2012年9月例会の様子

「経営品質向上活動はじめの一歩!」アセスメント基準書解体新書 
『田村 均氏』(元株式会社リコー 販売事業本部 審議役)

 9月例会(9月18日(火)、水戸プラザホテル)は、元株式会社リコー 販売事業本部 審議役田村 均様をお招きして、「経営品質向上活動はじめの一歩!」についてお話しいただきました。
田村様は、株式会社リコーが日本経営品質賞を受賞したときの立役者であり、現在もそこで培ったCS 経営の実践的なノウハウを分かり易く講演し、多くの企業のCS 経営を後押しされている方です。素晴らしいご講演内容のなかから、ここでは、田村様の経営品質向上活動に関する示唆に富むお言葉を整理してみたいと思います。

●カスタマーサティスファクション(CS)
「モノ余り」の現在、「売り上げを増やすにはお客様との関係を強化し、お客様から選ばれる企業にならなければならない。そのためには選ばれる理由が必要であり、その理由(バリュー・プロポジション)、つまり自分たちは何で勝負しているかを明確にしなければならない。
●バリュー・プロポジション
自分たちが何で勝負しているか。これは、?新しい製品・サービスを次々に投入できる「製品の優位性」を持つこと、?利便性の高い製品・サービスで差異化する「業務の卓越性」を持つこと、?製品・サービスは他社と類似していても、顧客との信頼関係を構築している「顧客親密性」を持つことの3タイプがある。顧客から選ばれる企業はこのいずれかに優れている。
●「CS」の「C」はコミュニケーション
「CS」の「C」はコミュニケーションで「S」はシステムと考える。コミュニケーションでは伝える「何か」を明確にしなければならない。したがって、「CS」で大事なことは、社員とお客様と市場(世の中)に対して、何(自社がこだわっていること、大切にしていること)をどのように伝えるのかを考えることである。
●組織の成熟度を把握する
いい土壌でなければ良い実はならない。目に見えない部分がこれから大切になる。目に見える仕組みが活性化するかしないかは、組織の成熟度、つまりものの見方や考え方が影響する。組織の成熟度はパソコンでいうOSのバージョンに例えられ、これを上げていくために、現在の成熟度を把握することが必要になる。この成熟度によって強みや改善領域が異なるからである。こうした背景でアセスメント基準書はできている。
●経営品質向上プログラムによる経営革新
アセスメント基準書(P6?P7)が示す「革新に必要な思考の枠組みを提供する」「組織の成熟度を高める方向性を提供する」とは、?通信プロトコルの改善と、?OSのバージョンアップの2つである。組織のレベルを変えるためには意識のレベルを変えなければならない。

難しい内容でしたが、身近な事例をまじえユーモラスに分かりやすくお話しして頂き、多くの気づきを得ることができました。私達も、いまのバージョンを把握して、組織のバージョンアップを図っていきたいですね。
                                (運営委員 阿内利之)