12月9日(火)
同志である京都の人見さんのブログを読んで、松下幸之助さんの『実践経営哲学』(PHP)を一気に読み返しました。
何度読んでも学びの多い素晴らしい1冊。
経営の品質を高めるためにはぜひ読んでほしい(そして実践してほしい)ですね。
来年、地元の勉強会の教科書として使おうかと考えています。
昨日は基本理念の「顧客本位」について書きました。
今日は他の3つの要素を考えていきたいのですが、昨日も書いたようにこの4つの要素はすべてがつながっています。
ひとつだけ頑張ってもダメで、すべてを満たすことが重要です。
もちろんそれはとても難しいことだと思います。
でも自社の経営を「すばらしい経営」にしていきたいという思いで、一歩一歩、紆余曲折しながらも歩んでいくことが大切なのです。
時代は、顧客は、止まることなく変化していきます。
まさに「クオリティ・ジャーニー」、経営の品質を高めていくことに終わりはありません。
さて、顧客に価値を創造するためには、「独自能力」の追求が重要です。
「アセスメント基準書」から引用すると、
『他組織と同じことをよりうまく行うのではなく、独自の見方、考え方、方法による価値実現を目指します。独自の価値を創造するには「学ぶ」ことが大切ですが、単に手法を真似ることではありません。独自の能力を磨くために「見方」「考え方」を学ぶことが重要なのです。こうした学習によって今までにない「独自能力」を形成し、能力を発揮することができます。』
手法を真似るのではなく、「見方」「考え方」を学ぶことが重要・・・という所がカギですね。
よく企業視察といって先進企業を見学に行きますが、目に見えるところではなく、その企業の経営者や社員さんたちが、どんな内容のミーティングをやっているか、どんな話をしているか、過去から現在に至る変化などを見てくる、聞き出してくることが重要です。
そして顧客価値創造のための独自能力となると、まさに「社員重視」でなければ実現できません。
『一人ひとりの尊厳を守り、社員の独創性と知識創造による企業・組織目標の達成が重要です。
経営を知識創造、業務を学習ととらえます。社員を知的創造者と位置づけるには、知識を尊ぶ風土が不可欠です。人々が知的好奇心を持ち、学習意欲を高めるための環境づくりが必要です。計画は幹部と一部の管理スタッフでつくり、その他は実行するという支配統制型の経営ではなく、社員による目標設定と自律的な経営を目指します。戦略が形成されるプロセスでは、社員の自主性と創造性が不可欠です。そのために経営幹部は、高い思考能力を持った社員を育て、そうした社員が自由に発想し、対話できる環境を意図的につくらなければなりません。』(アセスメント基準書より)
これは説明は要りませんね。
まさにここに書いてあることを実現するのが経営の一番の目的である、と言う経営者もいます。
ある時、質問を受けたことがあります。
「顧客本位は「本位」というとても強い言葉で表現されているのでよくわかります。でもその実現にはまず社員が育たなければならないのに、「重視」では軽いのではないでしょうか?」
これには困りました。
本位と重視を比べたら、重視はちょっと軽いと言われても・・・。
その方には、「あまりこだわらず考えてください。確かにおっしゃるように、まず社員が自主性と自発性を持たないことには、価値創造は難しいですよね」と答えました。
何かもっと良い表現はありますかね。
そして「企業は社会の公器である」と松下幸之助さんの言葉があるように、「社会との調和」
『社会に貢献し、調和することが重要です。
企業・組織は社会の一員であるとの考えにもとづいて、社会に貢献する、社会価値と調和することを目指します。』(アセスメント基準書より)
顧客の役に立つからと言って、社会に悪影響を及ぼすことをして良いのか?
実はこの問いかけは、私が外資系金融機関で不良債権に対するデリバティブズ商品を販売していた時に感じた疑問です。
これを書きだすと止まらないのでやめますが、日本では昔から言われていますよね。
「お天道様が見ている。お天道様に恥ずかしくない生き方をしなさい。」
「そんなことをしていると、バチが当たる」
日本もこの20年、結構やりたい放題の人たちがいました。
この1年で少しは懲りたでしょうか。
もう一度作り直し、やり直しですね。
さて、初めて経営品質向上プログラムの「基本理念」を見た時に感じたことは、
日本の良さは、「顧客本位」「社員重視」「社会との調和」といった「志」、
米国の強さは、「独自能力」という戦略性、
つまり経営品質の基本理念は、日本と米国の良さのミックスであるということ。
経営品質の「品質」ですが、その目的は基本理念です。
それは絶対に変えてはならないものとしています。
だから単に儲かっている企業を「すばらしい経営」とはしません。
明日からは、「重視する考え方」を考えていきます。
