですから、問題解決にはなっていません。オバマ政権へ「あとはよろしく」の形になりましたが、いずれにせよ破産が迫っているようです。
日本では驚きましたが日銀が企業の発行するCP(コマーシャルペーパー)を直接買い取りするとのこと。

資金供給は重要ですが、どこまで経済システムが抜本的に変わっていることを認識して、変革できるかどうか。
変革に痛みや苦しみはありますが、それでもその先に希望、光を見せることができるか。
本当にリーダーシップが問われている時だと思います。

今回のドリプラには、スペシャルゲストとして島根県の島、海士町から3人の中学生が来て、海士町の未来への夢をプレゼンテーションしてくれました。
島の大人たちと一緒になって町の計画作りに参画している中学生たちの、真剣で質の高い発表内容に涙が止まりませんでした。

経済がおかしくなっても、企業が破綻しても、社会がなくなることはありません。

希望を持ち、信頼のネットワークをつくり、これからの時代を一歩づつ進んでいくしかないと思っています。
Yes, We can !
頑張っていきましょう。

2008年12月21日

推薦図書

12月21日(日)

12月に入り、毎日この「経営品質講座」を書いていると、友人からメールが届きました。
「以前のように推薦図書を教えてほしい」
そういえば「代表日記」の頃は、毎週1冊は紹介したいと思って書いていましたからね。

なので、今日は最近読んだ本の中で、お薦めの何冊かを紹介したいと思います。
「経営品質講座」ですから、特にリーダーシップ関連に絞っていきます。

一番最近の本として、
月曜日の朝からやる気になる働き方 ~成功より成長を楽しむ~
  大久保寛司著 かんき出版

大久保さんの最新本です。
タイトルが最高ですよね。今この「経営品質講座」を月曜日の朝に読んでいる人が多いのではないでしょうか。
みなさんは今やる気になっていますか? みなさんの部下や後輩はどうですか?
何度も大久保さんから聞いている言葉ですが、読むたびに心に飛び込んでくる言葉が数多く出てきます。
  ・「やらない人」にも、その人なりの正当な理由がある
  ・リーダーの仕事は「人の心に火をつけること」

伊那食品工業、川越胃腸病院、沖縄教育出版、バグジーの事例が多く、しかも項目ごとに1~2ページごとのそんなに長くない文章でまとめられているので、社内の勉強会にも使いやすい1冊です。

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即戦力の人心術』 マイケル・アブラシェフ著 吉越浩一郎訳  三笠書房

こちらはタイトルを見ると、よくあるノウハウ書に思われてしまうかもしれませんね。
私は原文のタイトルの方が良いと思っているのですが・・・。
 『IT’S YOUR SHIP

米国海軍で一番下のダメ軍艦とレッテルを貼られていた船(ベンフォルド)に新任艦長として乗り込んだマイケル・アブラシェフが、同じスタッフ構成のままでありながら、短期間で「全米一」と評価されるほどの優秀な船に立て直した実話からまとめた1冊です。

数年前に参加したあるセミナーで『破天荒』の著者であるケビン・フライバーグ氏の話を聞きました。そのとき彼が、リーダーシップについて、この艦長と船の話を熱くしていて、もっと詳しく知りたいとずっと思っていたので、この本に出合えたことはうれしかったですね。
組織力を高めるリーダーシップについて、生き死にのかかる軍隊での事例はとてもわかりやすいと思います。

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ザ・ドリーム・マネジャー』 マシュー・ケリー著  海と月社

これは実話ではありませんが、「ドリーム・マネジャー」のコンセプトは、組織の大小にかかわらず、働く人たちをやる気にさせ、ひいては組織の競争力を高めることのできる素晴らしいものだと思います。

会社にもビジョンがあるけど、まずはそこに働くひとりひとりも夢を持って、その実現を目指して生きていく方が、やる気になりますよね。
高知の四国管財の中澤社長は、会社は働く人がそれぞれの夢の実現のための手段であるという経営を進めて、毎月開催している社長塾では、ひとりひとりが夢を明確にして、その計画作りをしています。まさにドリーム・マネジャーの実践者です。

この本はすでにたくさんの人に紹介して、そのみなさんから感謝の言葉をいただきました。
すでに社内でこのコンセプトの活動を始めた方もいます。
うれしいことです。

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リーダーになる人のたった1つの習慣』 福島正伸著  中経出版

すぐに読める1冊ですが、「リーダーとはどうあるべきなのか」とずしっと心に響いてくる内容です。

人をやる気にさせ、どんな困難でも自分の力で乗り越えていく人材を育成するために、リーダーとして、
 第一に、まず、自分が見本になること
 第二は、相手を信頼すること
 第三は、相手を支援すること
そのことをあらためてこの本から学ぶことができました。

同じく福島さんの本をもう1冊紹介すると、

「夢」が「現実」に変わる言葉』 福島正伸著  三笠書房

毎日届く福島さんのメールマガジン「夢を実現する今日の一言」で反響の多かったものをまとめた1冊。
毎朝届くこの福島さんの一言で、元気や勇気をもらった人は私を含め、私の周りにもたくさんいます。

この本を読んで、またスイッチが入った言葉をひとつ紹介します。

 『後悔しない人生とは、挑戦し続けた人生である』
  思い切ってやってみれば、たとえできなかったとしても納得がいく
  「やりたい」と思っても、できない理由をつけてやらなかったことはいつまでも心に残る
  「できなかった後悔」より、「やらなかった後悔」の方がつらい
  そもそも挑戦し続ける人に、後悔している時間はない

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もう1冊だけ紹介させてください。
テラ・ルネッサンス1』 インフィニティ

広島の田原さんが作成している「心を育てる」感動コミックの第3弾で、あの鬼丸くんが漫画になりました。
「たったひとりからでも社会を変えることができる」
「私たちは、微力ではあるが、無力ではない」
漫画にすることで、なかなか本を読まない人たちにも鬼丸くんの思いを伝えることができます。
鬼丸くんを生涯応援することを私も決めていますので、田原さんには本当に感謝しています。

2008年12月22日

重視する考え方 その6

12月22日(月)

先週に引き続き、TV「カンブリア宮殿」にユニクロの柳井社長が出演していました。
ユニクロの本社もいろいろとユニークな取り組みをしていますね。
 ・個人の机がない(大部屋方式、個人のロッカーがあるだけ、自由な席で仕事ができる)
 ・会議室に椅子がない(立ってするので会議のスピードが早い)
 ・私語厳禁の部屋が別にある(仕切りがあり、他人に邪魔されずに仕事ができる)
 ・午後7時なると会社の電気が消える(残業ができない)

『本当に強い会社は、トップダウンもボトムアップも強い』
組織が大きくなればなるほど必要だと思います。

さて、ちょっと間が空いてしまいましたが、「重視する考え方」の続きを。
ここまで7つある考え方のうち、5つを紹介してきました。
 1.顧客から見たクオリティ
 2.リーダーシップ
 3.プロセス志向
 4.対話による「知」の創造
 5.スピード
残りふたつは、
 6.パートナーシップ
 7.フェアネス

今日は、「パートナーシップ」を紹介しますが、アセスメント基準書では以下のように説明しています。

「企業・組織の継続的発展には、あらゆる関係者の協力が欠かせません。部下への支配統制的対応、仕入先や購入先への横暴な態度、顧客への不当販売や不誠実、株主の軽視、地域社会との調和などはパートナー意識の欠如によるものです。広い意味での関与先を対等なパートナーと位置づけ、協力や協調、信頼関係の継続的構築を目指します。」

パートナーという言葉ですから、「対等」という意味です。
日本では「下請け」「業者」という言葉に象徴されるように、上と下の関係が実際には色濃くあり、「言うことを聞け」の態度丸出しの組織も多く見かけます。

特にこの1年の原材料の高騰の時や最近の急激な売上げ低下の局面で、その本性が出てきているのではないでしょうか。

信頼関係は目先の損得ではなく、長い年月をかけて構築していくものです。
長野県にある伊那食品工業では、仕入先に対して値引き交渉はせず、新規先がどんなに値段を引いて持ってきても既存の仕入先を大切にしています。それで構築された信頼関係があるからこそ、いざ原料などが手に入りにくくなった時でも、その仕入れ先は優先して納めてくれるそうです。
モノがない時、インフレになった時ほど、お金ではなく、信頼関係が効いてくるのです。

もちろん、人材派遣会社も重要なパートナーです。
「わが社がクビにしたのではない。派遣会社が勝手にしたことだ。」
そんなことを言ったらダメですよね。
経営に品がなさすぎます。

2008年12月23日

重視する考え方 その7

12月23日(火)

トヨタ自動車が国内2ヶ所の工場を明日から2日間、操業停止。
昨年2兆2千億円の黒字が今年度は1500億円の赤字になる見通し。
いや~、この急ブレーキはすごいですね。

でも「100年に一度の危機」を「100年に一度の大チャンス」に変えていきましょう。
大切なのは「雰囲気づくり」。
まずは「言葉」です。
こんなときこそ、肯定的な言葉をどんどん使っていきましょう。

実は昨日、北京オリンピックで悲願の金メダルを取った女子ソフトボール日本代表にメンタルトレーニングをした西田文郎先生の研修を受けてきました。
脳の働きについて、学ぶことが多かったですね。
西田先生の最新本 『予感力』 イースト・プレス
お薦めの1冊です。

さて今日は、「重視する考え方」の最後になります。

フェアネス
アセスメント基準書よりも、アセスメントガイドブックの解説の方がわかりやすいので、そちらを紹介します。

「フェアネス、つまり公正であるということは目的や価値観と深く結びついています。
例えば、お客様サービスについてお客様からの評価で給与査定をするとしましょう。最初はそのつもりでいましたが、途中から景気の影響を受けて、業績が下向きになりかけてきました。そこで、今日からは売上が多い人を評価することにした、と経営者がいい出したら社員はどう思うでしょうか。このようなやり方を「ご都合主義」といいます。それは物事を決める基準が曖昧だったり、基準を決めても都合よく変えてしまったりすることです。
(中略)
フェアネスとは、組織の価値観や目的に照らしても、誰もがわかる規範に従って判断、意思決定することなのです。そのためには意思決定の根拠となる情報が共有されていなければなりません。つまり、単に場当たり的な意思決定を正当化するための情報ではないということです。」

人がやる気になるのは、自分自身で納得できた時。
逆に納得できないことは、やらされ感いっぱいで、どうにもやる気が出てこないのではないでしょうか。

ある決定を聞かされた時、その決定が自分の考えとちがう時、決定だけ聞かされて納得できるでしょうか。
なかなか難しいでしょうね。

なぜそのような決定になったのか。最初のところから、どういう経緯でそう決まったのかを聞かせてもらえばどうでしょうか。
先ほどよりは納得できるかもしれませんね。

ある物事を決める途中で、あなたに考えを聞かせてほしいと言われて、先ほどのように途中の経緯を聞かせてもらえた時はどうでしょうか。

さらに、あなた自身も物事を決める場に参加して、自分の考えを話すことができ、なおかつ組織の目的や価値観に沿って決定されたらどうでしょうか。
納得感は十分に高まりますよね。

これらは、「フェアプロセス」とも言います。
「説明」「期待」「参画」が重要なポイントです。

う~ん、この数ヶ月の大企業の様子を見ていると、フェアネスを感じないところが多いですね。

いかんいかん、すぐにマイナス言葉が出てきてしまいます。(苦笑)

明日は「成熟度」について考えていきます。

2008年12月24日

成熟度

12月24日(水)

クリスマス・イブですが、みなさんはどこで誰とお過ごしですか?

12月になって、クルマの中の音楽がずっとポール・ポッツです。
ポール・ポッツをご存知の方も多いと思います。
私も今年、あるTV番組で彼のサクセスストーリーを見て、感動しました。
以来、彼のファンです。
容姿もそんなに良くないポールは、子供の頃からオペラ歌手になるという夢を持っていました。しかし生活のためには歌をあきらめて仕事をしなければなりません。彼は妻の後押しを受けて、最後の挑戦ということで英国TVタレント発掘のオーディション番組に出演します。

そのときの映像が、You Tubeで見ることができます。
http://jp.youtube.com/watch?v=o5GUM8E0xPI

私も今でもたまに、ちょっと疲れが出てくると、元気をもらうために見ています。
彼の歌う「トューランドット」の「誰も寝てはならぬ」は、本当に自然に涙が出てきます。
ぜひご覧ください。
そして彼を応援してあげてください。


さて、今日は「成熟度」について考えていきます。

この「成熟度」は、自分の組織や会社をアセスメントする際に、その状態をとらえる考え方です。
アセスメント基準書の解説を紹介します。

『「成熟度モデル」とは、組織をどのように改善すれば良いかを認識するために、未成熟な組織と成熟した組織を比較し、そこでの状態がどの違うのかを見出し、明らかにしたものです。これにより組織の成長の過程を段階的に表現し、成長の程度を成熟度という言葉であらわしています。
 成熟度の低い組織の経営は、目的が不明確でその場しのぎの状況対応が行われます。経営目標を実現する諸活動が抱える問題を解決するための、客観的な基準も存在しておらず、対応のばらつきも大きく、提供される製品・サービスのクオリティは低く、顧客の満足度も低くなっています。これとは対照に、成熟度の高い組織では、経営に関する全般的な能力が高くなっています。戦略的要素を経営に取り組み、顧客価値を実現するための明確なプロセスが定義され、計画されたプロセスに従った活動が行われ、その結果が把握されています。目標と実際の活動が常にデータで把握され、効果的な経営改善をどのように行えばよいのかを常に学習しています。こうした組織の経営能力の違いが、6段階で示されています。
 成熟度の低い組織は、一足飛びに成熟度の高い組織になることはできません。組織は次の成熟度を目標として、改善を重ねていくことで高い成熟度を確実に達成できるのです。成熟度の低い組織が、成熟度の高い組織の真似をしても、基礎となる経営活動ができていないため、定着せずにすぐに元通りになってしまうのです。』

ちょっと解説が長かったですが、理解できましたか?

単純に、こんな仕組みが「ある」「ない」、こんな活動を「やっている」「やっていない」といったもので評価をすることではなく、組織の目的を達成するために、まず目的をどれほど深く考えたのか、そしてその目的を実現する方法をどのように創り上げたのか、その方法を実行し目標を達成するためにどのように行ったのか、行った結果どのような学習をしたのか、目標実現のプロセスに着目するのです。(アセスメントガイドブックより)

簡単に言えば、「組織の成熟度は、PDCAサイクルの質の違いを表している」と言っても良いでしょう。

成熟度モデルの6段階とは、一番下の「Dレベル」から「AAAレベル」まで。
さらにCレベルからは、少し上のレベルに近い「+」とようやくそのレベルになった「-」が同じレベルにもあるので、細かくいえば11段階に分かれています。

自分の組織の成熟度って知りたいと思いませんか。
そして少しでも良い組織にしたいのであれば、まず自分の組織をアセスメントすることが最良の方法ですよ。
なかなか鏡に映してみないと自分の本当の姿ってわからないですからね。

来年は、私も茨城県内だけでなく各地で、いよいよアセスメントの実践の支援をしていくつもりです。
ぜひひとりでも多くの人に取り組んでほしいと願っています。

2008年12月25日

フレームワーク

12月25日(木)

メリークリスマス!

でも今日は水戸でも13度と暖かい1日でしたね。
明日からは寒波で寒くなるようですが・・・。

今日から「アセスメント基準の構成」について紹介していきますが、さすがに今日はクリスマスなので、ちょっと簡単にさせていただきます。

アセスメント基準書の説明を紹介すると、

『経営品質向上プログラムでは、経営全体をどの業種・業態の組織にも共通するフレームワーク(枠組み)を用いて経営の状態を見ていこうとしています。
 フレームワークは大きく、組織プロフィール8つのカテゴリーで構成されています。
 組織プロフィールは8つのカテゴリーの基盤と位置づけられ、組織が目指す「理想的な姿」や価値観を中心に、顧客、競争、経営資源、変革の方向性などを明らかにするものです。
 カテゴリーは、あらゆる組織に共通する経営全体を見る要素を8つに分類したものですが、それらは相互に密接な関係がありますので、カテゴリーを一つひとつ取り上げて、それぞれを単独に経営革新活動やプロジェクトのテーマとして扱うものではありません。なぜなら、そうすることにより、一つひとつに注目しすぎて、全体最適を失わせるおそれがあるからです。』

以前書いたように、組織内において、みんなが考えたり、話し合ったりする際にはフレームワーク(枠組み)が絶対に必要になります。
経営の状態も漠然と考えたりするのではなく、また結果の結果である財務の数字だけで考えるのではなく、状態を次元と分類に分けて考えられるように、カテゴリーが作られているのです。

明日は「組織プロフィール」を、その後「カテゴリー」について紹介していく予定です。


さて今日、ディズニー博士の加賀屋さんから新刊本が届きました。

ディズニーランドが教えてくれた「お客様を大切に想う気持ち」 
~心の奥を優しく揺さぶるサービスって、こういうことなんだ!~

  加賀谷克美著  こう書房

早速読みましたが、今回は前作『働くことの喜びはみんなディズニーランドで教わった』の内容とはちょっと違って、加賀屋さん自身がゲストとして受けた感動のサービスなどを中心に、「お客様を大切に想う」とはどういうことかをテーマにまとめてあります。
ぜひ読んでほしいし、社内での勉強会の教材としてもお薦めです。

今夜はクリスマス。
毎年恒例の小田和正さんのTV『クリスマスの約束』が楽しみです!

2008年12月26日

組織プロフィール その1

12月26日(金)

寒かったですねえ~。
水戸もほんの少しの間だけ雪が降りました。
全国各地は大寒波で、京都の雪の金閣寺はきれいでしたが、交通が大混乱の様子。
みなさんの地域は大丈夫ですか。

今日は御用納めのところが多く、行政もそうで、来年1月5日までの9連休。
休みは良いなあと思えることは、来年も仕事があること。
その有難みを私もつくづく感じています。

さて、今日は「組織プロフィール」について書いていきます。

実は組織プロフィール、今ではセルフアセスメント(自己見直し)や審査(第三者による)の時にとても重要なものとしていますが、以前はそうでもなかった頃がありました。
もちろん、そんな風に思っていたのは未熟な私だけだったかもしれませんが、確かその頃は申請する企業側にも同じように思っている人を結構見かけましたからね。

私が経営品質に出会った1998年。
まだ「アセスメント基準書」が「審査基準書」だった頃(12月10日を参照)、「組織プロフィール」も「事業概要」となっていました。

1998年度版の審査基準書では「事業概要」について、以下のように説明していました。

『事業概要は、申請企業における事業の概要とその事業で最も重要な事項、事業運営に影響を与えること、そして事業の方向性について記述する事項です。
 この事業概要は日本経営品質賞にとって最も重要な項目で、この事業概要がすべての出発点であり、申請書の作成にもセルフアセスメントにも最適な方法です。主要な事業課題に焦点をあわせることで一貫性のある記述を可能にしますし、特に事業成果においても一貫性をもって回答することができます。さらにこの事業概要は、評価するすべての段階で関連性をもっています。』

そして、何を書いてもらうかというと、以下の5つの項目でした。
事業概要
 (1)貴社についての基本的事項
  ①申請企業の事業の特徴・提供する製品やサービス
  ②企業規模・所在地・社員数
  ③申請企業の主要市場(地方、地域、全国、世界)
  ④主要顧客のタイプ(消費者、企業、政府自治体、その他組織)
  ⑤使用している主要(生産)装置、設備、技術
 (2)顧客ニーズ
  ①製品・サービスについての顧客の主要ニーズ
 (3)サプライヤーとの関係
  ①製品・サービスを提供するサプライヤーの数とタイプ
  ②事業を展開する上で最も重要な供給会社、販売店、代理店、その他の関与先企業の
    重要性と、取引上の制約条件や特別な関係も記述してください。
 (4)競争要因
  ①業界でのポジション(相対的な規模や成長性)
  ②競合企業数とタイプ
  ③競争上成功をおさめるための主要要因
  ④業界で起こっている大きな変化
 (5)申請企業にとって重要なその他の要因
  ①市場やあるセグメントへの新規参入など申請企業にとっての新たな脅威
  ②新たな事業提携
  ③新たな技術の導入
  ④業務遂行上の社員の健康、安全、環境、財政等、業務内容に関する法令や規制関連
  ⑤申請企業の戦略の変更
  ⑥独特と考えられる競争要因

これを5ページ以内で記述しなければなりませんでした。
かなり厳しいですよね。
そしてその後の、カテゴリーごとの記述がたっぷりと100ページ。

今思えば確かにこの「事業概要」をまずしっかりと書くことから経営革新(=経営品質向上)は始まるのがわかりますが、当時はまだ申請書(報告書)自体が、カテゴリーごとに「あれをしている」「これもしている」と、どちらかと言えば「やっていること」をたくさん書くものだという認識が強く、内容が盛りだくさんだけど5ページしか書けない事業概要は、カテゴリーの記述が終わった後にまとめれば良いと思っている方が多かったと思います。

この「事業概要」が2001年度版になると「組織プロフィール」に変わります。
この年、基準書も「審査基準書」から「アセスメント基準書」へ変更になりました。

2001年度版アセスメント基準書に変更の理由が以下のように説明されています。

『これまで申請企業・組織の事業を理解するために「事業概要」を記述していただきました。しかしながら、基準一覧より前に項目は書かれていたものの、実際の内容や記述の方法を基準の後の別項目で扱っていたため、必ずしも重視されない傾向にありました。今回は「組織プロフィール」として、アセスメント基準書のトップに位置づけ、さらに3つの「認識」と「情報」に分け、この記述からアセスメントが始まるように変更しました。』

確かにそれまでの審査基準書は、カテゴリーの解説の後、最後のページの方に「事業概要の記述要領」が書かれていましたからね。それが原因だったかもしれません。
ちなみに記述ページ数は、1999年度から10ページになっています。

2001年度版のアセスメント基準書に「なぜ組織プロフィールが重要か?」について書かれています。

『組織プロフィールを記述することがきわめて重要な理由は以下のとおりです。
①組織の全体像を的確に認識することが、セルフアセスメントを導入するにあたって、あるいは申請書を記述するにあたっての最初の段階で最も大切なことです。
②組織プロフィールで記述する重要な領域と、その後のカテゴリーで記述する主要な目標や業績との間の矛盾や認識の食い違いに気づくことができます。
③組織プロフィールは、アセスメントプロセスすべての段階で、申請組織が重視するものが何かの情報源として、これを利用します。
組織プロフィールを記述すること自体がセルフアセスメントの第一歩にもなります。
⑤項目間に矛盾が出たり、ほとんど記述できない領域がある時には、そこでアセスメントを一旦打ち切り、当面何をすべきかの課題をはっきりさせることに取りかかる方が効果的です。』

1998年度版の説明より、かなりわかりやすくなりましたね。

では現在、組織プロフィールにどんなことを記述してもらうのか。
続きは、明日にします。

2008年12月27日

組織プロフィール その2

12月27日(土)

水戸の街中はクルマがすっかり減りましたね。
駅周辺の人手もこの数年よりちょっと少ない気がします。

さて、今日は昨日に引き続き「組織プロフィール」です。
昨日書いた内容は理解してもらえたでしょうか?

組織プロフィールを記述すること自体がセルフアセスメントの第一歩にもなります。

まさにその通りで、考えていない経営者は最初の問いかけから答えられませんからね。
また書けたとしても、本当にそうなのか、そして現場の社員ひとりひとりまで浸透しているのか、常に確認していかないとなりません。

2008年度版アセスメント基準書では、組織プロフィールについて以下のように説明しています。

『組織プロフィールは、アセスメント基準のフレームワークの中で経営基盤と組織を取り巻く環境を振り返って述べる部分です。過去のある時点で自社の経営は「何を目指したのか」、「その目標を達成するうえで現状をどう分析したのか」、そこから「何を課題として認識したのか」そして、「課題を解決するために何を行おうとしたのか」述べます。今、何をやろうとしているのかではなく、過去のある時点で、将来を創るために何を行おうと考えたのかを記述するものなのです。

 組織プロフィールに示された課題解決のテーマ(戦略)は日々の経営活動を通じて成果に結びつけられていきます。組織プロフィールに示された戦略は各カテゴリーの活動として日々マネジメントされていきます。このマネジメントの状態を評価することが、アセスメントをするということになります。過去から今までのマネジメントとそれによって生み出された成果を結びつけ、組織能力を評価します。

 組織プロフィールでは、過去の振り返りの結果、今後「組織はどのような理想的な姿を目指すのか」を明らかにし、そこから現状とのギャップを認識し、取り組むべき経営革新課題を明らかにする必要があります。組織が目指す理想的な姿が明らかにならなければ、すべて現状の枠組みでの改善に終始してしまいます。組織プロフィールは、将来の組織の目指す理想的な姿を考え、組織が取り組むべき経営革新テーマを導き出すための枠組みでもあるのです。』


変化する時代の中で、常に高い顧客価値を創造していくためには経営革新が求められています。経営革新の推進イコール経営品質の向上と言っても良いでしょう。
そのためには、理想の姿(将来)と現状を把握することが必要ですが、現状を知るためには過去から考えていかなければなりません。

現状とは過去の結果
当たり前のことですが、過去に何を考え、何を行ってきたのかを振り返らなければ現状の状態を理解することはできないのです。

この数年、経営品質向上プログラムでは、特にこの時間軸を重要視しているのです。
(以前は今ほど強調してはいませんでした)

では、考える枠組み(問いかけ)を紹介します。
昨日紹介した1998年度版からどう進化したのかも見てほしいし、ぜひご自身の組織を振り返ってみてください。

組織プロフィール
(1)組織が目指す「理想的な姿」
①経営者が組織の人たち全員とともに目指したいと思っている組織の「理想的な姿」はどのようなものですか。その姿を「顧客本位」「独自能力」「社員重視」「社会との調和」という4つの観点から整理し、描いてみてください。
②なぜ、そのような状態を目指そうと思ったのか、その背景を説明してください。

(2)顧客認識
①ターゲットとしている顧客・市場はどのようなものですか。以下の点を考慮して述べてください。
    ・市場の特徴
    ・顧客、市場のニーズ
    ・ニーズに応えるための製品・サービスの内容およびそれが提供する価値や利便性
    ・ターゲットやニーズの違いにより区分している場合は、区分ごとのニーズや製品・
    サービスの内容の違い
②ターゲットとしている顧客や市場はどのように変化していくと考えていますか。
③現在および将来の顧客・市場に関する、あなたの組織が認識している課題はどのようなものですか。

(3)競争認識
①競合相手としている企業・組織はどのようなものですか。以下の点を考慮して述べてください。
   ・競合相手の社数や内容
   ・あなたの組織を含めた、競合のシェアあるいは市場での位置づけ
   ・それぞれの会社の強みとそれを生みだすプロセスの特徴
②競争相手はどのように変化していくと考えていますか。
③現在および将来の競争環境に関する、あなたの組織が認識している課題はどのようなものですか。

(4)経営資源認識
①顧客価値を高め、競争力の源泉となっているあなたの組織・人材に蓄積される主たる技術・ノウハウはどのようなものですか。
②顧客価値を高め、競争力の源泉となっているあなたの組織の主たる装置・設備・施設などはどのようなものですか。
③ 顧客価値を高め、競争力の源泉となっているあなたの組織の主たる財務活動はどのようなものですか。
④ 顧客価値を高め、競争力の源泉となっているあなたの組織の主たるビジネスパートナーはどのようなものですか。
⑤経営資源に大きな影響を与える変化をどのように予測していますか。
⑥現在および将来の経営資源に関する、あなたの組織が認識している課題はどのようなものですか。

(5)変革認識
 「理想的な姿」を現実のものにするために、「顧客認識」「競争認識」「経営資源認識」それぞれで整理・統合した課題を踏まえ、どのような革新テーマを設定したのか、その内容を述べてください。

(6)組織情報
以下の項目に関する組織の情報を示してください。
①対象となる顧客・市場の規模
②主要な事業所・拠点の所在地、および、事業を展開している地域
③社員数 社員数は、役職・機能別のマトリクスで記入してください。また事業所・拠点の所在地ごとの人員数も記入してください。
④事業規模および主要な財務データ
⑤ビジネスパートナーの規模


いかがですか。
実際のアセスメント基準書にはもう少し問いかけの説明が出ていますが、ご自身の組織を振り返ってみて記述できますか。

正直、組織プロフィールが書ければ、かなりのレベルと思います。
なかなか書けないですよね。
それと「認識」ですから、それがいつまでもそうだとは限らないわけです。
「自分はわかっている」ではなく、絶えず謙虚に考えていくことが求められます。

アセスメント基準書でも、そのような説明がされています。

組織をどのようにするか。そのために何をなすべきかを自ら問い、考えることは、アセスメントの実施に関わらず、組織を経営する上で最も重要な基本的プロセスです。この問いかけは、組織を創るときに一度行えばよいというものではありません。絶えず成果を振り返りながら、問いかけ続ける必要があるのです。この問いかけを行っていないと、今まで成果が上がっていたこともいつのまにか形骸化してしまいます。目的を失い、ただ繰り返すことだけを目的としてしまいかねません。その時の問いかけを深めていく考え方の枠組みを示したものが「組織プロフィール」です。』


明日も引き続き「組織プロフィール」を考えていきます。

2008年12月28日

組織プロフィール その3

12月28日(日)

イスラエル軍のガザ地区空爆は、ちょっとやばい感じがしますね。
恐慌で社会が混乱してくると戦争の危険性が高まります。
何とか収まってほしいですが。

さて、もう少し「組織プロフィール」について考えていきたいと思います。
「アセスメント基準書」の解説を頻繁に引用していますが、今日は「アセスメントガイドブック」から紹介します。

この「アセスメントガイドブック」は、2004年度から作成されました。それまでの「アセスメント基準書」に事例として紹介していた仕組みや取り組みが、それをやっていないとダメなんだと勘違いしてしまう方が多かったので、アセスメント基準書とは別に参考書のようなものとして「アセスメントガイドブック」を作成したようです。

組織プロフィールが経営革新の出発点であることはこれまでに説明してきましたが、経営品質向上プログラムでよく知られている「カテゴリー(経営要素)」とそれをブレークダウンした「アセスメント項目」の関係性について説明していきます。

(2008年度版アセスメントガイドブックより)
<組織プロフィールとアセスメント項目の関係>
『組織プロフィールで明らかにした「将来に向けていま何をどう変えなければならないのか。そのために何を目指し、どういう道筋を描くのか」という戦略がきちんとしたプロセスで実行されてきたかどうかを確認することが重要です。戦略を立案しても、具体的にマネジメントされなければ実現されません。アセスメント項目に照らして、それぞれがどう行われてきたかを確認し、得られた結果と照らして、もっとうまくできるようにする機会に気づくことがアセスメントの目的です。もっと良くしようとして行ってきた改善・革新の活動によって目標を達成できたのかという見方が重要です。アセスメント基準は、このような振り返りができる構造になっています。』

昨日も書いたように、過去(3年前)にどのような問題意識を持ち、課題設定し、何に取り組んできたのかの結果が、今の成果になっているわけです。

『結果から課題をどう認識するかは、経営を良くする上で重要な意味を持ちます。結果を安易にとらえ、このまま行えば次もうまくいくだろう、という考えでは、いつまでたっても適当な経営のままです。結果から、その結果を生み出したプロセスの課題を振り返り、新たな課題を発見することを通じて、より優れた経営を身につけることができるのです。

 その意味で、結果の気づきは、組織プロフィールで経営を振り返る上で重要な情報になります。この振り返りによって2つの学習を行うことができます。
 第一の学習は、計画を実行する組織マネジメントを学習するということです。計画された戦略を実行していく上でのマネジメント上の課題を見い出すということです。アセスメント項目は、顧客価値という成果を生み出すマネジメント要素を示していますので、結果とマネジメント行動の振り返りからこのことを学ぶことができるのです。』

ここで、カテゴリー(経営要素)を紹介します。
カテゴリーには、「方法・展開」の7つのカテゴリーと「結果」のカテゴリーが1つあります。
<方法・展開のカテゴリー>
  1.経営幹部のリーダーシップ
  2.経営における社会的責任
  3.顧客・市場の理解と対応
  4.戦略の策定と展開
  5.個人と組織の能力向上
  6.顧客価値創造のプロセス
  7.情報マネジメント

7つのカテゴリーを詳細に分けた要素が「アセスメント項目」で16となっています。

『もう一つは、マネジメントの前提となる戦略を考えていく思考プロセスの課題に気づくということです。組織プロフィールは理想から現実の課題を見い出し、そのギャップを埋める戦略をどう考えるかを示しています。結果と結果を生み出すマネジメントの課題を整理し、さらにマネジメントの前提となる戦略思考の課題にも気づくのです。』

ここも重要です。
成果が出なかったのは、どのように戦略を考えたのか、その思考プロセスまで振り返ることが必要です。
もっと言えば、思考プロセスだけでなく、「対話」の質がどうであったのか、さらには「意識」はどうであったのかまで振り返ることが重要だと考えています。

『そして、これらは新たな目標設定、目標実現の戦略、戦略実行の効果的マネジメント方法を考える上で、重要な発見となります。これらを踏まえた将来の目標と戦略を新たな「組織プロフィール」として作成し、それを実現する効果的マネジメントを「方法・展開」のカテゴリーの枠組みを用いて計画し、実行することができるのです。』

過去から現在を振り返り、そこで新たな「組織プロフィール」を作成し、将来に向けての計画作りを、各カテゴリーごとに何をどこまで行うのかを考えていく。

その一連の流れを理解してもらえたでしょうか。
なかなか大変なのはわかっていますが、ぜひ経営を真剣に取り組むのであれば、このプロセスがよりよい経営にしていく最善の道であると私は思っています。

ただ勉強するだけでなく、実践して初めて成果が生まれるのです。
私も来年は、アセスメントの実践を各地で積極的に支援していく予定です。

明日は、「アセスメント項目の構造」について考えていきます。

2008年12月29日

雑感

12月29日(月)

冷たい風も吹くことない穏やかな日ですが、昨日今日と昼は大掃除や買い出しに出かけ、夜は忘年会と、なにかとバタバタしています。
積読の本を少しづつ読み始めていますが、これも年明けにゆっくり進めましょう。

ということで(何で!)、今日は雑感とさせていただきます。(苦笑)

昨晩は「ローカル・マニフェスト推進ネットワークいばらき」の打ち合わせ兼忘年会。
今年は活動休止状態でしたが、来年以降、茨城県は知事選挙、各市町村首長選挙が目白押しですので、全国レベルから遅れている茨城県のマニフェスト型選挙を進めるために来年はしっかりと活動していきます。

「お願い」の選挙から「約束」の選挙へ

地域住民一人ひとりが、地方自治に関心を持ち、関わっていくことがこれからのまちづくりに求められています。
投票がまさにその具体的行動の第一歩。
政治や行政に不満や文句を言う前に、自らの権利(投票)をしっかりと考えていきましょう。

「私たちは微力だけども、無力ではない」

そのためには首長選挙の各候補者にはマニフェストを書いてもらい、その理念や戦略、目標を示してもらわなければ、どの候補に地域行政のトップを任せて良いのか選ぶことはできません。
何とかして、茨城でもマニフェスト型選挙を行うように頑張っていきます。

「国があなたに何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何ができるのかを考えてほしい」


お知らせです。
来年2月に、「ローカル・マニフェスト推進ネットワークいばらき総会記念フォーラム」を開催します。
元三重県知事の北川さん、そして佐賀県知事に古川さん、おふたりが茨城で講演します。

以下のサイト(HP)で古川知事のマニフェストがご覧になれます。
ぜひ見てみてください。素晴らしいマニフェストですよ。
http://www.power-full.com/

ローカル・マニフェスト推進ネットワークいばらき総会記念フォーラム

日時: 平成21年2月7日(土) 13:00開会 16:00閉会
会場: 筑波学院大学 (茨城県つくば市吾妻3ー1 電話029-858-4812)
参加費: 1000円

第1部
  13:05~13:50
  基調講演 『ローカル・マニフェスト進化論』 北川正恭氏
  13:50~14:50
  特別講演 『ローカル・マニフェスト実践報告』 古川康氏

第2部
  15:00~16:00
  パネルディスカッション 『地方発、明るい豊かな社会へ』
    ファシリテーター 鬼澤慎人
    パネリスト 古川康氏・門脇厚司氏・他(調整中)

ぜひ日程を調整して、2月7日は、つくばへお越しください。

さて今日はこれから来年のJC茨城ブロックの打ち合わせです。

2008年12月30日

アセスメント項目の構造化

12月30日(火)

今日は毎年開催している、水戸JC入会同期の故三上さんを偲ぶゴルフコンペ「三久会」。
昨年は大雨、でも今年は快晴、水戸で気温14度の暖かいゴルフ日和でしたね。
結果は・・・、出来すぎの74(39・35)。
少ない練習時間の中で工夫してきたことの成果でしょうか。
来年末までにハンディキャップをひとつ縮める目標の向けてこれからも頑張ります。


さて今年も残り2日。
今日は「アセスメント項目の構造化」について。

ちょっと「アセスメントガイドブック」の説明を紹介します。

『経営を構成する重要なものを分けて、評価する時の要素のまとまりを評価基準と呼んでいます。英語ではクライテリアといいます。経営品質向上プログラムのアセスメント基準は、顧客価値を生み出す経営要素に着目しています。売上、利益といった組織内部の価値ではなく、顧客が価値あると考えるものを組織が生み出す時に、不可欠なプロセス要素とその要素によって生み出される結果を体系化しています。この要素の大区分を「カテゴリー」といい、それを詳細に分けた要素を「アセスメント項目」と呼んでいます。』

まず「カテゴリー」と「アセスメント項目」を以下に書き出してみますね。

カテゴリー1「経営幹部のリーダーシップ」
  1.1 経営幹部のリーダーシップ   ←これがアセスメント項目です
カテゴリー2「経営における社会的責任」
  2.1 社会要請への対応
  2.2 社会への貢献
カテゴリー3「顧客・市場の理解と対応」
  3.1 顧客・市場の理解  
  3.2 顧客からの意見や苦情への対応
  3.3 顧客満足の明確化
カテゴリー4「戦略の策定と展開」
  4.1 戦略の策定と形成
  4.2 戦略の展開
カテゴリー5「個人と組織の能力向上」
  5.1 組織的能力
  5.2 社員の能力開発
  5.3 社員満足と職場環境
カテゴリー6「顧客価値創造のプロセス」
  6.1 基幹プロセス
  6.2 支援プロセス
  6.3 ビジネスパートナーとの協力関係
カテゴリー7「情報マネジメント」
  7.1 経営情報の選択と分析
  7.2 情報システムのマネジメント
カテゴリー8「活動結果」
  8.1 リーダーシップと社会的責任の結果
  8.2 個人と組織の能力向上の結果
  8.3 プロセスの結果
  8.4 総合結果(顧客満足・社員満足・財務)


以上が、フレームワーク(考える枠組み)で、答えはなく問いかけがあるだけです。
その中で、カテゴリー1~7は、「方法・展開」を求めています。
そして、「方法・展開」それぞれのアセスメント項目は、基本的に3つの記述範囲(問いかけ)で構成されています。
  記述範囲(A)・・・基本的考え方と運営方法
  記述範囲(B)・・・目標の設定と達成状況の把握
  記述範囲(C)・・・評価・改善

まさに、PDCAを問いかけているのです。

アセスメント基準でいう「仕組み」とは、部分的な活動一つひとつをいうのではなく、(A)(B)(C)の記述範囲で構成される、一連のプロセスや活動の連鎖をいいます。基本的な考えや方針、実践活動や方法、目標設定と達成状況の把握、達成にむけての統制、プロセスの課題把握と改善・革新といったすべてを含む概念です。
具体的には、アセスメント項目で求められていることを推進・実施する際に、基本に据えた目的や方針、考え方はどのようなものであったのか、なぜそう考えたのか、目標をどう設定したのか、そのために何をどのように行い、改善してきたのか、を記述します。どのような課題認識をもって将来にむけた改善や革新を行おうとしているのかを記述します。』(アセスメント基準書より)

「やっている(実行)」だけでは、「仕組み」とは言いませんよ、ということになります。

難しいのは、「目標の設定と達成状況の把握」ですが、そのことに関して、アセスメント基準では以下のように説明しています。

『数値目標やその測定は重要ですが、それゆえ「効率」のみに目を奪われて管理志向に走ってしまい、大切な「効果」を見失ってしまうおそれがあります。重要なことは、「数値目標を設定し、それを遵守するために測定すればいい」ということではなく、価値を実現するための「目標は何にすべきか、その結果はどのようなもので把握すればよいかを考える」ことです。つまり、適切な数値目標や効果目標を定め、それを測定する評価尺度・指標が何かを決め、「効果」を正しく測定することです。』

定量的に測定しにくいものもありますので、定性的なデータをもとに把握することも考えていかなければなりません。

「評価・改善」については、明日にします。

2008年12月31日

アセスメント項目の構造化 その2

12月31日(水)

2008年も大晦日。
今年はみなさんにとってどういう1年だったでしょうか。
「まったくこんなひどい1年になるなんて・・・。これからどうしたらいいんだろうか」
でしょうか。
「ついに来たか。いずれ来ると思っていたこんなときのために、これまで学び創り上げてきたんだ。これからがチャンスだ」
でしょうか。

どちらにしても今日で2008年が終わります。
明日からは誰もが新年を迎えます。
どんな気持ちで明日の朝、目覚めるのか。

それを決めることができるのは、あなた自身です。

先日、呉にある「大和ミュージアム」を訪れ、どんなに今が大変と言っても、あの当時に比べたら何てことないじゃないかと心から思いました。

今こそ頑張らなければならない時です。
みんな頑張りましょう!


今年最後の経営品質講座は、昨日の続きで「アセスメント項目の構造化」の「評価・改善」について紹介します。

『記述範囲(C)では、記述範囲(A)(B)で述べられた対象プロセスの目的を実現する方法、展開度と、その達成目標に対する実行結果の振り返りと学習について記述を求めています。
 実行した結果から、対象プロセスの実行上の課題にとどまらず、計画の立て方、目標の立て方にまで遡り、課題を明らかにするプロセスと、その課題達成にむけて現在どのような取り組みを行っているかを求めています。』(アセスメント基準書より)

PDCAサイクルのA(ACTION)「改善と学習」となるところです。
ここが一番難しいというか、やっかいというか、できないところですね。

「やりっ放し」、「うまくいっている」
反省もないままに、なんとなくやっていても、経済全体が調子の良い時はどうにかなりますが、今年来年のように不安定になってくると・・・。

もう10年前くらいから気づき変わり始めたところは、体質改善できていますから致命的なダメージを受けずにいます。
でも、そうなるには時間がかかるんですよね。
質を高めるには時間が必要です。

『記述範囲(C)では、現在のプロセスの実行を通じて何をどのように学習しているのかに注目しています。つまり、実行した結果をどう認識し、組織目標の実現にむけた課題を発見する機会を自分でつくっているかということです。

 問題をどうとらえるかは、組織の変革能力に密接に結びついています。問題が発生しても「たいした問題ではない」としか認識できない組織もあれば、「価値実現に大きな影響を与えかねないのでこうした問題を発生させた本質となる課題は何かを考え、それを生み出しているプロセスの改善が必要だ」と認識できる組織もあります。
 さらに学習能力が高い組織では、こうした問題を生み出すプロセスをつくり出したこれまでのものの見方、考え方に気づき、新たな見方、考え方にもとづいた「革新課題」が自律的に見出せます。こうした問題のとらえ方の違いがその後の改善・革新の実行程度の違いを生み出すのです。』(アセスメント基準書より)

組織の成熟度とは、いかに学習する組織となれるか。
自律した人と組織となれるか。

今からでも遅くありません。
もちろん目先のことも大事ですが、組織の成熟度を高めることをぜひ始めてください。
先日も書きましたが、来年は「学びだけでなく実践へ」、アセスメントの実践に向けての取り組み支援を積極的に行っていきます。


今年も茨城県経営品質協議会のHPをご覧いただきありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いします。

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