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「経営の基本に立ち返る」

3月1日(日)

早いものでもう3月です。
今、水戸は「梅まつり」で週末になるとたくさんの観光客がいらっしゃいますが、今年は特に2月14日に25度なんて日があったので、もう梅は8分咲きで見頃です。
梅まつりは3月末まで開催していて、例年は3月に入ってからが見頃なのですが、さて今月末まで持つのでしょうか心配です。

気温でいえば、先週は沖縄に行っていましたが、沖縄は連日25度。24日の火曜日に戻ってきたのですが、その日の水戸の気温が6度。水戸駅に降り立ったときには、凍えるような感覚でしたね。

実は昨日の晩から体調を崩し、今日は丸一日寝ていました。

26日と27日の2日間、今年度の日本経営品質賞報告会があり、参加していました。
今年度は残念ながら受賞企業がなかったのですが、報告会はこの10年間のいくつか受賞企業のトップにも登壇していただき、かなり内容の充実した報告会だったと思います。
経営品質実践塾の同志たちもたくさん参加してくれて、初日の夜には夜中の1時過ぎまで熱く語り合いました。

今週は毎朝起きるときに、ちょっと疲れが抜けていないなあと思っていたのですが、昨晩、ど~んと来てしまいましたね。
ゆっくり休んでいたので、今は何とか力が入るようになってきましたが、
明日からも、伊那・千葉・広島・東京と連日出かけていきますので、体調管理には気をつけないと・・・。

今日の「経営品質講座」は、申し訳ありませんが、ちょっと短めでいきます。

今日のタイトル「経営の基本に立ち返る
これが今年度の日本経営品質賞報告会のテーマです。
そして、「顧客価値を高め、社員が自ら考え行動する組織づくり」と続きます。

内容のすべてを紹介することはできませんが、特に印象的だったところを少しだけ紹介していきます。

今回は、初日の午前中のセッションとして、まず一橋大学名誉教授であり日本経営品質賞委員会委員の野中郁次郎先生の基調講演「卓越性の経営とリーダーシップ」。

そしてその後に、米国MB賞(マルコム・ボルドリッジ賞)を過去2度受賞している、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーから日本支社長の高野登さんの講演。

この2つで、もう今年度の報告会はすごいぞ!の雰囲気に一気になりました。

野中先生の著書は何冊も読ませていただいていますが、お話を伺うのは初めてでした。
今回特に印象に残った言葉が、「フロネシス

この「フロネシス」、以前、本でも読んだ記憶があったのですが、まったく理解していませんでした。今回は響いてきましたね。

検索するとたくさん出てきますので、みなさんも調べてみてください。勉強になりますよ。

雑誌「致知」2006年12月号での対談からの引用です。

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私が最近関心を持っている概念にフロネシス(phronesis)という考え方があるんです。これはアリストテレスが唱えているのですが、賢慮(prudence)、倫理(ethics)、実践的知恵(practical wisdom)を意味する言葉です。

アリストテレスの知の分類は3つに分かれていて、1つは科学的知識であるエピステーメ(episteme)、もう1つが物づくりのノウハウであるテクネ(techne)、そして3つ目がフロネシスです。これはエピステーメとテクネを統合するような概念で、物づくりのノウハウに倫理観や審美眼を加えたもの。つまり倫理的な思慮分別を持って、その都度の具体的な状況・文脈の中で最適な判断行為ができる実践的知恵とでもいったものです。言い換えれば、知識を磨いて知恵にまで高める時には審美眼や倫理観がないと駄目だというわけです。

アリストテレスは「人間は生まれながらにして善いこと(good)をしたいんだ」と言っています。グッドとは何かといえば、それ自体が目的であって手段にならない絶対的価値、例えば幸福です。幸福を目的にする時、我々には最終的な自己実現を求めて絶えず無限の卓越性、エクセレンス(excellence)を追求していくという一種の職人的、求道的な姿勢が求められます。それがフロネシスなんです。一方、金銭というのはいつまでたっても手段でしかない。目的とはなり得ないんです。

ドラッカーは、このフロネシスがよく分かっていた数少ない人だったと思います。経営は科学であると言う人がいますが、経営が科学ならばそこには価値観というものが入りません。ましてや審美眼なんて主観の問題ですから科学の対象にはなりませんね。ところがドラッカーは、経営にはアートが重要だと言っている。科学だけではなく、倫理観や審美眼の必要性をよく分かっていた証拠です。
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そしてこれからの知識創造企業に求められるのが、「フロネシスのリーダーシップ(賢慮型)
そのポイントは6つ。

1.「善」目的をつくる能力
  ・・・「何が善いことか」について、善悪の判断基準、倫理観を持っていること
2.場をタイムリーに創発させる能力
  ・・・「今、ここ」の経験を共有できる場づくりができること
3.アクチュアリティを直観できる能力
  ・・・ありのままの現実を直観すること。本質を洞察する。「神は細部に宿る」
4.本質直観を生きたシンボルに変換する能力 
  ・・・対話を通じて、抽象化したものを概念化し、仮説化、そして物語化できること
5.コンセプトを結晶化する能力
  ・・・ビジョンを実現する政治力 共感してもらうだけでなく、人を巻き込む。
    時には清濁併せ呑むこともできる
6.賢慮を育成する能力
  ・・・賢慮を伝承・育成する。手本を媒介して伝わる。立ち振る舞いで伝わっていく。

その他に必要なのが、
教養・・・哲学、文学、歴史、芸術
至高体験・・・修羅場の体験
・そして「遊び」・・・人間の機微に触れること

実践と対話の繰り返し、動きながら考え抜いていく「知的体育会系」=実践知のリーダーになっていくことが求められているとのこと。

いや~、しびれますね。
まだまだ自分は実践できていませんが、自分のリーダーとしての「ありたい姿」そのものの話を聞くことは、心が震えますね。

さて、次のリッツ・カールトンの高野さんの話にもしびれました。
ここでは、いくつか高野さんが話された言葉を紹介します。

高野さんが高校時代に恩師に言われた言葉。
商人は、最小の結果でも、最大の努力を惜しんではいけない
・・・最小の努力で最大の結果を追い求めてことをついつい考えてしまいます。

藤田東湖(水戸藩の学者)が黒船襲来で国家が大揺れに揺れているときに、吉田松陰に贈った言葉。
国難襲来す。国家の大事といえども深慮するに足らず。深慮すべきは人心の正気の足らざるにあり
・・・現在もマスコミから流れる悪いニュースに浮き足立ってしまって、何も新しい行動を起こしていない経営者が多いですからね。

リッツ・カールトンのエグゼクティブミーティングで、
おだやかな海では、たくましい船乗りは育たない
・・・野中先生も修羅場の体験がリーダーを育てるとおっしゃっていました。

99℃と100℃の違い。水は99℃ではただの熱いお湯。でも1℃上がり100℃になると蒸気になり、機関車も動かすことができる。ここが限界と思うのではなく、もうちょっと努力することによって世界が変わってくる
・・・天才エジソンも、もうここが限界と思うのではなく、いよいよここからだと思っていたそうです。その努力をできる人が天才なんですね。限界は自分で決めることですから。


ずっと考えながら書いていたら、ちょっと頭が痛くなってきました。
まだまだたくさん紹介したいことがあるのですが、すいません、今日はこのあたりで。

以下、茨城県経営品質協議会3月例会のご案内です。
今月は、会津若松の東山温泉郷にある老舗の温泉旅館「向瀧」の平田社長にお越しいただきます。
私も何度か宿泊しましたが、風情のある素晴らしい旅館ですが、その老舗旅館の経営革新の軌跡(苦労話)をお話いただきます。
ぜひお越しください。

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ICPE3月例会

いつでもホッとな温泉宿を目指して~伝統旅館向瀧の経営革新奮闘記~

講師:平田裕一氏 (株)向瀧 代表取締役
     (2003年度会津若松経営品質賞 大賞受賞企業)
日時:平成21年3月11日(水)14:00~17:00
会場:水戸プラザホテル 2階 プラザボールルーム
会費:ICPE会員 無料(何名様でも) ・ 非会員 3000円(お一人様)

 会津の奥座敷東山温泉にある向瀧(むかいたき)(http://www.mukaitaki.com/)は、1873年に創業し、その建物は国の文化財登録制度第1号に登録されている伝統旅館です。
 2002年、6代目になる平田裕一氏が社長に就くと同時に向瀧の経営革新が本格化します。翌2003年に会津若松経営品質賞において“大賞”を受賞しますが、社長が初めて経営品質向上プログラムに関する研修会に参加したときに見た優良企業のビデオは、遙か雲の上の存在で、衝撃的だったそうです。業種の違いはあるけれど、高いレベルの顧客満足度、生き生きと働く社員の姿、どうすれば向瀧を変えることができるのか……途方に暮れたそうです。
 ホームページを開設し、従来は社長の耳に届いていなかった、小さな声ではあるけれど、より本質的なお客様の期待や要望が聞こえ始めていたところに、「顧客本位」や「独自能力」といった考え方を学ぶ中で社長が導き出した答えは、「向瀧が向瀧であり続けるためには、向瀧を変えなければならない」「優良企業の真似をするのではなく向瀧らしさを磨き上げよう」ということでした。
 これまで明文化してこなかった経営ビジョンを「いつでもホッとな温泉宿」と表し、主要なお客様を「国の登録文化財の木造建築に興味を持ち、旅の一つ一つの要素にこだわりを持つ旅人」と定め、旅行代理店とのお付き合い契約を解除し、カラオケ設備を撤廃するなど、時代の流れの中で膨れあがってしまった価値基準をゼロから見直しました。経営ビジョンを実現するために、過去を捨てるところから経営革新がはじまりました。
 今回の月例会では向瀧の平田裕一社長をお招きいたしまして、経営品質を導入しながら伝統旅館を経営革新していった、その経緯とポイントについてご講演いただきます。皆様のご参加をお待ちしております。
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2009年03月01日 22:57に投稿されたエントリーのページです。

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