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気づきによる自己変革から組織変革へ

1月18日(日)

1月16日(金)に茨城県経営品質協議会視察研究会として、長野県伊那市にあります伊那食品工業株式会社に出かけてきました。
昨年10月の月例会で伊那食品工業の塚越専務にご講演していただいた際に、参加したたくさんの方々から、「実際に行ってみたい」との声が多かったので企画したものです。
案内が年末になってしまい時間がなかったのですが、定員30名のところすぐに一杯になってしまうほど伊那食品工業さんへの関心が高いのですね。

当日、伊那市は朝マイナス10度を超える寒さでしたが、東京ドーム3個分の敷地内(本社・研究棟・かんてんぱぱホール・かんてんぱぱガーデン)を見学、塚越会長のご講演、塚越専務と3人の社員さんとの質疑応答の時間と盛りだくさんの内容の視察研究会になりました。
塚越会長、伊那食品工業のみなさん、ありがとうございました。

簡単に内容を紹介すると、
塚越会長には、「性善説に基づく経営」の実現についてお話いただきました。
 ・会社という組織は、そこに関わる人が幸せになること
 ・経営力とは、自分の会社の適正成長率を決めること
  それはできる限り低い方が良い。将来が楽しみということ。末広がりの状態をめざす。
 ・リストラ(首切り)は、経営者として最も恥ずかしい行為
  なぜ会社を大きくすることをそんなに急ぐのか。会社を大きくすることで、そこに働く人の
  生活権を奪ってしまっていいわけがない
 ・会長の自慢は、「社員が社会人として立派」なこと(だと地域の人たちから言われること)
  社員が人としてどう生きるかの教育にずっと力を入れてきた
  立派とは、「人に迷惑をかけない」から「人(世の中)の役に立つこと」
 ・今年の行動指針は、『ずくをだし、みやましく』
  長野県の方言で、「ずくをだし」は「ちょっとした手間を惜しまない」、
  「みやましく」は「仕事の手際がいい、美しい」
 ・年功序列、終身雇用を守り続ける
  評価する人によって分かれるような評価制度はやらない
  誰が見ても良い人は「抜擢」する
  「ファミリー」だからその人なりに努力をしていれば評価する
  社員を信じているから、信頼関係があるから、社員が手を抜かない

その後の3名の社員さんたちとの質疑応答では、それぞれ3名とも会社に対する思いを話してくれました。
特に印象的だったのは、
「入社以来、会社に行きたくないと思ったことが一度もない」
「会社が、会長や先輩のみなさんが本当に良くしてくれるので、自分もいつも会社のために何ができるのだろうかと自分で考えるようになっている」
「この会社に入って、仕事だけでなく、社会人として成長できていることを実感している」

こう書くと、「それはお客さんの前だから言っているのであって、そんなことあるはずがない」と思っている人が多いと思います。
でも90分間、参加者もいろんな角度から質問を投げかけましたが、それに答える社員さんたちの表情や雰囲気、そして言葉を聞いていると、本当にそうなんだと確信できましたね。

ある社員の方は、現場で自主的に昼休みに何人かで集まって、会長の書かれた本「いい会社をつくりましょう。」の読み合わせをしているという話をしていました。

社員さんたちへの質問にこういったものがありました。
「塚越会長の言葉で一番心に残っているものは何ですか」

それに対して3名の答えは
「何か(たわいもないこと)を毎日続けることの大切さ」
「ひとりでは弱いけど、みんなと力を合わせれば強くなる」
「ひとつには決められません。毎日、人としての根元的な(道徳)話をしていただいていることすべて」

視察研修は、実際に会社の雰囲気や社員さんたちの仕事ぶりや表情、そして話が聞けるので、学ぶこと、感じること、気づくことがたくさんあります。
参加された方々も茨城から遠い伊那ですが、「来て本当に良かった。来なければ信じられなかった。」と話をされていました。

性善説に基づく経営、どこまでも人を信じて経営をしていく覚悟と実践(教育)。
それに応えようと自発的、自主的に考え行動する社員たち。
やはり「経営とは人である」と、深く感じた1日でした。

茨城県経営品質協議会では、今後も今回のような視察研究会を開催していきたいと考えています。
気づきの多い場になること間違いなしですので、ぜひご参加ください。


さて今回は、組織変革について考えていきたいと思います。
「経営革新の基礎コース」のテキスト本(岡本正耿著)から紹介していきます。

気づきの研修などで話をする「ゲシュタルト療法」。
「ゲシュタルト療法」とは、個人を全人格的によくまとまっている状態に導く心理療法ですが、そのゲシュタルト療法を用いた組織開発のひとつにオーセンティック・マネジメント(真実性のマネジメント)があります。

今回は、人に焦点をあてた「オーセンティック・マネジメント(真実性のマネジメント)」の紹介です。

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 オーセンティック・マネジメントの特徴はシステムよりも人間に焦点をあてるところにあります。多くのマネジメント革新はシステムを変えようとしますが、オーセンティック・マネジメントではシステムを変えるには、それを構成する人間が自らを変えなくてはならない、と考えます。その前提は、人々が自分自身に深く気づき、その気づきに忠実であれば、組織能力は高まるという仮説です。また人をマネジャーとは部下という役割としてではなく、人間として認めた場合に、組織の活力が出てくると考えます。こうして一人ひとりの個人が活力を持てば、自然に組織の活力が高まることが予想されるからです。
 またオーセンティック・マネジメントでは、上司も部下も人間として見ようとします。人を役割や立場としてとらえると面子や思惑が絡んでしまいますが、誰も同じ人間として認めると、そこに人間らしい営み、人間性が発揮されてきます。その人間性の相互作用が組織の活力につながるものと考えるのです。成功している優れた組織ではリーダーもメンバーも表情が明るく楽しそうです。それは人々が役割を演じているのではなく、人間として交流しているからなのです。

 オーセンティック・マネジメントによる組織的な問題解決は次のようなプロセスで行われます。

①自己の目標の明確化
 メンバーがそれぞれ自分の目標について考えます。自分の目標はどのようなものなのでしょうか。深く考えていくと、自分の目標と組織の目標が一致しない場合もあります。そうした場合には、普通は自分の目標を諦めてしまいます。もし組織の目標が正しいのなら、自分の目標を変えるべきですが、組織の目標が曖昧で不明確な場合や、明らかに組織の目標が間違っているような場合にはどうしたらよいでしょうか。ここで自分への問いかけが始まります。自分の目標を変えるのか、それとも組織を辞めるのかでしょうか。自分は本当に組織を革新したいのでしょうか。それとも単に口先だけで変革を唱えているのでしょうか。

②目標に達するまでの障害物の明確化
 自分の覚悟が決まったら、次は障害物の明確化です。障害物は自分自身がつくっているものでしょうか、それとも他人がつくっているものなのでしょうか。大部分の人が障害物は「他人がつくっているもの」として安住しています。しかしながら、多くの障害物は実は自分でつくっているのです。それは自己敗北的なもので、誰でもその前提を持って、自分の可能性を狭く限定してしまっています。
 起業とか変革というものには障害や制約が必ずあります。その障害を出来ないことの言い訳にしたり、逃避の根拠にしてしまってはなにもできません。しかし自己実現や社会貢献といった高い次元の意志を持った場合はどうでしょうか。大目的の前では障害も当たり前の通過点になります。そう考えると、障害や制約を克服する、乗り越えることが創造的で挑戦的な生きがいになってしまいます。

③障害にどう直面するか
 困難な障害と直面すると、人生観や自己認識が現れてきます。依存型の人は例えば、「難問だから投げ出す」、「表面だけ順応しようとする」、「できない理由(愚痴)を繰り返す」などという心理的合理化を行います。自分自身の問題として考えないのです。しかし、ここで人生観や自己認識を振り返ってみましょう。そのような逃避、合理化をするのは、自分自身を本当には高めようと考えていないからではないでしょうか。自分が自立していたら、自分が勝者の脚本だとしたら、自己実現レベルで考えたなら、と自問していくのです。
 こうして気づきを深めながら考えていくと、今まで気づかなかった代替案や可能性が出てきます。個人のカウンセリング治療の場合に、悩みや不安の原因が些細なことだったことに気づいたり、幼児期の体験にあったことに気づいて解放されることをハハァ体験といいますが、これが起きてくるのです。くよくよ悩んでいたけれど、気の持ちようを変えたらすっきりしたとか、見方を変えたらリラックスできた、などというものと同じです。

④自己革新
 こうして自己革新が起こります。このような体験をすると、ゲシュタルト形成が起きてきます。つまりもやもやした感じがなくなり、自分自身がスッキリしてきます。そうすると、自分の他人に対する接し方が自然に変わってきます。ピリピリと緊張していた感じの人がリラックスしてゆとりを持ったり、消極的で暗かった人が前向きで明るくなってきます。人は自分を知る、真実の自分に気づけば気づくほど、どこか違ってくるものです。
 これは自分の内部を自分で見る見方が変化しているのです。自由に自分の見方や考え方、感じ方を変えることができ、様々な他人を受容できるようになります。それまで自己革新の障害になっていた後ろめたさや不安、劣等感がなくなっていくのです。
 この自信が、自分の他人への反応を変化させます。他人の行動が変化しなくても、その人を見る見方が変わっているのです。例えば「こわいから防衛的」だったのに気づくことによって、相手を肯定的にとらえることができるようになります。
 無理に変革しようとしていたときには変革できなかった自分が、気づきを深めることによって自然に変革してしまいます。「変化しなくては」という強迫観念がなくなり「変化しなくてもよい」とありのままの自分を認めるようになったので、逆に自然に変化してしまうのです。

 オーセンティック・マネジメントにはいくつかの原則があります。
第1は、個人の気づきに焦点をあてるということです。組織の状態を診断・分析するのではなく、個人が「今、ここ」でなにをどうしていくのかを求めるのです。
第2は、コンフリクトを直視するということです。論理的・合理的・客観的な問題解決の以前に、自身に潜む原因を明らかにしていくのです。
第3は、フィードバックです。オーセンティック・マネジメントでは外側から客観的なフィードバックをするのではなく、内面的な気づきでセルフ・フィードバックをします。

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組織変革とは、組織が変わることではなく、組織内の一人ひとりが気づきによって自分自身が変わることで実現できていくのです。

となると、まずは自分の気づきの能力を高めることが求められますね。

これもテキスト本から紹介すると、

『気づきとは、何が見える、物音が聞こえるというように、最初は外部世界への気づきから始まります。そして気づきを深めていくと、次第に自分と外部の接点に気づきます。他人に対してとっている態度や、物事に取り組む姿勢に気づくのです。失礼な態度、横柄な態度、消極的な態度、人真似の振る舞いなどに気づくと、それが次第に良い態度や姿勢に変わっていきます。
 より気づきを深めて、自分の考え方や価値観、感情のクセなどに気づきます。横柄な態度の源は自分自身への劣等感や、人に尊敬されたことのない不充足感によるものだったことなどに気づきます。あるいは積極的に行動しないのは、自分が自己実現や社会への貢献などを考えたことがないためだと気づきます。高い次元の人生目標を持っていなければ、積極的な行動をとれませんし、建設的な対人態度もとれません。こうした気づきプロセスを通じて、人は自分の行動をどう選択するべきかに気づきます。やがて自分をもっと高い次元の意図をもった人間にしたいという気持ちが生まれてきます。こうして自分の人生に対する責任が明らかにされるのです。』

「気づきによる自己変革」がまずあって、組織変革へつながる。
次回も続けていきたいと思います。

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コメント (2)

つかだ:

いつも最幸の機会をありがとうございます。

「変化しなくてもよい」とありのままの自分を認めるようになったので、逆に自然に変化してしまうのです。

この言葉、沖縄で川畑社長に言われている気がしてしまいます。

経営革新の基礎(ブラックバイブル)
読み返します。

おにざわ:

つかださん、コメントありがとうございます。

「気づきの能力」を高めることが求められていますが、これはコンピテンシーで、若いうちにどんどん体験して身に付くものと言われています。

つかださんはまだ若いのですから、ぜひ「はい、喜んで!」の精神で取り組んでいってください(笑)。

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2009年01月18日 23:36に投稿されたエントリーのページです。

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