2018年11月例会の様子

“おもてなし”の心を育む組織づくり
星山 英子氏(株式会社スーパーホテル経営品質本部CS推進部部長)

11月20日(火)、水戸プラザホテルにて、2009年度・2015年度と2度にわたり“日本経営品質賞”を受賞し、最近では“おもてなし規格認証2018”にて最高賞となる“紫認証”を受賞された株式会社スーパーホテルより、経営品質本部CS推進部部長の星山 英子氏をお迎えし、11月例会を開催しました。当日は約50名の皆様にご参加を頂きました。

1989年設立の同社は、皆様ご存じのとおり国内外にホテルチェーンを展開しておりますが、会社創業時は“ワンルームマンションの賃貸”からスタートし、その後に業態を変え現在の経営スタイルとなりました。
店舗数は日本国内に131店舗、うち茨城県内にも水戸市と神栖市に2店舗あり、また海外にも2店舗(ベトナム&ミャンマー)展開しています。特徴としてあげられるのが、スーパーホテルの直営は4店舗+研修施設を兼ねる3店舗のみで、残りは業務委託店舗が104店舗、FC店舗が20店舗の組織構成で経営を展開している点です。

業務委託店舗の運営は“ベンチャー支配人制度”で養成された支配人&副支配人が1店舗を任され、50日間の研修後に4年間の店舗運営を任されています。

同社では“理念浸透経営”+“自立型感動人間の育成”に力をいれています。

経営理念の浸透にあたっては、特に“フェイスアップ”と呼ばれる朝礼に力を入れており、経営指針書の理解に留まらず、日頃のお客様と接した体験談や感じたことを伝え合う、そして共有した案件に対しては店舗支配人から丁寧なフィードバックをするよう心掛けられています。

星山氏ご自身も現場の勤務経験があり、フェイスアップ導入前と導入後で現場の雰囲気は大きく改善されたと語り、特に“お客様へのおもてなし”については誰もが目指す目標ではありますが、フェイスアップ導入前は現場で働く方々のアプローチ手法は個々バラバラで一体感が乏しかったのですが、フェイスアップ導入により現場で働く方々の意識が共有され一体感が生まれたのが大きな改善だったと話されました。

自立型感動人間の育成にあたって、同社は“上司と部下の話し込み”に力を入れており、進め方として、上司が聴き役に徹し対話を進めることで、部下が自ら“気づき”を得られるスタイルを目指し、心がけて取り組まれているとのことです。

現在同社は、“ロハス ※Lifestyles of Health and Sustainability”をコンセプトにした店舗づくりに取り組まれ、従来の顧客であるビジネスパーソンに加え、女性客の利用促進に向け、社員からのアイデアも募りながら、様々な工夫を施しています。

 講演後に行われた質疑では、聴講者より同社の人材育成に関する質問が寄せられ、星山氏は「人の教育は、植物の成長と一緒で急に伸びるわけではなく、太陽を浴びせ、水やりを続けることで、成長を遂げていくと感じている。人も植物と一緒で、太陽を照らすように温かく見守り、水やりをするように成長のきっかけを与えていくことで、真の成長に繋がっていく、と実感しています」と語ったことが、とても印象的でした。

最後にご参加された皆様のアンケートをご披露します。「ITで出来ることは機械に任せ人は人にしか出来ない事を集中的にやる事の徹底とその内容に感動しました」「我が社の現状は上からの目線とか無視されたなどの苦情の中で教育が行なわれているが、現場でも「オモテナシの心」が伝わる教育があればと感じました」「自律型感動人間の育成で上司部下の話合いの際、形式的なものに拘らず上司は聴き役に徹する姿勢に感銘を受け、それらが社員満足度向上につながっていることを実感できました」など人材育成面に関するの独自の活動に関した声が多かったことも特徴的でした。

運営委員 澤畑 英史氏