9月27日(日)
今回も前回に引き続き、茨城経営品質大学の公開講座でお話いただいた、ジョンソン・エンド・ジョンソン元社長の松本晃氏の講演内容から紹介したいと思います。
前回は「価値前提の経営」についてでしたが、今回は「21世紀型企業」について。
松本さんは、「21世紀の企業に求められるもの」は次の5つであると話をされました。
1.危機管理
2.コンプライアンス
3.コーポレート・ガバナンス
4.企業の社会的責任
5.ビジネスの結果
そして、それぞれのベースにあるのが、「我が信条(Our Credo)」であるということです。
今日は特に1と2について、ポイントを簡単に説明していきます。
「危機管理」
ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、1982年の家庭用解熱鎮痛剤に毒物が混入されていた「タイレノール事件」の対応からの教訓が今も活かされています。
「我が信条(Our Credo)」の考え方に基づき、素早く全製品の回収、積極的な情報開示など適切な措置を取り、消費者や産業界から高い信頼を得ることができたのです。
問題(危機)が発生した時に何を大事にしなければならないのかは、次の5つです。
① 顧客優先
② 情報開示
③ 率先垂範
④ スピード
⑤ 再発防止
現在も企業の危機管理では、ジョンソン・エンド・ジョンソンの事例を参考にしているところが多いとのことですが、逆に上記のようなことを考えて対応せずに、かえって顧客や世論から批判を受けているところも多いのが残念です。
みなさんの会社・組織では、危機管理の約束事・ルールが明確になっていますか?
「コンプライアンス」
コンプライアンスは法令遵守にとどまらず、社会からの要請に応えなければならない。
それは国によって違うし、いつも変わっていく。どんどん要請は高くなる。
経営者は、高くなる要請をいつも知らなければならない。
コンプライアンスに妥協はない。ダメなものはダメ。
それができなければ、100年続いた会社でも一瞬でつぶれてしまう。
私が以前より、ジョンソン・エンド・ジョンソンの倫理観で素晴らしいと思っていた考え方が、
「Gray is Black.」 (灰色は黒)
この言い切り方がすごいですよね。
しかも簡潔でわかりやすい。
数年前に、「限りなく黒に近い灰色も大丈夫」と活動していた経営者もいましたが、やはり長続きしませんでした。
日本で言えば、「お天道様が見ているぞ。お天道様に恥ずかしくない生き方をしなさい。」
といった考え方と共通しているのではないでしょうか。
倫理観で言えば、こうも説明されていました
「瓜田に履を入れず」
「李下に冠を正さず」
疑われることはやってはならないという姿勢が大事なのです。
松本さん曰く、
「確かにそれは窮屈なもの。しかし経営は窮屈なものだから、嫌なら経営はできない。 21世紀は正々堂々と経営をしていかなければならない」。
こうきっぱり言い切っていました。
さらに、ジョンソン・エンド・ジョンソンがある意味、厳しい会社であると感じたことは、
「One Dollar, OUT!」
1ドルでも会社のお金をごまかしたらクビ!
「悪の小なるを以って之を為すこと勿れ」(悪いことは小さなこともしてはならない)
これだけ厳しい倫理規範がある日本企業や日本の組織(特に行政!)がどれだけあるでしょうか?
結構なあなあでやっているところが多いのではないでしょうか。
「厳しさと優しさ」
良きリーダーに求められるものですが、企業・組織も同じ。
前回も書きましたが、ジョンソン・エンド・ジョンソンには他の企業の水準に比べてかなり厳しい倫理規範があります。
このことによって「危機が起こりにくい会社」となり、消費者から高い信頼を勝ち得ているのです。
その理由がよくわかります。
ここまで読んで、みなさんはどう感じていますか?
いや、うちではとても無理だよと、取り組む前からあきらめていませんか。
時代の変化の中、もう一度、日本人としての倫理・道徳が必要だと再認識されている時代です。
会社・組織でも、自分たちにとって何が大切なのか、やっていいいこと悪いことが何なのかを明確にして、取り組んでみてください。
その一歩一歩の努力が、これからの明るい未来を創っていくのです。
