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顧客について考える・・・その1

7月21日(月)

夏本番です。
本当に久しぶりの休日でしたが、やることが多く、あっという間に過ぎてしまいました(苦笑)。

さきほどまで見ていたのが、NHK『マネー資本主義』の最終回「危機を繰り返さないために」。
昨日も放送があって興味深く見ていました。
第4回「ウォール街のモンスター 金融工学はなぜ暴走したのか」。
まさに私が勤めていた米国投資銀行ソロモン・ブラザーズが、1980年代に金融の世界に科学者や数学者を引きずりこんで作らせたのが金融工学。
リスクヘッジが目的であったのが、あっという間に目的は利益を生み出すことに変わっていきました。

お金と人の欲、私たちは過去から学習しているのか、進化しているのか、それとも・・・。
社会にとって、資本主義がいいのか、保護主義がいいのか、単純なマルかバツかの話ではなく、ひとりひとりが深く考えていかなければなりませんね。

そんなことを考えていて、さらに深く考えなければと思わせてくれたのが、日中見ていたTVドラマ『官僚たちの夏』。
初回から3回分、録画しておいたものを一気に見ましたが、こちらも面白いです。
私は最初からぐいぐい引き込まれてしまいました。
まだ見ていない方は、ぜひ。お薦めです。
戦後の日本を創った企業の話が「プロジェクトX」だとしたら、こちらはその企業を支えた通産省の話です。
城山三郎さんが書いた、実話に基づく小説のテレビ版ですが、まだ原作を読んでいませんので、早速読んでみようと思います。
しかし、この国の未来を信じて熱く生きていた通産省の官僚が主人公で、歳は40歳前半。
自分に対する反省もありますが、いったい今、どれだけ同じ年代の人間が、自分の欲ではなく、国家の未来を真剣に考え日々行動しているでしょうか。
自分の生き様をも考えさせてくれるドラマです。


さて今日は、時代は変わり、モノがない時代からモノあまりの時代へと変化し、さらに金融危機で世界同時不況に陥っている今、あらためて真剣に考えなければならない、企業と顧客の関係、「マーケティング」について書いていこうと思います。
(今日だけでなく、しばらく書いていく予定です)

企業と顧客の関係については、やはりピーター・ドラッカーの言葉から紹介します。

『企業とはなにか、という質問に答えるためには、われわれはまず、企業の目的を考える必要がある。企業が社会の一機関である以上、企業の目的は企業それ自身にあるのではなく、企業をその機関とする社会のなかになければならない。したがって企業の目的についての正しい定義はただひとつしかない。それは顧客の創造である。』

企業は利益の追求が目的であるとする古い経済学から、顧客の創造が目的だとするドラッカーの考えによって世界が変わったといっても過言ではないようです。
(ただ日本は昔から商人道で、自分の利を考える前に相手の利を考えなさい、といっていますので、この点に関しては日本が先進的です)

また、企業と顧客の関係を考えると、マーケティングについて考えていかなければならないのですが、マーケティングの定義も時代とともに変化していますので、以下に簡単に紹介していきます。

米国マーケティング協会の定義ですが、

1960年の定義、「生産者から消費者あるいは使用者に、製品あるいはサービスを流すための事業活動の遂行」

まだいかに売ること(販売)が中心ですね。

これが1985年の定義になると、「マーケティングとは、個人的満足あるいは組織的目的のためにアイディア、商品、サービスを発想し、価格を決め、プロモーションを行い、流通させることの計画と執行のプロセスである。」

このあたりで、顧客に対する意識の変化、顧客のニーズを把握してそれに応えることが重要であるとはっきりしてきます。
マーケティング・ミックスと呼ばれる4P(プロダクト・プライス・プロモーション・プレイス)の考えがありますが、まだ4Pも売り手側の視点です。

そして最新2004年の定義では、「マーケティングとは、組織とその関係者にとって有益となるように、顧客に対して価値を創造し、伝え、提供し、関係を管理するために行われる組織的な機能とその一連のプロセスである。」

アイディア、商品、サービスという表現から、「価値」という表現に変わりましたね。
また、売り手側の視点である4Pから、1993年には買い手側(顧客)の視点である4Cという考えも生まれてきました。

  プロダクト⇔カスタマー・ソリューション(顧客の問題は何か)
  プライス⇔コスト(顧客にとって、納得のできる価格なのか)
  プロモーション⇔コミュニケーション(顧客に理解と共感を得られているのか)
  プレイス⇔コンビニエンス(顧客にとって便利で、購入しやすくなっているのか)

どんなに作り手が良いと思っていても、価値あり(役に立った)と判断するのは顧客です。
常に顧客の視点で物事を見て、評価して、改善、改良、そして革新していかなければ、あっという間に変化に取り残されていってしまいます。

このように時代とともに企業と顧客の関係は変化をしているのですが、それを以下のようにも表現できます。
先週の日経ビジネスの付録についていた雑誌から引用紹介します。

鈴木敏文氏(セブン&アイ・ホールディングス会長兼CEO)の分析による、消費循環の変遷
  1970年代・・・モノを作れば売れた時代
  1980年代・・・商品に明暗が見え始めた時代
  1990年代・・・消費飽和の時代
  2000年代・・・消費飽和が進んだ時代
   (値下げしても価値のない商品は売れない。質の充実を図り、新商品を投入することが
    求められた)
  現在・・・購買意欲を刺激しないと売れない時代
   (価格見直しや新商品の投入に加え、イベント性のある販促などを通じて、
    消費者の背中を押す仕掛けが必要に)


確かにそうですね。
我が家でも最近は財布の紐がきつくなっていて、ほしいものがそんなにないこともありますが、以前のようにどんどん買い物をすることはなくなってきています。

変化は激しく、顧客に価値を提供し続けていかなければ、企業の存続が難しい時代です。
そこであらためて、自分たちの事業領域(ドメイン)を明確にしてみてください。

  ・顧客は誰か
  ・顧客の求める価値は何か (顧客を区分して要求の違いを見出す)
  ・顧客を理解し、求める価値を提供しうるか

幹部だけで考えるのではなく、現場の第一線との対話をしてください。
また重要顧客グループとのコミュニケーションも効果的です。
いずれにせよ、過去の成功体験にとらわれずに、創造力を発揮して、独自性を出していきたいですね。

来週も引き続き考えていきたいと思います。

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2009年07月20日 22:40に投稿されたエントリーのページです。

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